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15/11/24

バリバリ働いて結婚する女と結婚しない女のちがい

Image by Olia Gozha

年齢に関わらず、年収500万円以上で正社員の女性を私の結婚相談所では「バリキャリ」と定義している。「バリキャリ」も短縮形で、本当はバリバリ働くキャリアウーマンという意味である。


バリキャリ女性が入会するとき、私が思うというか、おそらくどこの結婚相談所でも思うことが3つある。

 一つは「男だったらよかったのに」ということ。今の世の中、年収500万円もあれば、文句をいう女性はほとんどいない。

 女性は頭のなかで、結婚後の出産育児の皮算用をする。子どもを二人産んで、小さい間は育児に専念して、小学校ぐらいになったら働きに出ても大丈夫な経済状態かどうかを特にチェックしている。だいたい、安心できるのが年収500万円ぐらいだ。だから、男性だったら喉から手が出るぐらい欲しい人材だ。


次に思うことは、「条件がうるさそうだ。特に男性の年収は要注意だな」ということだ。女性は男性を尊敬したいと思っている。知らず知らずの間に「年収」が尊敬のバロメーターになっている。だから、自分よりも年収が高いほうがいいという。しかし年収500万円以上だけ、となると男性の数がざっくり半分ぐらいに減る。つまり、お見合いの機会を半分は失ってしまうことになる。これは痛い。


最後に思うことは、「金払いはよさそう」である。本当に申し訳ないけれども、結婚相談所も収益をあげていかなければ続けていくことは出来ない。だから金払いのいいお客様は大歓迎だ。それに、社会の中で揉まれてきているバリキャリ女性たちは本当に容姿も磨かれていて、頭も切れている人ばかりだ。よっぽどきつい条件を突きつけられない限り、断わる理由なんてない。


こうして、バリキャリ女性が結婚相談所に入会をする。

そして、案の定やってくる試練たち。

婚活男性「む、無理ですよ。俺なんかそんな立派な女性!!!」

「俺より年収が高い女性はNGということでお願いします。」


などなど、男性たちがバリキャリ女性から逃げていく。この意気地なしっ!と言いたいところだ。しかし独身男性は、年収で力を測るところがある。だから自分より年収が高い女性と一緒にいたら、萎縮してしまうことが多い。

そう考えると致し方ない。


結果的に、彼女たちよりも年収が高い男性を中心に紹介をすることになる。


「バリキャリ女性って年収が高い男をいっぱい紹介をしてもらえるんだぁ。うらやましいなぁ。」


と、思われたかもしれない。けれどもそれは間違いだ。

そもそも彼女たちバリキャリの出会いの機会は、通常の半分になっているのだ。

責任のある仕事を朝から晩までやった結果、ゆるゆるっと働いている人よりも機会が減っているのは理不尽とも言える。全然美味しくない話だ。


また、年収と人格は何の相関関係もない。年収がいいから人格がいいなんてことは決してないからだ。最終的には、相性が良くなければどんなに条件が良くても結婚にはならない。だから相性の良さそうな人を残した上で婚活をするのが一番効率的だ。年収で切ると、相性がいい人もたくさん切ってしまうことになりかねない。


男性からこんな声もある。

「なんだか上から目線なんですよね。」

「彼女はとてもプライドが高いので思ったことを言いにくいです。」

バリキャリになるぐらいだから職場では理路整然と話をし、合理的かつ効率的に仕事をしているはずだ。月曜日から金曜日までこの生活習慣を身に着けていれば、デートの時だって体からにじみ出ても無理もない。それが上から目線や、プライドの高い印象を作り出しているとも言える。


というわけで、明らかにバリキャリは婚活では苦戦を強いられる。


しかしそんな中でも婚活が一瞬で終わるバリキャリが存在する。

「同じ仕事が出来るのに、男性に愛されるバリキャリと、敬遠されるバリキャリの差は一体なんなのだー!」


と思っていたところに、ある事件が起こった。


それは、3年ぐらい前のお見合いの話だ。

男性はエリート公務員で専門職の40代半ば。年収は約1000万円だった。

お仕事にやりがいを感じている上に、徹夜して働くなどハードな日常のため、

出会いに全く恵まれていなかった。


「うん、この人ならバリキャリに紹介して大丈夫そうだぁ。」


ということで、ある女性を紹介した。

30代後半の大手企業のOLで年収は600万円だ。管理職として責任も任され、年上男性の部下も率いている。しかしジャイアンみたいな感じではなく、フワフワパーマにまつげがぱっちりした石原さとみ風の美女だった。


お見合いが成立した瞬間、

「もうこのお見合いは完璧。男性は美男でもないけれども、愛嬌があって素敵だし、女性は美女でふわっとしているし。誰もがうらやむカップルの誕生だ−!」

と一人で盛り上がった。


ところが私の見立ては間違っていた。いや間違っていたどころか大クレームに発展した。


さとみ風バリキャリ「どうしてあんな人紹介したのですか?」

「えっ?!エリートですし、とても優しい感じですから。 逆に何がいけなかったのかがよくわかりません。」

さとみ風バリキャリ「ああ、大西さんは気がついていないのですねっ!!ふんっ!!!」

「」


その「ふんっ!!!」の中に、

「あんたそれでもプロなの?!」


という怒りがはっきりと見える。


「彼、首元の襟が真っ黒だったんですよ!!!!!」

「えっ?あ、そんなことですかー。なんだぁ…」


と思わず言ってしまったから大変。

「なんだじゃないですよっ!不潔じゃないですかっ!どんなに人柄が良くてもそんな人と一緒に暮らせないです。」

「えっ、ちょっと待ってくださいよ−。」



彼は若い時にお母様を亡くされ、父一人子一人で暮らしてきた。女性に身だしなみを注意される経験が少ない。しかも職場は圧倒的に男性の職場だ。しかも制服に着替えてしまう。襟の汚れについて触れる人間なんてほとんどいないだろう。


そのことを説明したが、彼女は「不潔!」の一点張りでお見合いは不成立に終わった。

ああ、襟が汚れていたら女性から断られるのってなんだか理不尽な気がする。だから、それ以来私は入会カウンセリングで男性がスーツを着ていたら、襟をチェックするようにしている。そしてこの話をする。

「女性は面倒くさいところありますね」

とたいてい苦笑される。しかし、襟を綺麗にしておくだけで機会が減らずにすむならやったほうがマシである。


さて、その可哀想なエリート公務員の話に戻る。結論からいうと、次のお見合いで結婚が決まった。



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