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15/11/12

第六十八章 出る杭は打たれる

Image by Olia Gozha

第六十八章

「出る杭は打たれる」

 26歳のときに小さなアパートの一室で学習塾をはじめた。名古屋のどこの予備校も雇ってくれなかったから仕方なかったのだ。それでも、名古屋大学卒とアメリカ帰りということで信用してもらえたらしく1年目から黒字だった。

 それだけではない。地元中学校から毎年「四日市高校」に合格できるのは1名か2名だが、私の塾からは2名、3名と合格者が出だした。それを広告に書いたら

「水増ししているだろう!」

 とイタズラ電話で脅迫まがいの嫌がらせを受け続けた。しかし、人口15000人くらいの小さな町だから嘘などすぐバレる。地元の北勢中学校だけでなく、隣町の藤原中学校や大安中学校の上位の子が通っていることなどすぐに知れ渡った。

 そして、今。ネットが普及してきたので4年前に「京都大学」の英作文の添削を始めた。すると、通塾生はもちろん通信生にも京都大学医学部、阪大医学部、名大医学部などの合格者が続出してきた。

 すると、またまた

「水増ししているだろう!」

 の掲示板の嫌がらせの書き込みやら、脅迫まがいのメール、イタズラ電話がかかってくる。よっぽどヒマなんだ。他人をこきおろしても自分の立場が良くなるわけではないだろうに。論理が通じる相手ではないのでスルー。

  しかし、それはそれとして

「北海道から九州まで通信生が増えてきた。これはどうやって信用してもらえば?」

 と考えてしまった。河合塾、駿台なども発表しっぱなしだから問題はないのかもしれない。しかし、三重県の片田舎の個人塾だ。もちろん、ライバル塾などが徹底的に調べてくれたら私の発表に嘘がないことが分かる。

  でもね、結局「信用」するしかないよね。京大に行って

「高木教育センターで添削受けていた人!」

 って調べれば、私のもと塾生の子は名乗りをあげてくれるかもしれない。でも、あげてくれないかもしれない。個人情報だから。大切なのは「授業」と「添削」なので、通塾生、通信生の方が満足して継続してくれている以上、

「これでヨシ!」

 と思うしか今のところ方法はない。四日市高校、桑名高校に知り合いがみえたら、高木教育センターのことを知っているか聞いてもらえれば情報が得られます。

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