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15/11/7

第五十八章 つながりたくない。

Image by Olia Gozha

第五十八章

「つながりたくない」

  私は中学生のときは機械体操部、大学では少林寺拳法部に所属していた。その理由は団体競技ではないからだ。個人でやる競技が好きだった。チームワークというのが生理的に合わない。

  それで、教師が「愛」だ「絆」だといって無理やり机を班に組ませて教育するのは嫌だった。だから、北勢中学校を卒業して個人主義の四日市高校に進学できて清々した。

私がその後、英検1級や京大を7回受けて文系なのに数学Ⅲを指導する塾講師になったのは、この生き方に関係がある。ラインはやらない。ブログは一方的に書くだけで、コメントは拒否。人とつながりたい欲求がない。だから、人間関係でモメることは少ない。

  うっとおしい。自分の生活のスタイルを邪魔されたくない。邪魔されるより孤独がいい。最近、中学生の間で仲間はずれでイジメたり、シカトがイジメを意味したりする。私は無視された方がいい。人間関係でもめるより、人間関係が無い方がいい。

  教師が宿題を出したり干渉してくるのも嫌だった。勝手に計画を立ててテキストを探して勉強していた。そのおかげで、大学を卒業しても勉強をし続けることが出来た。言いなり勉強なら、卒業と同時に終わっていた。

  もちろん、いいことだけではない。バツイチになった。でも、私は一人でいることのプラスとマイナスを考えると、プラスの方が大きいと考える。ギャンブル、酒、タバコ、女遊び、ゴルフなどいっさいやらない。つまり、オジサンと共通項がない。一緒にいたくない。

  微分積分や数列の話ができる相手など、塾の優秀な子だけだ。

  塾を始めて30年。有形無形の嫌がらせや妨害を受けてきた。その中には罵倒や揶揄もあるが、小学校の頃から「変」とか「おかしい」と言われ続けてきた。気にならなくなってしまった。ガリレオの犬のうんちの話をご存知だろうか。

  宇宙の広さに想いをいたし、数式の論理性に触れていると、どこかの誰かの口から音波が出たとて自分には関係ない。愚かな人は、他人の言葉に振り回されるから他人も同じだと考える。だから、罵倒が武器になると勘違いする。

 いや、罵倒が武器になる場合もある。というか、他人の言葉に傷つく人も、まだいる。イジメで自殺者が多くでている。もはや、待ったなしだ。

「人のつながりが大切だ」

「キミには無限の可能性が秘められているんだ」

 といった偽善的な教育はやめるべき。つながりを嫌う生徒が多い。強制は良くない。イジメの温床になる。無限の可能性などない。大多数の子は普通の生活。上位10%くらいが指導者になり、下位10%くらいはヤクザ。そういう図式は、時代が変わっても、どの国でも同じだ。

  人間は孤独だ。輝かしい未来など期待するな。

 そう思っていれば、イジメや絶望感で自暴自棄にならない。

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