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15/11/3

語れるものは何もないけれど

Image by Olia Gozha

人々の人生を垣間見ることができるSTORYS.JP。

「みんな色々あるねぇ」と感心したり、感動したり、単純に「おもしろい!」笑いながら読んだり、人生の過程を覗かせてもらっている。


私は人に語れるようなものは何もない人生。平凡な日常を送っている。

そんな私でも胸を張って言えることがひとつある。


私は幸せな人生を送っている。


一般的なサラリーマン家庭で育ち、短大を卒業して就職。

時はバブルが完全にはじける前、まだ浮かれ踊る人々がいた時代。私も例にもれず(?)起業を含め、生涯をかける仕事を得たいという野心を持っていた。当時のいわゆる少々ぶっ飛んだ系のお姉ちゃんという感じではあったが(笑)転職をしつつ、いくつかの業界を覗いてきた。

そして26歳で結婚。30歳を過ぎて3人の息子を産んだ。

子供の成長に合わせながら、その時にやりやすい仕事をし、今は基本半日の事務パートに落ち着いている。

病気で入院したり、今も投薬を続けているものもあるが、歳なり程度の不具合で元気にしている。

義父は他界したが、義母・実父母共に今のところ介護の心配もない。友人やご近所にも恵まれている。


長年の友人関係を経て結婚した同級生の夫は、夫婦であり、今も大切な友人。


高校生の長男を筆頭に3人の息子は、何かやらかして学校から電話が来ることも時折あるが、大きく道を外すことなく育っている。


どこにでもある平凡な家庭。

そんな普通の日常生活でも1日を通して見ると、感情の浮き沈みは意外とある。


《⇧》今日は天気がいいから洗濯物がよく乾きそう!

《⇩》なかなか起きない息子と朝からバトル

《⇩》仕事でちょっとヤなことあった…疲れた

《⇧》買おうと思ってたものが特売品、ラッキー

《⇧》ネットで読んだ記事おもしろい、ウケる

《⇩》子供たち、また散らかしっぱなし…しかも喧嘩始めたし??

《⇧》あら、ごはん思ったより美味しくできてる。私って素晴しい←自画自賛

《⇧》3人で楽しそうに話してる…子供たちのこういう姿、やっぱりいいなぁ


こんな感じで1日が過ぎていく。ちょっと嬉しかったり、ほっこりしたり…小さな幸せを感じることが多ければ、その日1日幸せだったと思える。

「塵も積もれば山となる」いい言葉だ。人様に語れるほどのものでもない、小さな幸せを積み重ねて「幸せな人生だった」と思い、幕を閉じたい。


もともと「小さな幸せを感じられる自分でありたい」と思っているほうだったが、その想いが強くなったのは「あれ?もしかして私、このまま死んじゃうのかな?」と思った、あの時からかもしれない。

結婚して間もない頃だったろうか、不正出血があって近くの産婦人科を受診した。「ホルモンバランスが崩れているかもしれないから、ホルモンの注射をしておきましょう」と言われ、注射の直後に意識を失った。

薄れる意識の中、体が硬直して動かなくなっていくのが分かった。

「あれ?もしかして私、このまま死んじゃうのかな?生きてても体が麻痺して動かなくなるとか?」どういう訳か冷静にそんなことを思いながら、完全に意識を失った。

目が覚めると、とりあえず何でもなかったので「大丈夫みたいです」と、今考えれば恐ろしいことに何の説明も聞かずに帰ってしまった。

この頃からだろう…「何があるか分からないから、小さな幸せを感じられる自分でありたい」という想いが強くなったのは。


平凡な日常。人に語れるものは何もない人生。

でも、愛すべき日常のひとコマ。

塵のような幸せを感じられる自分であり続けたい。


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Image by Jukka Aalho

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