top of page

15/10/19

第二十四章 「本当のことを言え!」

Image by Olia Gozha

第二十四章

「本当のことを言え!」 

  私は大学に入るまでは

「大学に行けば何でも分かる」

 と学問に絶大の期待を持っていた。サイエンスはこの世の全てを解明しているのだと信じていた。心理学を学べば、人の心は理解できると思っていた。そうでなければ、

「あの人の心は故障しているから、犯罪を許してあげましょう」

 なんていう精神鑑定が成立しない。

 ところが、名古屋大学の教授に会って授業を受け本を読んだら

「なんだ、コレは?すべてデタラメではないか」

 と思った。意識や知能といった基本的な概念でさえデタラメ。つまり、学者によっていろいろ説がバラバラ。普遍的な定義さえない。分かりやすく言えば、勝手に思いついたことを話しているだけ。それを支えるデータがない。

  精神鑑定に用いられるテストでさえ、よくて統計的な支えがあるだけ。つまり、数学的に言えば相関関係がいいところで因果関係の説明などいっさいない。

 

 カウンセラーは心理学系が多いだろうが、心療内科という医学系もある。それで、医学的なアプローチならもっと科学的かと本を読んだり人から話を聞いたら、脳の働きは謎、なぞ、ナゾの連発だった。つまり、何も分かっていない。

 脳どころか、生命が何かさえ分かっていない。

「同じ原子で出来ているのに、どうして人は動き、机は動けないのか」

 こんな当たり前なことさえ、明確な答えが出来ない。私は小学生に尋ねられたら答えられない。大人になったら、ランクの上の大学に行ったら、いろいろ期待したけど全て期待はずれ。結局、

「何も分からない!」

 ではないか。旧帝に合格し、英検1級に合格し、京大に合格できる数学力がついて、それでも何も進歩がない。何も分からないではないか。

 ノーベル賞をとっても、金メダルをとっても、世界一の金持ちになっても、私たちが住んでいるこの世界、つまり宇宙の構造が分かると思えない。自分の身体がどうして動くのかも分からない。病気や死を避けることも出来ない。

 

  教育産業にいると、教師や講師に日常的に会う。そして、その多くが分かったような顔をして授業を行っている。しかし、本当は何も分かっていないのだ。

「ごめんなさい。何も分かってません。ほんの少し分かっていることは」

  これが正しいスタンスのはず。

 

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page