top of page

15/12/26

初めてでも母乳育児が最高にうまくいく方法

Image by Olia Gozha

赤ちゃんが生まれたら、母乳をあげたいと思っている方へ


今妊娠していて、赤ちゃんが生まれたら母乳育児をしたいと思っている人はとても多いと思います。


赤ちゃんがママのおっぱいを飲んでいる姿って、かわいいしママからは愛が溢れていて素敵ですよね。

母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養だと言いますしね。


ただその一方で、

「こんなに大変だと思わなかった!」

「こんなに痛いと思わなかった!」

「おっぱい出ないしもうやめたい…」


なんて声もあるのが母乳育児なのです。



今は母乳育児推進の産院がほとんどだし、私も母乳を勧めているところで働いてきました。

そして沢山のママの授乳を見てきましたが、初めての授乳はとにかく上手くいかない。



赤ちゃんが口を開けるタイミングと、お母さんがおっぱいをくわえさせるタイミングが合わない。

おっぱいをあげているのにすぐ赤ちゃんが寝てしまって口を開けてくれない。

やっとくわえてくれたと思ったら、乳首をつぶすように飲まれて痛くて悲鳴!乳首に傷ができた…

授乳に時間がかかりすぎ、やっと寝てくれたと思ったら数分でまた泣き始める赤ちゃん。

などなど…




母乳は赤ちゃんが飲む刺激で徐々に分泌量が増えていくため、とにかく回数をたくさん飲ませましょうと指導される事が多いです。

そのため、母乳を勧めている産院では母児同室であることがほとんどです。


支援するスタッフ側は、初めてでも授乳がうまくできるように、どんな方法で指導したらいいかよく観察しています。

おっぱいや赤ちゃんの状況は1日、数時間単位でも変わるので、その状態に合わせて指導の仕方も変えていくのです。



ただ、私はその指導で傷ついてしまうママたちもたくさん見てきました。



慣れない授乳や育児に奮闘し、睡眠もほとんど取れていない状態で、

産科スタッフ「赤ちゃんを預けたい?たくさん飲ませないとおっぱい出るようになりませんよ!」

心無い言葉を浴びせられたり、


産後3日目でキンキンに張ったおっぱいをギューギュー絞って、あまりの痛みに泣いているママに

産科スタッフ「痛くても少しくらい我慢しないと!お母さんなんだから!」

こっそり見ていた私「(心の声)・・・・鬼!!」

と言い放たれたり…



母乳育児がしたいママにとって、一番の手助けができるはずのスタッフが、逆に傷つけてしまうことがあることに、私は折々胸を痛めていました。





と、まあここまで助産師っぽいことを書いてみましたが、私個人はというと、はっきり言って

母乳だろうがミルクだろうがどうでもいい派です。


だって、

赤ちゃんがお腹をすかせず、たっぷり飲んでたっぷり寝て健やかに育てば、

それ以上どうでもいいではありませんか?



かねがね、世間で偽物母乳問題だとか、母乳VSミルク論争みたいなのが起こると、「ま~たやってる・・・」と冷ややかな目で見ておりました。



どっちでもいいじゃん。



助産学生の頃、世界中飛び回って保健衛生に携わっている先生の授業で、「アフリカだかブラジルだか(忘れました)では、新生児にアボカドを食べさせる」との説を聞き、

人間って思った以上にフリーダムだなあ!

と感動した記憶があります。



どう考えてもミルクにしたほうがいい家庭事情を持つ人もいます。それでも


「お義母さん(とか実の母親)に母乳にしろと言われるから・・・」

と必死になっているママもいたし、


「私はミルクはあげたくないけど、母(もしくは義母)に足りないんじゃないかと言われるから・・・」

と不安をいっぱい抱えて退院後にも何度も母乳チェックに通うママもいました。




どのお母さんも自分のやりたいように、自信を持って育児を楽しめればいいのにな~

そしてそのお手伝いができればいいのに。と漠然と思いながら働いていました。


母乳でもミルクでも、どっちのほうが「良い」かなんて、一人ひとりの状況で全然変わってくるんだから。



それを踏まえた上で。

やっぱり私は、母乳育児って最高に楽しい!とも言いたいのです。





授乳は人生最高の幸せ



誤解のないように言いますと、私は決して「母乳のほうが良い」と言いたいわけではありません。

でも母乳育児は、私の人生の中で、最高ランクに幸せな出来事でした。



私はめちゃくちゃな難産だったので、出産直後は点滴されたり止血されたり縫われたりで忙しく、娘に最初の授乳ができたのは生まれてから1時間以上経ってからでした。


母乳育児を希望する場合、生まれてから30分以内に最初の授乳をすることが望ましいと言われていますが、娘は最初の一口から、ものすごく上手におっぱいを吸いました。


最初の晩は絶対安静だったので娘とは離れ離れでしたが、翌日母児同室になってからも、娘は本当に上手におっぱいを飲み、私は一度も痛みを感じませんでした。


私は本当なら輸血が必要なほど重症な貧血でしたが、母乳は問題なくシャーシャー出たし娘はゴクゴク飲んでぶくぶく太りました。





長女が生まれたのは5月の下旬。

気候が良くて、新緑が美しく、最高の季節。


私は長女が生まれてから1か月までの間が、人生で一番幸せだったと断言するくらい、幸せでした。


夫と一つ一つ選んで、お気に入りの家具に囲まれたリビング。

窓から見えるお隣さんの庭。

沢山譲ってもらった赤ちゃんグッズ。

小さくて、可愛くて可愛くてたまらない、少し前までお腹にいた我が子。

視界に入るものが好きなものばかり。


授乳がうまく出来ている時は、赤ちゃんの姿勢もお母さんにも無理がないのが理想ですよ、とよく指導していましたが、自分でやってみて初めてその意味がわかりました。


自分の楽なように抱いて、乳首を娘の口に当てると、娘は勝手に口を開けて飲みました。夜は自分が眠いので、添い乳にしましたがどの体勢でも娘は上手に飲みました。


沢山飲み、よく寝る娘。おっぱいをあげることは、思っていたよりもずっと楽しく、私は娘が満足して寝てしまうとがっかりして、早くまた起きておっぱい飲まないかなあと思っていました。


お腹がいっぱいで、私の胸にすべてを預けて眠る娘の寝顔。その頼りなくもあたたかい、愛しい重さ。


家のどこにいても、子猫のように膝に抱いたり、寝転んで胸に乗せたりして常に一緒にいました。


娘から漂う「おっぱいくささ」が大好きで、娘があくびをするとすかさず娘の口をクンクン嗅ぎました。


どの瞬間も幸せでいっぱいで張り裂けそう。こんなに幸せでいいのかな。


時間が本当に止まればいいのに。


眠る娘を抱き6月のよく晴れた空を見ながら、何度もそう思って涙ぐみました。




そして、

母乳育児って頑張ってやらなきゃいけないことじゃなくて、こんなにも楽しくて、幸せで、豊かなものだったんだ。

と、しみじみと思いました。





どうしたら、初めてでも母乳育児がうまくいくのか




私の授乳生活は、長女は9か月(次女を妊娠して出なくなってしまった)、次女は6か月(病気で入院し強制終了)とあまり長い期間ではありませんでしたが、とっても楽しく過ごせました。


娘たちはミルクに切り替えても問題なく飲んでくれたし、健康に大きくなっています。



私は、この自分の幸せだった授乳体験から、「どうしたら初めてでもストレスなく、幸せな母乳育児ができるんだろう」とよく考えていました。


私が最初から全く苦労なく母乳育児ができたのは、助産師で知識があったから?


確かに、人の授乳介助を何百人と見てきて、初めての人よりもコツを知っていたせいもあるのかもしれない。


勉強熱心なお母さんは母乳について、妊娠中から調べていたりするし、Youtubeで痛みのない授乳姿勢についての動画があったりします。


母乳に熱心な病院であれば、よく「おっぱいクラス」みたいなものが開催され、母乳の出る仕組みについてなどを産前に指導していたりしますが、私個人はそのクラスの効果はほとんど感じられないと思っていました。




ということは、必要なのは「知識」ではない・・・


つい最近、ようやくこの答えにたどり着き、そして確信を持っています。




初めてでも母乳育児がうまくいくのに必要なものは、

「赤ちゃんにおっぱいをあげてみたい」という純粋な好奇心。

これだけ。



私は助産師であるということを抜きにして、妊娠中赤ちゃんにおっぱいをあげるのをとてもとても楽しみにしていました。


何人もの妊婦さん、産婦さんを見ながら、ずーっとずーっと自分もしてみたくて、やっと叶った「妊娠」。


そして人の授乳介助をしながらも、「私も自分の赤ちゃんにおっぱいあげてみたいな」「みんな痛がるけど、赤ちゃんにおっぱいあげるのってどんな感じなんだろう」とずっと思っていました。



あまりに楽しみで、「生まれてきたら、ここを上手に吸うんだよ」と念じながら、妊娠中まだ早い週数からせっせとおっぱいマッサージをしました。

あまり早い週数からすることは禁忌だと言われていることもありますが、自分の身体で実験してみたかったのです。


結果、そんなにお腹が張ることもなかったし(張ったらやめればいいのです)、出産前には我ながらほれぼれするほど伸展の良い授乳しやすそうな乳首になりました。

おかげで、娘がわざとふざけて飲むとき以外授乳で痛みを感じたことはありません。





自分の母親が母乳が出なかったから、私も出なかったらどうしよう。

もしくは、母親は母乳で育ててくれたのに、私は出なかったらどうしよう。

母乳で育てないと、母親失格だと思われる。

母乳で育てたほうが、「意識の高い母親」っぽい。

本当はミルクだけで育てたいけど、なんで母乳じゃないのかって周りにうるさく言われるから仕方なく・・・



などなど、母乳育児の裏には本人でさえ気づいていないような色々な不安や思いが隠れているものです。


ごちゃごちゃと頭で考えなくても、赤ちゃんを育てるのにお母さんが選んだ方法なら、それで全く問題ないと思います。


母乳だろうがミルクだろうが赤ちゃんはちゃんと大きくなりますし、外見から母乳かミルクかなんて見分けはつきません。


その上でもし、これから生まれてくる赤ちゃんに母乳をあげたいお母さんがいたなら、どうぞ楽しみにその日を待っていてくださいね。


お母さんのおっぱいは赤ちゃんのためにあるし、赤ちゃんは最初から飲み方を知っています。

おっぱいをあげたいという欲求は、乳房や子宮を持つ女性のとても自然な欲求だし、それにただ従えばいことだと思うのです。


赤ちゃんにおっぱいをあげるのって本当に幸せだし楽しいよ!!




←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page