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15/9/5

No.5-貧困とは-「引きこもり」にすらなれなかった僕。病んで7年治療初めて7年。いじめ、貧困、差別、母子家庭、心の病・・・。それでも僕は諦めない。

Image by Olia Gozha

僕の小学校時代の月の小遣いは300円だった。

一日ではない、一月である。それもしっかり決まって貰っていた感じではなかったと記憶している。月によってあったり無かったり・・・みたいな感じだった。

僕はマンガやゲームが大好きな子だったのだけれども定価のマンガを一冊買おうにもあの当時でコミック一冊390円ぐらいだったのでとても手は出せない。でもマンガは読みたい。

そこで僕は古本屋に行けば安くマンガが手に入ると考えたのでいつも行くのは古本を置いているお店だった。新品しか置いていない本屋さんには全く行かない。いっても無駄足である。

しかし、古本屋に行っても皆が読んでいるような「ドラゴンボール」や「地獄先生ぬ~べ~」は一冊250円やそこらする、一冊で小遣いが吹っ飛んでしまう。

となるともう105円のマンガを買うことになる、そうするとリアルタイムで連載しているマンガではなく一昔前のマンガを読むことになる。具体的には「魁!!男塾」を13巻読んだ後に10巻、みたいなあり得ない読み方をしていた。古本だから順当に巻が揃ってなくてもうとにかくそういう風に読んでいたのだ。しかもなかなか古本が追加されないから一度買ったのを何度も繰り返し読んでいた。


でも、あの頃「男塾」みたいな熱い、ど根性マンガを読めたのはよかったと思う。妙に感化されて僕も妙に熱い子供になってたと思うから。その後いろんな困難にあっても生きてこれたのはこの熱さがどっかで残ってたからじゃないか・・・と感じるのだ。


「男塾」に関してはもう一つ思い出があってある日100円玉を持って「男塾」を買いにGEOまで5キロぐらい歩いて行ってマンガを手にとりレジに向かったのだけれども「男塾」は1冊105円だったから5円足りなかった。

そしたら定員の人、親切に5円出してくれて無事マンガを買うことができたんだ。

おそらく小学校3年生ぐらいの頃のことだったハズだけど、とっても嬉しかったんだろうね。

今でも覚えてる。

GEOの店員さんありがとう。


この頃はそういう人の親切を素直に受け取って心から感謝できたのだけれども。

10代半ば自分の家庭環境が世の中でどういう位置にあるかを理解してからは、お金を渡されるという行為が嫌だった。

確かにお金は必要だし欲しい。


僕は中1から新聞配達をして、自分の欲しいものを買ってきた。しかし隣を見れば親のお金で僕がどう頑張っても追いつかない服だ、ゲームだと自慢している子がいる。

そういう格差を何年にもわたって見せつけられる。年を経るごとにその格差が将来に与える影響に足がすくむ。


僕はプライドを持っていた。

「自分の欲しいものは自分の力で手に入れる」、そうしてきたことにプライドを持っていた。


だから親戚からお金を貰う、たとえそれがお年玉とかでも貧乏人に施しをしてるとか同情しているんじゃないかと思って「舐めるんじゃねぇ!」と心では叫んでいた。


貧困は相対的なものだ。たとえばその当時の暮らしはおそらく50年前の人たちのメインストリームより豊かなものであったかもしれない。もし周りを見渡して自分の似たような境遇の子が50%いたとすれば自分ばかりキビしいわけではないか・・・と感じたのかも知れない。


しかし教室の多くの子は僕より豊かそうだ。この前あれを買っただの、旅行に行っただの自慢しあっている。

僕はずっと見上げるしかなかった。「どうして僕の家は・・・。」と感じざるを得なかった。

これが「貧困」の一つの形なのだ。


なんか話が急に飛びすぎてしまった。

とりあえず次はまた。小学校に話をもどそう。




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