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そんな。。。
研修で仲良くなった女の子Kの家に一泊した、翌日会社に行くとKとの噂はすでに広まっていた。
Kと仲のいいヤンキー女の二人組みもKのこと好きなの?と笑顔で聞いてきて俺はデレデレしながら、「うん!好きー!」と言った。
しかし、その数日後ヤンキー女のY子が俺に「KはH(研修で知り合った男友達)とお互いの部屋に泊まりっこしてるんだよ」という。
俺はその言葉が信じられずにいた。Kもおれのことを好意があったから家に泊めたりデートしてくれたんだ。何かの間違いだ。Hなんかに負けるはずない。と心の中で言い聞かせた。
そしてモヤモヤをはっきりさせるためにKに直接会いに行き付き合ってくれと言いに行くことに決めた。
仕事が休みの朝、Kの住んでる会社の寮に向かった。とにかくハッキリさせたかった。
会社の寮は二階建てでKの部屋のインターホンを押した。Kは少しおそるおそるといった感じで玄関口に顔を出した。
俺は「Kのことが好きだ。付き合ってほしい。」と言った。
するとKはポロポロと泣き出した。
「どうして泣くの?」
心の中で「どうして?」が駆けめぐる。じわじわと胸の中が冷たくなっていく感じがする。
「今部屋にHがいるの・・・」
その言葉で俺の中にあった希望は絶望に変わった。Kの部屋をあとにした俺は家に帰るのだが、その夜Kと彼氏のHを含めた研修で仲良しになったメンバーでカラオケに行く約束をしていた。
Hは勝ち誇った顔でウルフルズの「バンザイ」を歌いKはその歌声にうっとりとしていた。
俺はいつもは、荒々しいヤンキー女の二人組みのやさしさに包まれながら、やるせない気持ちでその日を過ごしたのであった。
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