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15/8/6

何度後悔しても懲りないバカの半生の話(2)

Image by Olia Gozha

比例する過去と現在


兄弟の話など、まだ書きたいことはあるが、ここでひとまず僕の幼少時の話に移ろう。


僕が想像している幼少というのは、幼稚園から小学校に上がるぐらいの頃だろうか。

あの頃は、この国そのものがとても元気だった気がする。


娯楽はテレビだけで充分だったし、今みたく、国中を鬱屈とした不安が覆い被さっているような感覚はほとんどなかった。あくまで僕自身の偏見か、あるいは当時の僕が幼かったために、そういった感覚を抱くことがなかったというだけなのかも知れないが。


幼い頃の僕はというと、とにかく無敵だった。

毎日が楽しくて、日が暮れるまで友達と遊んでは、また明日ねと遊ぶ約束を取り付けて、家に帰ってご飯を食べる。もちろん家庭の事情で怖い人がウチに居座っていたから、そうしてばかりも居られなかったが、若干の不自由を差し引いても、とても楽しい幼少時代を過ごさせてもらったと思う。


日々に幸福しか感じなかったあの頃は、母の愛を一身に受けて育ち、怖いものなど何もなかった。


きっと多くの人がそうなのだと思う。

あの頃に戻りたい、あの時は良かったと。


それを思うのは、今の自分の境遇が満足いくものでないからだろう。

今を抜け出したいと思えば思うほど、在りし日の輝きを懐かしみ、憧憬を抱く。

何に染められることもなく、これから何者にでもなっていけるという可能性の塊。

自らのその可能性を拓いていくのが、きっと人それぞれに課せられた務めなのだ。


キャンバスに一つ一つの色を重ねていき、創り上げてきた結果が現在の自分だ。

純白だったキャンバスにも少しずつ余白は無くなり、すると新たな色を重ねるしかない。

だが塗る作業一つにも時間はかかる、塗り重ねるための絵の具だって、いつかは無くなる。


たとえ白い絵の具を上塗りしようとも、再びまっさらな状態に戻すことは出来ない

一年、また一年と時を経るごとに、次第に自分というキャンバスそのものが色褪せてしまう。


時間というものは本当に大切なのだと、今になって痛感させられる。

決して取り返すことが出来ないからこそ、みな、過ぎ去っていった尊い過去に思いを馳せるんだろう。

充実した人生を謳歌している人なら、たとえどんな苦い体験であれ、笑い飛ばせるかも知れない。


けれど今がそうでないという人にとっては、自分にとって口当たりの良い、素敵な過去ばかりが思い浮かんでは、記憶の中で美化され続けているのではないだろうか。

そこに、諦めや後悔に嘆くばかりの自分とを対比させ、また苦しむ。


多分にもれず、僕はそのクチだ。

そんな今の自分を形作ったのは、紛れも無く自分自身。

いかにフクザツな家庭事情があろうとも、生まれた時からどうしようもない人間などいない。

自分でも間違いなくバカだと思える今の人格は、後天的に作り上げられた、僕自身の行いの結果だ。


順を追って話していこう、その後天的バカは、義務教育を終えるあたりから少しずつ身についていく。

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