top of page

15/12/23

オーストラリア留学中にネット中傷被害に合い、裁判を起こした話(11)

Image by Olia Gozha

元の生活に戻る努力

ずいぶん間が空いてしまいましたが、また少しつづ書いていこうと思います。

実はこれまで書いた分のストーリーは私が後に警察に提出した被害届の内容をもとに書いていました。(なので2年以上前の出来事なのに詳細まで書くことができました。)

ただ、今後のストーリーに関しては私の記憶と当時のメールのやり取りをもとに思い出して書いていくことになるので、以前の話に比べるとやや大まかになるかもしれません。

3月6日(水)

この日もまた学校のカウンセラー Reikoさんと面談を受けることになっていた。前日の面談時にReikoさんが調べてくれることになったこと(弁護士に依頼できるのか、学校を辞める場合授業料の全額返金は可能なのかなど)の回答を聞くためだ。水曜日は午前も午後も授業があるのだが、少しでも早く回答が聞きたかった私は午前の授業を途中で抜けて、Reikoさんとの面談に向かった。ちなみに、この日を逃すと次にReikoさんと面談可能なのはその翌週だった。また授業を休んでしまうことが痛手だということは十分理解していたが、他に選択肢など考えられなかった。


Reikoさんからは良い回答は無かった。まず、学校側で紹介している弁護士からは「この件についてできることはほとんど無く、引き受けることはできない」という回答があった。また、仮に学校を辞めることにした場合、基本的にこの時点では学費の全額返還はできないことになっているとのことだった。ただし、やむを得ない事情があり、学校側が認めた場合には例外的に全額返金されるケースもあるらしい。詳細に関しては私のコース、Diploma of Graphic Designのコースコーディネーター(コースを統括するトップの先生)と学校の留学生担当者に確認することになった。


以上の報告を受け、私は非常に落胆していた。心の中で、きっと弁護士が助けてくれると期待していたのかもしれない。こんな理不尽な出来事なのだから、何かできることは沢山あるはずと自分の中で考えていたのかもしれない。Reikoさんは、それでもこの日の私の表情は非常に落ち着いており、顔色も良く、安心したと話していた。

昨日の私はReikoさんが部屋に入ってきてからも全く固い表情を崩さす、固まったままだったこと、顔を見ただけでどんなに壮絶な体験をしたのかが伝わってくる・・・そんな顔をしていたらしい。


今回の面談では残念な結果しか得られなかったが、Reikoさんはカウンセラーとして私の気分が少しでも楽になる方法を提案してくれた。当時の私にはそれを素直に受け入れることはできなかったが、誰が一人でも、たとえそれが仕事だからであってもこの大変な状況から抜け出すためにできることを助言してくれる人に出会えたことは、今思えば大きな救いだった。また、成人してから留学生として渡豪していおり、それにも関わらず永住者や長年留学している人たちにも勝る英語力で、オーストラリア人と同様に仕事をしているReikoさんと出会えたことは、決して若くない年齢でメルボルンに来た自分にとって刺激になった。かっこいい、自分もあんなふうになりたいと素直に思った。もうReikoさんには一生会うこともないと思いますが、今でも本当に感謝しています。

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

忘れられない授業の話(1)

概要小4の時に起こった授業の一場面の話です。自分が正しいと思ったとき、その自信を保つことの難しさと、重要さ、そして「正しい」事以外に人間はど...

~リストラの舞台裏~ 「私はこれで、部下を辞めさせました」 1

2008年秋。当時わたしは、部門のマネージャーという重責を担っていた。部門に在籍しているのは、正社員・契約社員を含めて約200名。全社員で1...

強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話

学校よりもクリエイティブな1日にできるなら無理に行かなくても良い。その後、本当に学校に行かなくなり大検制度を使って京大に放り込まれた3兄弟は...

テック系ギークはデザイン女子と結婚すべき論

「40代の既婚率は20%以下です。これは問題だ。」というのが新卒で就職した大手SI屋さんの人事部長の言葉です。初めての事業報告会で、4000...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

bottom of page