top of page

15/7/17

76歳の父が18歳の娘に語った、生き甲斐、人生。

Image by Olia Gozha

高校3年生になって進路に悩んでいた。どうしても芸術系の大学に行きたかったのだが、母が失業した。それからというもの働かずにずっと家にいる。よって高校の学費、大学の学費全てを自分で賄うこととなった。芸術系の大学は学費がとても高く、年間200万も払って進学しよう。とは到底思えなかった。何も勉強は大学でしなくてもいい。でもそんなことを言えばそもそも大学へ行く必要なんてあるのか?

いろいろな思いが交錯していた。中には気合いで払え!と言う人も、社会へ出ろ!と言う人もいた。どれもしっくりこなかった。

そんな中、家を出た父と話す機会があった。悩み相談なんてしたことがなかった。でも、人生の選択を身内にしてみるのも悪くない。と思い切って相談してみたのだ。返ってきたのは涙が出るほどカッコいい意見だった。


学費なぁ。お金なんてな、後から返せばいいわ。いくらでも借りたらええ。

でもな、これだけは言えるわ。

お父さんが若い頃な、宝石店で働いとってん。そこな、社長が早稲田で社員が慶應の奴ばっかりでな、お父さんみたいな三流私大の奴なんておらんかったわ。景気は良かったわ。でも、お父さんな転職してん。そしたらやで、そこすぐ倒産したんや。あんだけ羽振り良かったあいつらがやで。無職になって金なくなったら早稲田もくそもあらへんわ。どうしてんやろうなぁ。


今、お父さんマンションの管理人なんてやってるけどな、掃除のおじさんな、昔は大企業で年収2000万はあって退職金もたんまり貰いよったわ。そいつは立命館卒や。でもな、掃除のおじさんなんてやっとんねん。なんでやねん?って聞いたらな、家におっても嫁に追い出される、でも何をしていいかわからへん。ってな言うねん。贅沢できるだけの金はあるんやで?


お父さんなぁ、もう76やけど働くの辞めよう。って全く思わへんねん。だって暇で暇でしゃーないもん。働くのが好きなんやわ。

人生のうち、どんなくだらんもんでもな、夢中になれるもの見つけて胸張って働け。人間夢中になれるものなかったら、悲しい。虚しい。でも、そんなんに学歴も金も関係あらへんわ。ここまで来るとな、そんなんホンマにどーでもええわ。だからな、後悔だけはしたらあかんで。お金とか学歴とかそんなもん見とったらあかん。ホンマにこれや!思うこと、見つけ。そしたら自然と答えが出るわ。


私はこの人のことを心底カッコいいと思った。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page