top of page

15/7/17

かすかな希望への祈り

Image by Olia Gozha

頭は混乱したままだった


1人で駅に向かいながら、いろんな思いが頭の中を巡った。


「なんで、こんな事になってしまったんだ」

「数年前、友人が自殺してから、俺は一体何をしてたんだ」

「自殺者をなくしたい、なんて言って俺は一体何のために頑張ってきたんだ」

そのような思いが頭の中でぐちゃぐちゃになり、

友人が自殺してから、自分がこれまで生きてきた数年間の

人生の意味を見いだせなくなってきていた。


電車に乗る。


いつもの駅だ。

皆、普段通りの顔で喋ったり、笑ったりしている。


自分が今どんな状況にあるのかなんて

周りの誰1人知らない。


もちろん、周りの人がどんな状況にあるのかなんて

俺も何1つ知らない。


1人1人が全く別の状況の中で生きている事は

間違いないが、これほど周りとの違いを

感じるのは稀な機会だった。


都内から群馬の実家へ帰るため、

埼玉の大宮駅で乗り換えだ。


親父から電話が来てから、折り返してはいなかったが

事実としてあったのは、この段階では


「弟が首を吊った、病院で蘇生中」


ただ、それだけだった。


電車に乗っている間も、歩いている時も

ずっと心の中で


「まだ生きているはずだ」

「なんとかなるはずだ」


祈るような思い、というより

まさに祈るしかなかった。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page