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15/7/12

「自殺したい」と考えたことのある、すべての人へ。

Image by Olia Gozha

これは、あたくし、『いずくま』の声ではなく、恐らくあなたの知らない、『私』の声です。


あたくし、いずくまは、『私』が、あたくし、いずくまに聞かせてくれたこの声を、あなたにも聞いて頂きたいと思い、ここにシェアさせて頂くことにしました。


これを読み終えた後、あなたの頭の中でも、色んな言葉や思考が飛び交う事になるかと思いますが、ぜひ、この機会に、一緒に考える時間を作って頂ければ、嬉しいです。


あなたのために、世の中のために、そして、『私』のために。


いずくま

ーーーーーーーーーーーーーーー

 ママ、パパ。

 本当にごめんなさい。

 私は、死ぬことにしたの。

 人というものが、本当に恐いの。


 人でいることが、本当に、本当に、恐いの。


 生きることが怖く、辛く、悲しく、もう、耐えられないの。


 私だけが、運悪く、人を恐ろしく思ってしまう生き方を歩む事になってしまったのかな?


 私だけが、運悪く、人の恐ろしさに耐える事ができない弱い人間として生まれ堕ちてしまったのかな?


 分かんないけど、私はもう、耐えられないの。


 だから最後に、ママとパパに聞いて欲しい。


 最後の最後に、好き放題に、嘆かせて下さい。お願いします。


 私のこの手紙をママとパパが読む頃には、私はたぶん、もういないと思う。


 こんな親不孝な私がやっぱり嫌いだったら、読まずに捨ててくれて良いです。


 ごめんね。本当にごめんなさい。 


 実は私、小学校の時からずっと、いじめられてたの。


 パパとママが殺しちゃったら嫌だから、誰かは言わないし、私も今は気にしてないから良いんだけど、ずっとみんなに無視されてたって事は知って欲しかったから、言うね。


 先生もたぶん、知ってたと思うけど、仕方ないよね。


 その時は助けてって思ってたけど、今になったら、先生だって立場があるし、仕事があるし、家族もいたと思うから、私一人のために人生を投げ売る事なんて出来ないって気持ちは分かるよ!

 だから今は恨んでないし、パパもママも、復讐とか考えないでね。お願いだよ?


 パパとママが悪者になるのが、私は一番つらいんだからね。


 でもね、一つだけ誤解を解きたい事があるの。


 私はね、勉強したくないから、サボって、成績が悪かったわけじゃないの!


 教科書とか、宿題とか、私がトイレにいったり、忘れて帰ってしまって戻ったら、ぜんぶなくなっちゃってたの。


 ママも、先生も、宿題しなさいとか、勉強しなさいって怒ってくれたけど、無かったの。


 でも、それを言わなかった私が悪いのはわかってるよ。


 ママとパパを責めたいんじゃなくて、反省してるの。


 ごめんね、なんで、正直に言えなかったんだろうね、怖かったのかな。


 でもね、高校に入ってからは、友達ができたんだよ!


 ミホの話はいっぱい話したから、ママも覚えてるよね?


 それでね、言ってなかったけど、始めての彼氏もできたの。


 すごく優しくて、頭もよくて、私にはもったいないぐらいかっこ良くて、サッカーも凄くうまいの!


 それが2年生だったかな?たぶんそうだと思う。


 でもね、実は彼のことをミホも好きだったみたいで、ミホが怒って、私のことを無視したの。

 

 しかも、ミホの友達もみんなでね。


 でも、私は彼の事を本当に好きだったし、彼も味方だって言ってくれたし、なにより、もう無視されるのは慣れてたから、彼と一緒の大学に行こうと思って、勉強もがんばり始めたんだよ。


 けど、やっぱり彼は頭がよかったから、大学は別々になっちゃったけど、電車で30分ぐらいの距離だったから、ぜんぜん会えるし、幸せだったけどね。


 パパとママも、こんな感じでラブラブだったんだろうな〜とか、私もパパとママみたいに結婚して家族をつくるのかな〜とか、子供がいじめられない様に頑張るぞ!とか考えてたよ笑


 笑えないよね、ごめんなさい。


 でも実はね、彼とミホが一緒に浮気をしてたの。


 彼もミホの方が好きだって言ってたみたいで、頭が真っ白になっちゃったけど、仕方ないよね、ミホの方が可愛いし、頭もいいし、人気者だもんね。


 そう言って自分を励ましたんだけどね、やっぱり悔しくて、誰も信じられなくなっちゃって、結局大学もずっと一人でいる事にしちゃったんだ。バカだよね。


 大学でも一応友達はできたよ!でもやっぱり、なじめなくて、友達の彼の話とかを聞いたら私も思い出しちゃって悲しくなるし、でも私の話をしたらテンション下がっちゃうだろうし、あまり仲良くなれなくて、2年生の時にはもう単位のためだけに大学に行ってたよ。


 それでね、その時に、自分の人生について考えてみたんだ。


 もし私が、いじめられてなかったら、どんな人生だったんだろう?って。


 もし私が、いじめられてる事を、ママに言えてたら、どうなってたんだろう?って。


 もし私が、彼を振って、ミホと仲良くしてたら、私は傷つかなかったのかな?って。


 全部過去のことだし、こんな事を考えても私は変われないって思ったんだけど、ひょっとしたら、私みたいな人が他にもいて、その人達を変える事は出来るんじゃないか!?って思ったの。


 だから、学校の先生になったんだよ。実はね笑


 でもね、やっぱり、私なんかが変えられる世界じゃなかったよ。


 今だから言っちゃうけど、先生もみんな、やっぱり自分のことや、自分の家族のことばっか考えてて、生徒のことなんて二の次だったの。


 それでやっぱり、いじめは毎年絶対に起きてたよ。


 私がいじめられてる時は、ママやパパにも先生にも相談しなかったから分からなかったけど、私が先生になって、いじめっ子を怒った事があったんだけどね、いじめっ子の親が私に猛抗議してきたの。


 私はいじめられてる姿を実際に見たから、色々反論したんだけど、いじめっ子の親は、「証拠は!?証拠は!?」って言って聞く耳もたなくて、でもいじめられてる姿をムービーなんて撮ったらプライバシーだとか、ムービー撮る時間があるなら早く止めろ!とか言われるし、もうどうしたら良いのか分からなくなっちゃった。


 それでも、私は自分の過去の話まで持ちだして親に訴えたんだけど、私と一緒に話を聞いてた教頭先生までいじめっ子の親の肩を持ちだして、私の方を見て、「しっかり教育しておきますので、今回は・・・」なんて言っちゃうんだよ。


 一人の小さな男の子の大きな人生が掛かっているのに、大人の立場の問題一つで、いじめを無視しても良いってわけ?


 そんなはずがない!と思って、私も食い下がらずにずっと戦ってたんだけど、やっぱりダメだったの。


 結局、いじめられてた男の子は親に相談して、私はその子の親と、いじめっ子の親の両方から責め立てられて、教頭率いる学校の先生たちからも責め立てられて、また、居場所をなくしてしまったの。


 私は黙っているのが正解だったの?


 世渡りの為にはそれが正解だったのかもしれないけど、私にとっては絶対にそれは不正解だったと思うから、間違ってない!って思うんだけど、でもそれじゃ、この世の中は生きていけないんだね。


 悲しいよ、みんなそうやって生きてるんだよね。


 どうして、我慢できるのかな。


 我慢して、我慢して、世渡りの為に人生を捧げれば、慣れちゃうのかな。


 でも、私は、それに慣れちゃって、自分のために、いじめっ子や、悪い人の肩を持てる様になってしまうぐらいなら、もうこんな世界、歩いて行きたくないよ。


 少し愚痴っちゃったけど、その時はまだ諦めてなかったんだよ!


 学校の先生が悪者の肩を持つなら、私が一人でやってやる!って意気込んで、いじめられっ子を救うための会を立ち上げる事にしたんだよ。


 それでね、実は密かに愚痴を書いてた私のブログで、協力してくれる人を探してみたんだ。


 一人で何かするのは始めてだったから、同じような境遇の人とか、人を集めるのに詳しい人とかに、色々教えてもらおうと思ってね。


 そしたら、色んな人達が集まってくれて、みんなで相談して、会を立ち上げましょう!って話になったんだよ。


 でもね、お金の話になって、みんな離れていっちゃったの。


 会の運営にはお金が必要だ!ってなってね。


 だけど私は、いじめられっ子を救いたいのに、その人達からお金を貰うなんて事は出来ないし、会が大きくなったら寄付とかスポンサーとか付けてお金を貰おう!って話も出たんだけど、じゃあ、それまでのお金はどうするの?とか色々討論が起きてね。


 そこから、どんどんディープなお金の話になっていってね。


 集まってくれた皆は、最初は、「いじめられっ子を救おう!」という事で盛り上がっていたのに、いつしか「お金を稼ごう!」という事で盛り上がり始めて、止まらなくなってしまったよ。


 酷い時には、具体的には忘れちゃったけど、まずは悪い事をしてでもお金を作って、そのお金を使って運営して、やっていこう!とか言い出す人がいて、しかもみんな、ノリノリで、怖くなっちゃったの。


 そして、気づいた頃には、「私にも家族がいるので」とか、「お金は必要なので」という感じで個人が主張をぶつけあう事になってしまって、終わっちゃった。


 だけど、たぶん、これは皆が悪いとか、世の中が悪いとか、そういうことじゃなくて、その場を上手くまとめる事ができなかった私が悪かったのだと思う。


 みんなを指揮する力が無かった私が悪かったのだと思うの。


 だからね、次は私は、いじめられっ子を救う会じゃないけど、自分のやりたい事をやりながら世界を救ってる人たちのお話を聞こうと思ったの!


 それでFacebookを見ていたら、そういう人たちが思ってた以上にいて、私の自己紹介と目的を添えてメールをしてみたら、意外とみんな会ってくれるって言ってくれて、お話を聞かせて貰えることになったの。


 だけどね、ダメだった。


 やっぱりみんな最初は、人を騙してお金を稼いだり、悪いことをしてお金を稼いだり、サラリーマンの時に教頭みたいに自分の事だけを考えてお金を稼いだりしながら、お金を作っていたみたい。


 なによりもガッカリだったのは、その人達が立ち上げた会そのものがお金稼ぎの場になっていて、みんな、どうやってその会でお金を稼ぐかって事だけを考えてるみたいだった。


 私も全員と話したわけじゃないから、そうじゃない人もいるのかもしれないけど、私はもう疲れちゃって、辛くなって、諦めちゃった。


 私みたいな、なんの才能もないちっぽけな人間は、人の為なんて事を考えちゃダメなんだなって思ったよ。


 よく歌に出てくる、世の中の歯車の一員として、ただ世の中を回している一部分としてしか、生きる道は残されていないんだなって、思ったよ。


 歌が歌えたり、絵が掛けたり、そういう才能のある人は、好きな事をやって好き放題に生きられるのかもしれないけれど、私みたいに何もない人は無理なんだなって思ったよ。


 人生の途中で、何か得意なモノをみつけて、それを磨けばよかったのかって思ったけど、今となっては、もう手遅れだしね。


 自分が思う正解を守り続けたまま生きていける人なんて、ほんとうに恵まれた一部の人だけなんだなって、思ったよ。


 それで、多分私みたいな普通の人は、不正解だって思った事も、やり続けていれば、その不正解にも慣れて、諦めながら生きていけるんだろうけど、私には、その器用さすら無かったの。


 私にしか出来ない事もないくせに、みんなが出来る事すら出来ない欠陥品なの、私は。


 私はもう、生きてけないよ。


 それでも私は、その時は、まだ死のうとは思ってなかったよ。


 生きていけないな、生きる理由が見つからないな、とは思ってたけど、死のうとはまだ考えてなかった。


 それでね、先週分かったことなんだけどね、実は私、ガンだったの。


 ついてないよね笑


 どうせ私は、近々ガンで死ぬんだって。


 神様は信じていないけど、神様はいじわるなんだなーって思ったよ笑


 それでね、どうせ病気で死んじゃうなら、最後ぐらいは、自分の力で、死ぬことぐらいは、自分の力でやってやろう!と思ったの。


 パパもママも、私がこの話を目の前でしちゃうと、私を止めちゃうでしょ?


 そしたら私は悲しくなって、辛くなって、泣いちゃうと思うの。


 でもね、それでも、きっと生きる理由は見つからないと思うし、病気になっちゃったから、どうせ近いうちに死んじゃうの。


 それなら、私が笑ってる顔を最後に見てほしくって、一昨日は会いに行ったんだよー!


 私は本当に、パパとママが好きだし、私にはパパとママしか、いません。


 なんでかな、死ぬって言ってるのに、やっぱり涙が止まらないよ。


 でもね、もう決めたことだから、やり遂げるね。


 今まで色んな事に頑張って耐えてきたのに、病気に殺されちゃうぐらいなら、終わりぐらいは自分で決めてやるんだ!


 もう、伝えたいことを考えると止まらなくなっちゃうから、最後にするね!


 手紙も書き慣れてなくて読みづらいだろうしね。


 パパ、ママ、大好きだよ。


 私はパパの事もママの事も本当に愛しているし、パパとママに愛してもらった愛は本物だって疑わずにずっと信じ続けていたよ。


 パパとママは絶対に悪い人にならないでね。


 私はずっと、見てるからね!


 じゃあね。ごめんね。


 天国に行けた、私より。

ーーーーーーーーーーーーーーー


いずくまです。


いかがでしたでしょうか。


色々思う事があったのではないかと思います。


同情した人、励ましたい人、バカだと伝えたい人、悲しくなった人、人間について考えてみたくなった人・・・


もちろん、あたくし、いずくまもその一人です。


世の中とは不条理で、中々うまくいかないものです。


幸せを感じる事があったと思えば、その幸せが次の苦痛を増幅させるバケモノであったり。


苦痛を感じる事があったと思えば、その苦痛が次の小さな幸せを増幅させる天使の様な存在であったり。


そして、また、あたくしたちは、生と死から、逃れる事はできません。


一時的に考えない様に生きる事はできても、その一時的な瞬間すらも、寿命の一部分なのです。


では、あたくしたちは、どの様に生きるべきなのでしょうか。


あたくしたちは、死んではならないのでしょうか。


あたくしたちは、なぜ、生きる必要があるのでしょうか。


あたくしたちは、自分の事だけを考え続けていれば、それで良いのでしょうか。


あたくしたちは、不正解を受け入れ世界を循環させる為だけに、存在しているのでしょうか。


あたくし、いずくまには、思考力の乏しさゆえ、その答えを出すことはできません。


ぜひ、あなたの声を、お聞かせ下さい。


そして、あなたの声を、あなたの身の回りにいる人たちに、聞かせてあげて下さい。


あたくし、いずくまは、誰一人として逃すことなく、その声を、心に焼き付けようと考えております。


みなさま、どうか、あたくしの為、あなたの為、世の中の為、そして、『私』のために、手を貸して下さい。


 『私』の声が、どうか、世界の為の何かになる事を願って。


いずくま


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 人前でコメントするのが苦手でしたら、友だち申請後、私に直接メールを下さい。


 あなたの声を、聞かせて下さい。


 よろしくお願いします。




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