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13/3/26

緊急配備

Image by Olia Gozha

私が18歳で外車屋に務めた頃、午前中に千葉の市川から世田谷区等々力まで車を運んでくる仕事を頼まれた。

車は1989年式コルベット。

色は黒で窓も濃い目のフルスモーク。

あの頃はまだギリギリ、スモークは車検OKだったような気がする。

問題は私が田舎者だということだ。

首都圏の道路がちんぷんかんぷん。

首都高ぐらいは案内標識でなんとかなるが、地図が頭に入っていないので、渋谷方面とか新宿方面とか池袋方面とか書かれても、それがどこだかわからない。

困ったもんだ。

でも、仕事をしないわけにはいかないので、違法仮ナンバーをガムテープでリヤウインドウに貼り付け、出発。

案の定迷った。

銀座あたりでわからなくなり、首都高を降りた。

フラフラしているうちに、霞ヶ関。

国会議事堂が目の前に見える。

と、思った瞬間、

5~6人のやたら重装備な警察官が出てきて、緊急停止。

目の前は警視庁のバスで塞がれた。

警察官が窓を叩いて、ドアを開けろという。

開けたら、今度は降りろ。

車の中の捜査と、私のポケットの中の捜査。

でも、18歳の私の顔を見て、警察官も緊張がほぐれたようだった。

で、

一番注意されたのが、ナンバーを取り付ける位置。

コルベットのような角度の低いリアウインドウにつけても、視認できないとのこと。

ま、サイズが多少合わないが、ごまかしてガムテープで所定の位置に取り付け直し。

警察官は「びっくりさせるなよ」、みたいな顔をしていた。

あとになって、振り返ってみた。

ただでさえ国の行政の中心部であり、国会議事堂のような警備が厳しく神経質な場所に、色も黒、窓も黒、ナンバーがついていない車が国会議事堂に向かって走り出したら、そりゃ警察官もあせるだろう。

過激な極右がダイナマイト持って突っ込んでもおかしくない。

それを考えたらおかしくてしょうがなくなったが、悪いことをしたと思っている。

ごめんなさい。

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