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15/6/26

学歴コンプレックスの男が大手企業で新人賞を受賞した話

Image by Olia Gozha



幼い頃からサッカーが好き。高校も部活一筋。いつの間にか引退しており、慌てて勉強を始めたが時すでに遅し。中堅の私大へぎりぎり進学。そこでも4年間サッカー漬けの毎日。大学3年になると周囲が就活を始め、周囲から大幅に遅れながら追い立てられるように就活を開始した。

どんな仕事に就きたいかなどもなく、漠然と「人が好き」という事から営業職を志すように。企業説明会では周囲が熱心にメモを取る中一人浮いていた。元々が前にガツガツ出る性格でない私は、いつも人だかりの一番後ろで社員の説明に耳を傾け、適当に話を聞いて慣れない熱気にやられ帰り支度をする、という繰り返しであった。

そんな中、ある合同説明会で住宅メーカーのブースに立ち寄る。いつものように一番後ろで何の気なしに耳を傾けていると、


社員「住宅営業は一生に一度の買い物のサポートする仕事。もちろん大変だが、その分喜びも大きい。住宅の営業が出来れば、その他どんな営業でも出来る!」

この壮大な話に感化されすっかりその気になり、あっさり住宅メーカーを第一希望としたのであった。

当時就職状況は一時的な売り手市場。こんな考えの浅い私でも運よく希望の住宅メーカー2社から最終の意思確認面談への来社を求められた。

決めきれない優柔不断な私は、大学のキャリアセンターのアドバイスに従い、双方の企業に社員の方を紹介して頂き話しを聞くことに。

A社は「あの名言」の住宅メーカー。紹介された社員の方も非常に好成績の営業マン。非常に穏やかで私の拙い質問にも丁寧に答えてくれる。ゆっくりとしたしゃべり方で聞いているこちらまで心地よくなるよう。とても好感の持てる人物であった。

B社の社員は全国でもトップの成績の営業マン。(後で知ることになるのだが)           典型的な押しの強いTHE営業マンというイメージ。家では本を読むのが趣味という根暗な性格の私には強烈だった。顔はニコニコしているのだが、腹の中のギラギラが透けて見えいるのだ。A社とは対照的で終始押され続け、半ば意気消沈して面談を終えた。

面談後、

自分「完全に適わない。。怖い。。         人種が違いすぎる。営業マンなんて無理だ。  こんな人がいる会社で自分がB社の営業マンの様になるのは無理だ。。」

ただ、打ちひしがれた私に決断させたのはそんなB社の営業マンが面談中に言った一言であった。

B社営業マン「君は何になりたいの?他にやりたいことがあるならそっちをやった方がいいんじゃないかな?やりがいは大きいけどもちろんきついよ。」

一人で考えれば考えるほど頭にきた。今思えばだが、奮起を促す言葉だったのかもしれないが、その時の私は「向いてないよ」と言われたような気がしてならなかった。

そして私は決断した。

自分「B社へ行こう。あんな人がいる会社で果たして自分がどこまでやれるのか試してみよう。このまま行かないのは悔しすぎる。。」

私に決断させたB社の営業マンはやはり優秀であった。                       私はA社にお断りの連絡を入れ、B社の最終面談に進んだ。

最終面談は終始なごやかに進んだ。

役員「君はうちが第一志望でいいんですね。今までの選考はいかがでしたか?筆記試験からの一連の選考ですが自信はありましたか?」

自分「はい。御社が第一志望です。先日内定を頂いた1社には断りの連絡を入れさせて頂きました。選考は非常に楽しく、また自信もありました!」

無根拠ながらはっきりと断言した私。

役員「そうですか。それはよかったです。弊社もあなたにはぜひ入社してほしいと思います。ただ、、」



自分「ただ?」


役員「あなたの筆記試験の結果が抜群に悪いのです。ギリギリ下回る程でした。ただ、あなたの話を聞いてぜひうちで働いてほしいと私も思いました。一緒に頑張りましょう。」

そんなこんなで入社が決まり怒涛の生活のスタートを迎えるのであった。




つづく

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