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15/6/17

何度も打ち合わせをして契約してもらえて、大喜びした。そして、「大手じゃないから・・・」って理由でキャンセルされた日から「働き方」が変わった話。

Image by Olia Gozha



「ホームページつくりたい学校があるんで、ご紹介します。」

そう言われたのは、まだ起業してまもない頃。



当時は、まだ自宅のキッチンで仕事してた頃。


その半年ほど前に

社会人経験1年もない僕と

大学の同級生2人と自信満々で起業した。


事業は、ホームページ制作事業。


だけど、結果は散々だった。

最初に設定していた価格では一切売れない。


営業の為、交流会にも何度も参加した。

名刺の数が300を超えても、仕事は一件も入らなかった。


営業会社にお願いして、一緒に営業に回ってもらった。


それでも、売れなくて・・・

売れたとしても向こうの言い値で半額以下が当たり前。




一人5万円の給料があれば良い方で、

食費も削って生きてた頃。


「ホームページつくりたい学校があるんで、ご紹介します。」

そんなときにかけてもらった声。


その学校は、私立で

幼稚園。小学校。中学校。高校がありました。

「4つ。それぞれにホームページを持ちたい。」という要望。


「もし、受注で来たら・・・」と胸が高ぶったことを覚えています。

「とれなかったら・・・」って不安と

「とれたら・・・」って期待と

両方持ちながら打ち合わせに向かいました。





学校に着くと3人の先生が迎えてくれました。


すごく感じが良くて、

沢山話をさせてもらいました。


結果、気に入ってもらえました。


「お願いしたいんで、検討しますね。」と言われました。




すごく良い感触を感じながら帰宅したら、

スタッフから・・・

「どうだった??」と聞かれました。


本当は「とれそう!」って言いたかった。

だけど、これまで散々打ち合わせに行っては仕事にならないことがありました。


だから、あまり期待させてはいけないと思いながらも、

「まだわからないけど、とれたかもしれない。」と答えました。


それから数日後・・・

先生たちから連絡がありました。


「もう一回来てほしい。」

もう一度、電車に乗って学校に向かいました。




そして、また色んな話をしました。




打ち合わせの最後・・・

「ますます安心しました。御社にお願いしますね。」

という声をいただいた時は、

その場で飛び上がってしまいそうなほど嬉しかったです。


帰り道、本当はすぐにスタッフに電話したかった。

喜ぶ声を早く聞きたかった。


だけど、喜ぶ顔を見たくて電話はしませんでした(笑)

で、帰って「とれたよ!!」って伝えて3人で大喜びしました。



その後、またすぐに電話がかかってきました。

「もう一度だけ来てもらえますか??」





次に学校に行った時に通された部屋には

10人の先生が座られてました。


まるで面接のようでした。


幼稚園の園長先生。

小学校、中学校、高校の校長先生。

そして、理事長までいました。


また、そこで色んな話をして

「じゃあ、契約しますね。」と言っていただきました。

ほっと安心して、帰宅しました。


それから、数日後

「もう一回だけ来てもらえませんか??」

という電話がありました。





通された部屋には、こんどは15人の人が座ってました。

明らかに今までとは雰囲気が違いました。


また、いろんな質問をされました。


答えている最中に、初対面の事務長さんから・・・

「うちはNTTのサーバーしか使わないからさ。」と告げられました。


ちょっと技術的な話になりますが、

うちが使ってる仕組みはウィンドウズ系。


NTTは、ウィンドウズ系の

サーバーを提供してませんでした。


要するに、うちへの依頼をキャンセルするってことでした。


「うちが使ってるサーバーで不安な点があれば

全部解消するから、何でも質問してください。」

そう言っても、黙ってしまう。


結局、「うちは大手じゃないと・・・」の一点張り。

最終的に、契約は結んでもらえませんでした。


良い経験になったと思います。

その経験から学んだことも沢山あります。


だけど・・・




売り上げはゼロ。



それどころか、時間も使って交通費も使ってマイナス。

帰り道、スタッフに何て伝えれば良いか悩みながら帰りました。


あの喜んだ顔が

今度は悲しい顔になるのを想像しただけで怖くなりました。


結局、全員で喜んだ分だけ落ち込みました。





それから、6年以上が経った今。

僕らは「検討の打ち合わせ」すらしていません。


お客さんとだけ打ち合わせをしています。


「まずは、話だけ聞かせてください。」

そういう打ち合わせを5年以上していません。


それは、やり方を変えたから。

それは、伝え方を変えたから。


単純に言うと・・・

「大手に頼みたい」人に伝えるのをやめて・・・

「集客したい」人に伝えるようにしました。


要するに・・・

「僕らにないもの」を重要視する人じゃなくて・・・

「僕らが貢献したいこと」を

重要視する人達へ伝えるようになりました。


その結果が、「無駄な打ち合わせ」を

つくらないことに繋がりました。


「価値ある時間」だけをつくることに繋がりました。




以前、僕の講座に

参加してくれた方がこんなことを言ってました。


「一日10件以上打ち合わせしてますが、

仕事に結びつくことは稀なんです。」


その方の表情は疲れてて・・・

その方は自分をダメな人間だと感じてました。


痛いほど気持ちがわかります。





あの日の帰り道、

僕はクタクタだったから・・・。


あの日の帰り道、

「おれってダメだなー」って

自分に言い続けた僕だから。



その人はダメなんかじゃない。

やり方を間違ってるだけ。

伝え方を間違ってるだけ。


必死で伝えたり、行動したりする先に

ちゃんと「望む結果」がある。


努力すれば報われる。

それが「当たり前」になる人を増やしたい。


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