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15/6/17

国立大学、文系学部の定員削減についての話

Image by Olia Gozha

「余分なこと考えてばかりで、手を動かさんやつはいらん」ということかな。これが愚民化政策であると言えばそうかもしれない。

富裕層は国内での教育はあきらめて、海外留学へ。一般層は良質の教育を受ける機会がないまま単純労働者化して、安価な労働力の供給源になる。私たちの社会はますます流動性を失い、階層は固定化される。

その先に見えるのは、海外留学で「グローバル」な能力を身につけた人材の海外移住。もう、国内に魅力はないし、明るい見通しもない。そして、国内はどんどんやせ細っていく(もうこういう現象は始まってます)。

優秀な人材は海外で養成されれば、基本的には戻ってこないし、その人材が生み出す余剰価値は、国内で蓄積されない。東京の大学に就職した学生が、地元就職する割合が全体としては少ないように。

あれ?これってフィリピンのことじゃなくて、日本のことだよね。日本もだんだん暑くなっているし、いろんなことが熱帯化してるかも。日本国も海外出稼ぎで養われる時代がやってくるか?でも、フィリピン人ほど英語できないし、昔のように海外の農場か工場で血の汗たらして無言で働くしかないかな。

日本もあと数十年もすれば、意味もなく路上にタンバイ(Stand byの意、つまり失業者)野郎がたむろし、オッサンがTシャツめくり上げて腹出している町が出現するか?まあ、良し悪しは別として、それはそれでおもしろいけど。

ところで、ローマ帝国や漢王朝も良質な自作農(今で言うとことの「中間層」かな?)の消滅が国家の消滅につながった。このことは、また別に書きたいけど、結論だけ言えば、ある程度の守るべき財産があって、国家の安定と地域村落の安定が直接結びついている状態が一国の強さであった時代があった。

中間層が消滅し、国民の過半数が農奴化し、加えて国家の防衛が市民軍ではなく、職業化した傭兵軍によって担われる。農奴化した国民は浮浪し、あるいは、国家の転覆をもくろむ。職業化した傭兵軍は国内においては暴走し、対外的には損得でしか動かない「弱兵」になる。

それで、国内が疲弊した状態で、ゲルマン民族、あるいは北方騎馬民族がこの腐った家のドアを叩き壊して侵入し、国家消滅。防衛問題はちょっと同列には語れないと思うけど、自作農が農奴化し、国家が弱体化していった過程は、現代の日本の状況とものすごく似ていると思う。

国民が一度農奴化してしまえば、歴史的にはこの状態を人間の知力と努力で是正した例はなく、100年単位の混乱のプロセスを経て例外なく消滅する。日本もこの入り口の100年に差し掛かりつつあるか?

それでも、個人レベルでは楽しく「タンバイ」できる日本であればそれでよいか?

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