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15/6/16

※二回目※ 学年最下位だった僕が渡米してMBAを取得、外資系企業に入社したという経緯

Image by Olia Gozha



寒空の下、転がるように坂道を自転車で駆けた。

必死だったと思う。

思考は安定せず、ぐるぐるとあらゆることが脳内を駆け巡った。


「どういうことなんだ。親父は大丈夫なのかな…。」

「今朝は元気そうだったのに、一体何があったんだ…。」

「いや・・・意外とそんなに重症じゃないんじゃないか・・・?」

「脳卒中とかいって、実はただ倒れただけなんじゃ…。」

「そう考えると楽になってきたぞ…人騒がせな親父だな!はっはっは!!」

「そうだよ!意外とすぐ退院するさ!そういう感じに違いない!人生はきっと上手くいく!!」

ありえないポジティブシンキングであった。


そして病院に着いた。


左半身不随、まともに動くことも出来ず、呼吸器を付けられ、父はベッドに横たわっていた。


僕はひどく泣いた。


止めようと思っても壊れた蛇口のように涙はボロボロと瞳から溢れ出してきた。

自分の浅はかさと弱さを呪いながら、苦しむ父を見る事しか僕には出来なかった。


僕は愕然とし、父に声をかけることも出来なかったが、


父は僕に気づき、かすれる声で、


「………太陽。」

「…俺は…大丈夫だから。心配するな。」


ますます泣いた。


誰がどう見ても全然大丈夫そうではない。





医者の話によると、薬の効果で今は安定しているが、早く頭を開いて手術してみないと危険な状態にあるとの事で、二週間先に早急に手術は行われることとなった。


また、最悪覚悟を決めなくてはいけない事も母、妹を含め、その場で親戚一同に伝えられたのであった。




後に判明したが、その日の朝、父は小さな病院にひどい頭痛を訴えたところ、風邪と診断され薬を渡され、家に帰ってきた時に倒れてしまったとの話であった。


母は外出中で、夕方頃まで妹が帰宅するまで誰にも発見されず、妹は泣きながら救急車を呼んだとの事。


後少しでも発見が遅ければ、その時に父は命を失っていた可能性があるという話だった。

ちなみに、カラオケに夢中になって、帰宅していなかった事を話したら、妹にひどく軽蔑された。




そして・・・・・・

祖母の家に泊まりながら、病院に通う生活が始まったのであった。


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Image by Jukka Aalho

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