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15/6/11

オーストラリア留学中にネット中傷被害に合い、裁判を起こした話(3)

Image by Olia Gozha

我慢の限界を超えた日

私がメルボルンに着いたのは2011年の終わりで、2012年の間はメルボルンの郊外にある専門学校に通っていた。当時はデザインや美術全般の基礎を浅く広く学ぶ1年間のコースに在籍しており、翌年からはグラフィックデザインに特化したコースに進む予定だった。

本当に基礎的なコースだったからなのか、やる気の無い学生も多く、気合いを入れて日本からやって来た自分にとっては物足りない環境だった。そんなこともあり、翌年からはメルボルンでグラフィックデザインを学ぶなら一番と言われている別の専門学校に進学することにした。大学併設の専門学校だったので、図書館など大学の設備を利用できることも魅力だった。

2012年の11月に最初に通った専門学校が終了。2013年の2月半ばから新しい学校で、グラフィックデザインを学ぶことになっていた。12月、1月はオーストラリアは真夏、つまりDeanaとは夏休み中に出会った。

12月、1月はアルバイトをしながらのんびりと過ごしていたが、2月に入ると新しい学校で頑張らなければいけないという気持ちが強くなっていった。2013年は私にとって、オーストラリア生活最後の年になる予定だったからだ。

卒業後もオーストラリアに残り就職したい気持ちは強かったが、ビザの関係上ほとんど不可能だった。ワーキングホリデービザを取得してあと1年残るのが唯一の方法で、その為にはアルバイトをしながら勉強して資金を貯める必要があった。日本に戻るとしても、デザイナーの職務経験が無いと就職が厳しいと思われたので、できれば何かデザインに関係したアルバイトがしたいと思った。新しい学校で授業についていけるかも不安だった。

そんなことを考えていると自然と気が引き締まり、1月までの夏休みモードからは抜けなければという思いが強くなっていった。冷たいかもしれないが、当時は友達の恋愛事情や噂話になんて構っている暇はないと考えていた。(なのでDeanaとは反対に、アイに彼氏ができたこともどうでも良かった。)

それよりも、どうやって滞在資金を増やそうか、なんとかして卒業後もオーストラリアに残る道は無いのか、日本に戻るのであればどんな職に就けるのかを調べることに時間を費やしたかった。

(写真:最初の学校には毎日この電車で通学していました。懐かしいです。)


その間、相変わらずDeanaからは大量のメールが届いていた。
話題は相変わらず、共通の友人達の恋愛事情やアイに対する罵詈雑言、そしてアジア人を侮辱しているとしか思えない内容の発言だった。

当時、私と一緒にDeanaと知り合った友人の一人は交際相手とトラブルを抱えていた。友人のプライベートな話なのでここでは詳細を割愛するが、Deanaは彼女からトラブルについて相談を受けていたたらしい。

彼女から相談を受け、Deanaは俄然やる気モードになった。
友人を救うため、友人と彼氏が別れるように一緒に何かしようと強引に私を誘ったのだ。この日はLINEでやり取りしていたのだが、次々ともの凄い早さでメッセージが届いた。

友人はただDeanaに話を聞いてもらいたかっただけで、何が何でも別れたかったわけではないのでは?ただ相談していただけなのに、別れさせるように何かするって???それって大きなお世話ってやつでは…第一、別れさせるって私たちに何ができるのか…もうすぐ学校が始まるっていう大事な時期なのに…オーストラリア最後の年、私にはやらなければいけないことがたくさんあるののに…

はじめに、私はやんわりとDeanaに協力することはできないと伝えた。
Deanaは、「友達が困っているなら助けるべきだ、オーストラリアではそれが当然だ」と言った。

私は自分にとって今は大事な時期で、学業に集中しなければいけないこと、人生を変えたくてオーストラリアに来たのだから頑張らなければいけないこと、今年は自分にとってオーストラリア最後の年になること、今後は忙しくなるから悪いけれど協力はできないと伝えた。

Deana「なんて冷たいの!アジア人の考えなんて理解できない!!」

そのメッセージを見た時、私の我慢は限界を超えてしまった。

「わかった、勝手にすれば!!」

そのメッセージを最後に、私はLINEでDeanaをブロックした。
次にFacebookでもDeanaのアカウントをブロックした。

その日の夜、Deanaから携帯にメールが届いた。

Deana「どういうことよMami!!私をFacebookでブロックするなんて!最低!!」

彼女の相手をするのは限界だった。私はもうメールには返信しなかった。

これは2月6日の出来事だった。

まさか20日後に、インターネット上で中傷を受けることになるとは、この時は思いもしなかった。

(写真:実際に私の携帯届いたメール。個人名が入っている部分はモザイクをかけました。)

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