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15/6/8

元洋服屋の店長だった私が思う、今の私が店長だったら新人をこう育てるマニュアル

Image by Olia Gozha

15年以上前に、婦人服の販売をしていて店長もしていた主婦です。

「もし今の私が洋服屋の店長だったら、新人をこう育てたい!」と思うことをマニュアル的にまとめました。


今、販売のお仕事をしている人や、

昔、販売のお仕事をしていた人や、

これから販売のお仕事をしようとしている人には、


もしかしたら 面白いかもしれません。


私のマニュアルに共感しても、くだらないと一蹴しても、何かしら刺激になるかもしれません。

いや、ならないかもしれません(笑)

が、私なりにまとめたかったのでまとめました。どうぞお付き合いくださいませ。



はじめに・・・。

私は、22歳から25歳までの3年間、婦人服の販売員として働いていました。

川崎駅地下街→新宿マ○イ→渋谷パ○コ→国分寺マ○イ→新宿マ○イ

という順番で勤務して、後半の、国分寺と新宿の時は、店長でした。


店長と言っても、自分で家賃を払って出店している店主ではありません。

社員100名ほどの一般的なアパレルメーカーの社員としてお給料を貰っていて、会社から、次はここ、と一方的に配属を言い渡されて、その配属先のお店で、リーダーとして働いている、という店長です。


当時の自分なりに頑張って働いていて、ひょいひょいっと先輩達を追い越して、1年ほどで店長になりました。

洋服屋さんでの接客は、とても楽しかったのです。


が、


ひょいひょいっと店長になれて、その後、売上が良くても悪くても、会社からそこそこのお給料が貰えて、逆に言えば、どんなに頑張ってもお給料の天井は見えていて、

店長の先は、ずっと店長

という仕事に、なんだか遣り甲斐を感じられ無くなり、もっと新しい何かを求めて退職しました。


今思えば、当時の私は生意気で、調子に乗っていました。

「もうここでは学ぶことは無い」くらいに思っていました。

どんな職場でも、学ぶことが無くなるなんて有り得なくて、いくらでも深みがあるものだ。

と、今となっては思いますけれども、


ま、当時はねぇ・・・

いわゆる

若気の至り

ってやつですか?(苦笑)


もちろん、その自分を否定する気はありません。

退職した後、渡米して、また貴重な経験が出来ましたし、それはそれで良かったのです。


あれから15年以上過ぎて(そんなに!?)

もし、今の私が、洋服屋さんでまた店長をやるとしたら、どんな風に新人スタッフを育てたいだろう?

と、ふと思いました。


当時、販売員だった私が学んだこと、

その後の仕事で学んだこと、

仕事に限らず、人生全般において学んできたこと、


を思い出して、総動員して、かなり忘れてしまいましたが、これ以上忘れ去ってしまう前に(笑)

今また販売の仕事をして、新人を育てるとしたら、どんな風に伝えたいだろう?

そう思ってみたのです。




●商品を高い、安い、と決めつけず、

お客様の感覚に寄り添う姿勢であること

まずは精神論から・・・。販売員自身の 「お金にまつわる先入観」 を外します。


今付いている定価は、商品の企画から始まり、全ての工程を経て、これが適当である と最終判断して付けられた金額。そこに、自分自身の価値観を組み込まないこと。

それまで学生だった新人から見ると、商品を 「高い」 と感じることも多いもの。学生で無くても、本人の個人的な価値観で、高い、安い、と、自然に判断する癖が付いている人が多いのです。

ましてや、洋服の販売員になる人は、基本的に 洋服が好き = 買い物も好き

それまでに、既に自分なりのこだわりを持って洋服のお買い物をしている訳です。

洋服に対する金銭感覚が、独自路線でしっかり強かったりします。


お店に入荷した商品を見て、「このジャケットが、この値段って、ありえないでしょー!!」

みたいな感覚を、そのまま接客時に出してしまい兼ねない・・・。


って、ことで、まずは、自分の価値観を捨て、その商品を高いと感じるか?安いと感じるか?は、お客様ひとりひとりの価値観次第。ということを再確認します。


そして、お客様が、高いと感じても、安いと感じても、それがそのお客様にとっての正解。

ということを知る!


販売員は、商品の金額は正当な経緯で付けられた価格である、という前提の元に、

そのお客様の感覚に、寄り添う姿勢 であること。




●お客様の見た目と購入意欲は比例しない

自社製品と比べて、明らかに低価格の商品を身に着けていたり、まったく違うテイストのファッションで現れると、「あ、この人、買わないな。」と、勝手に判断して、手を抜きたくなるもの。


が、お客様の第一印象と購入意欲は全く比例せず、どちらかと言うと、反比例のことも多いのです。


明らかに、うちのお店とは違う!センスがめちゃくちゃ!と驚くファッションでも、

逆に、うちの服着てる!いかにも、うちの店を好きな感じだわ!という人でも、


今日、この瞬間に、

そのお客様がどんなものを求めているのか?

は、未知数であることを知る。


急に収入が増えたり、減ったり、

転職で必要な服が変わったり、

恋人が変わったり、

なりたい自分が変わったり・・・


「今日、洋服が欲しい」という理由は、人それぞれの事情があります。


全然タイプが違う人こそ、心機一転、変わりたい!ってことで、

全身コーディネート、どかんとお買い上げ!!ということもあります。


最初から、「この人はうちでは買わないだろうな。」と判断することは大間違い。

また「買いそうだな。」と期待するのも大間違い。

その


勝手に見限った感じ や、買ってくれそう、という期待感 は、自分では隠しているつもりでも、

確実にお客様に伝わります。


そして、自然と逃げるように去って行きます。

人間の察する能力って凄いな~(笑)


途中から、「あ、この人、意外とたくさん買ってくれそう!」と気付いて、本気で接客を始めても、

最初にこちらが与えた第一印象は、取り返しつきません。

こちらが「この人、買えそうにないな・・・。」と、勝手に判断しているのと 同時 に、

お客様の方でも「この店員からは買いたくないな・・・。」と、判断しているのです。

どんな外見の人も、お金を持っていそうに見えない人も、いつも買ってくださるお得意様でも、

みんな等しく 「心の底から大歓迎!」 の気持ちで!



●歓迎の気持ちを込めて挨拶する

例えば、他のお客様の接客中だったり、新しい商品を並べている途中だったり、ディスプレイを着替えさせていたり、本社の営業と電話中だったり・・・


どんなタイミングだったとしても、お客様が入店されたら、

目を見て、微笑みながら、

「いらっしゃいませ」 と一言、歓迎の気持ちを込めて挨拶しましょう。


間違っても、よそ見しながらの裏声で「ぃっしゃいませぇ~~~。」とは言いません(笑)


目を見て、微笑みながら 「いらっしゃいませ」 の一言に込められているのは、

どうぞお好きなようにご覧ください。

余計な口出しは致しませんが、御用の際には心を込めてご対応させていただきます。

という気持ち。


第一印象が、買いそうな人も、買わなそうな人も、良い人そうでも、怖そうな人でも、入店してくださるお客様は、気に入ったものは何でも買えるリッチで幸せなVIP として対応。


自分が、そういうリッチで幸せなVIPだったら、どんな風に迎え入れて欲しいか?

を想像しながら「いらっしゃいませ」と微笑みかけます。


そして、商品をキレイに並べたり、売れ筋のアイテムをたくさん揃えたり、本社に業務連絡したりするような、どんな仕事よりも、店頭で一番大切なのは、

今、お店に足を運んでくださっているお客様 ということを忘れずに。


本社の人との電話なんか、「お客様なので」と、すぐに切っちゃいます。電話の相手が社長でも、もちろん切っちゃいましょう。

お店は、お客様に実際に商品を見ていただき、

自社製品の魅力を感じていただき、

気に入ったものがあればお買い上げいただく為にあります。


そして販売員は、それらを一番素敵に体験していただくサポートのために、お店に居るのです!


どんな風にそれを体験すると、一番 「素敵」 と感じるかは、お客様それぞれの感性。


最初から最後まで放っておいて欲しい人。

店員と友達のように話したい人。

お店の一押しや売れ筋商品の情報を聞いて選びたい人。

なるべく買い物に時間をかけたくない人。

などなど、本当に人それぞれ。


それを入店時の一瞬で見抜くことはできません。


ですが、

どうぞお好きなようにご覧ください。

余計な口出しは致しませんが、御用の際には心を込めてご対応させていただきます。

という気持ちを込めた 「いらっしゃいませ」 は、

どんなタイプのお客様も大歓迎! 

素敵な買い物の時間になるように、サポートさせていただきます!

という誠意を込めた挨拶。


ほぼ全タイプのお客様にとって心地よく、安心して、商品を見始めることができる第一声です。




●むやみに話しかけない

お客様が入店されて、素敵な「いらっしゃいませ」の挨拶をしたら、しばらくは、死角になるような斜め後ろから、そっと見守り、むやみに話しかけません。


何を手に取っているか?どんな商品を気にかけているか?

だけを、そっと観察しながら。


じーっと動かずに見ているとプレッシャーになるので(笑)、ちょっと商品を触って、ズレやしわを直してみたり、と、何かしら動きつつ、お客様の動きに合わせて、こちらも死角になる位置に自然と動いて行きましょう。


お客様が、キョロキョロっとしたりして、少しでも店員を求めている様子があれば、もちろんすぐに駆けつけますが、基本的には、ゆっくり自由に見ていただき、観察タイム。


お客様が手に取っている商品は、「可愛い!素敵!」 と思って触っている場合もあれば、


「何?この柄!こんなの着る人いるのかしら~?」

「すごい高そうな素材~。わ!実際に超高いし!!」


なんていう驚きの気持ちで、触っていることも多いので、それを、慌てて


「それ、可愛いですよね!!ご試着いかがですか?」

と、いきなり押しても、かえって気分を害してしまうかも。

しかも、販売員本人も、本当は、たいして可愛いと思っていない商品なのに、お客様が手に取っているから、とりあえず売りたい一心で「可愛いですよね!」を連呼しているとしたら最悪・・・。


もちろんお客様は、

「死に筋を売りつけたいのでは?無理やり買わされるのではないか?」

と警戒。


もしくは、

「この店員さんとは趣味が合わないし、なんか信用できない感じだわ。」

と、去って行きます・・・。


まずは、

お客様が触っている商品 = 好きか嫌いかは分からないけれど、興味を持ったことは確か。

ということを観察しておきます。


かと言って、観察するだけして、最後まで声をかけないまま去られてしまうのも、販売員がお店に居る意味が無い(苦笑)。何かしらの声はかけて、お客様のニーズを探りたいところ。


ですが、新人で慣れないうちは、最初の声かけが思いのほか難しいのです。

不自然に、唐突に、話しかけてしまい、話しかけたからには、何か話し続けないと!

と、ギクシャクとしたまま、お客様が聞きたくもないことを話し続け、ウザがられて逃げられる。

という悲しい現実・・・。


こんな新人にとって、最もチャンスなのは、自分が実際に着ている服や、色違いや素材違いで持っている商品を、お客様が見ている時!



●お気に入りの商品で成功体験を

自分が実際に着ている服や、色違いや素材違いで持っている商品については、

「そちらは、今私が着てるものと同じなんですよ。意外とこういう靴とも合わせやすいです。」

「私も同じものを持っています。見た目よりフィットしたラインでかっこよく着れるんですよ。」

など、自分の着てみた感想を、実感を持って語れるので、自然に話しやすいし、そのまま話が繋がりやすい。


そのまま無理に繋げる必要は無いけれど、「いらっしゃいませ」以外の一言を、自然に交わせると、違うのです。

その瞬間のお客様の表情など、ほんのちょっとした反応から、かなりお客様のタイプやニーズがつかめます。


もっと話したい人なのか?

放っておいてほしい人なのか?

こういう服が好きなのか?苦手なのか?

本当は、何を見に来たのか?


これは、こちら側の都合だけではありません。


お客様の方でも、目の前で、実際に人が着ているとイメージが付きやすいし、

普段着ている感想を聞けるのは、貴重な情報。

お店の人も自分で着る位なら、イケてる服なのかな? と、好印象も持ちやすい。


実は入店前に、その販売員の姿が目に入り、「素敵なの着てるな。」なんて思って入って来てることも多いのです。


販売員は動くディスプレイ☆

まずは、自分が好きな商品を着て、その良さを、自分の言葉や着こなしで語れるようになりましょう。

上手に、滑らかにトークする必要はありません。

実際に自分が着ての感想を言ったり、見せたりしているので、嘘がありません。

「うわべだけで適当なことを言って、無理に買わせようとしている人」

だと警戒されてしまう確率が、限りなくゼロに近くなります。


それを糸口に、お客様と話すこと、お買い上げいただくこと、に慣れていきます。


何カ月経っても同じ商品しか売れない、というのは問題ですが、

最初のうちは、まずお気に入りの商品を販売することで成功体験を!



●暇な時間に試着しまくる

お気に入りの服を着て、その良さを実感する。それを接客に活かす。というのが、最初は大切とは言うものの、そんなに最初から何着も買える訳ではありません。

「店長から、売上のために自社商品をもっと買えと、プレッシャーをかけられた。」

なんて不満に思って、辞めたくなってしまうかもしれません・・・。


では、自分で購入して仕事着として着ている服以外の商品は、どうするのか?

はい、暇な時間に試着しまくります!


ハンガーにかかっている商品を、ただ眺めただけで接客しようとしても、所詮は、薄っぺらい感想を並べるだけに・・・。

キレイな柄ですよね~。

シャープな印象で、かっこいいジャケットですよね~。

などと、見たまんま感想を言うだけなら、販売員は要りません。


しかも、それがお客様の感覚とズレた感想だったなら、

誰もアナタの感想なんか聞いてないし!

ってか、これってシャープな感じなの!?

と、心の中で突っ込まれ、不信感で終わるでしょう・・・。


見ただけでは分からない、

それらの着心地、人が着た時のラインの出方、どんな体型の人により似合うのか?

などの特徴を掴むため、お店が暇な時間帯は、販売員同士で試着しまくりましょう。


数名いるスタッフ全員が、同じ体型ということは、ほぼ有り得ないでしょうから、みんなで、交代して試着してみることで、各商品の良さを発見します。


着てみると意外と・・・ということが、もの凄くたくさんあります!


特に、太いラインで、ゆったりめのパンツに見えるけど、意外とヒップはパツンパツンになっちゃう!

みたいな商品などは、事前に把握しておくこと必須です。


「これなら入るだろう。」と、安心して試着室に入ったお客様が、

思いがけずパツンパツンになってしまい、恥ずかしくて、そのまま急いで脱いで去って行く・・・。

という展開、有ります!


納品された商品を、ハンガーにかけて、ただ眺めるだけなのと、実際に着てみるのとは、大違い!

洋服は着るためにあるもの。

じゃ、実際に着てみると、どうなのか?

その知識を、必要なお客様に、必要なタイミングで提供できるように、

自分が着てみた感じ、他のスタッフが着ている姿を見た感じ、を、しっかりと体感しておきます。


そうして、パツンパツン事件を未然に防ぐのです!(いや、その為だけでは無いけれど、笑)

とりあえず、1本目にパツンパツンになってしまうと、お客様はほぼ100%、そそくさと帰ってしまいます。

少なくとも、お客様が最初に目を付けたそのパンツを、そのまま履いて、そのままショックを受けてしまわれる前に、確実に似合うものを紹介して、安全パイから試着の流れに持って行きたい訳です。


など試着に関しては、またおいおい語るとして、そういうことが出来るようになる為にも、まずは、

実際に着てみて、商品知識を増やす。ということが大切なのです。


加えて、「暇な時間帯に試着する」というのは、

ボーッと閑古鳥オーラ 

を出すよりも、お店に活気が出て、忙しそうに見えて(いわゆるサクラ効果?)、お客様にとっては、

「すぐに話しかけられなくて済みそう」と、気軽に入店しやすくなる、というメリットもあります♪



●買わない理由は予算オーバーだからではない

なんとか、最初の声かけをクリアして、接客スタートし始めると、お客様の口から、

「これはちょっと予算オーバーだなぁ・・・。」なんて、セリフが出るのもよくあること。


が、ここで声を大にして言いたいのが、お客様の言う予算を真に受けない!ということ。


たいていのお客様は、「今日はパンツを買いたいな~。1万円台前半くらいがいいなぁ~。」

という感じの漠然としたイメージを持って、ブラブラしているもの。


その言葉を真に受けて、「じゃ、このお客様は、今日は1万ちょっとしかお金を持っていないし、それくらいのパンツしか買うつもりは無いのだな。」なんて、変な枠を作らないこと。


あらかじめ 「予算はいくら以内」と決めていても、その予算の根拠は曖昧なのです

基本的に、「買い過ぎてはいけない。」と、自分を律するための目安として、決めているだけなので、

それを超えたら生活できなくなる訳ではありません。


また、本当はもっと少ない予算で考えていたとしても、見栄を張って高い予算を言う、ということもあります。


つまり、お客様が口にする予算は、ただの数字!


本当に欲しいもの、似合うもの、それを手に入れたら、なりたい自分になれる!

と感じたものには、お客様は 多少の無理(分割払い)をしてでも お金を払います。

気に入ったものがあれば、予算より 高くても安くても 買うので、

お客様が気に入りそうなもの、似合いそうなものは、価格を気にせずどんどん紹介してOK。


基本的に、お客様が買わない理由は、お金が無いから、ではなく、

それを買っても「なりたい自分になれる」と思えなかったからです


つまり、


この服を買ったら、どんな風に素敵になれるのか?

を、具体的にイメージさせてあげることが出来なかったからなのです・・・。



●お客様が言う「欲しいアイテム」を真に受けない

お客様が言う予算を真に受けない。のと同じく、「パンツを探している」と先に言われたとしても、そのまま「パンツ」の話だけをする必要はありません。


お客様が入店して、無事にお話しをするところまで行き、私達に「パンツが欲しい」と口に出してくださるまでには、


自宅のクローゼットで、「似合う服が無い」と悩んでいたり、

職場の憧れの先輩に近づきたいと思っていたり、

転職して、新しい職場に合う服が無くて困っていたり、

彼好みの女性になりたいと思っていたり、

最近太っちゃって・・・と悩んでいたり、


十人十色、さまざまな想いがあります。


お客様なりに考えて、その悩みを解決するには、とりあえず「パンツを買い足せば良いのかもしれない」という結論になり、買い物に来たけれど、


「パンツ1本だけ買えばオールOK」と、確信できている訳ではありません。


プロのスタイリストでもない限り、そんな確信を持っている人は居ないでしょう。

それを、ただ単に、最初に言われた「パンツ」というアイテムだけにこだわって、

今流行りのパンツ、売れ筋のパンツ、新入荷したパンツなどを、せっせと勧めているだけでは、

お客様の「なりたい自分」像のイメージをつかみ損ねます。


お客様は、「格好いいパンツ」が欲しいのではなく、

「格好いい自分を演出してくれるパンツか何か」

「理想の自分にふさわしいパンツか何か」 が欲しいのです。


もしかすると、お客様の「なりたい自分」「理想の自分」像を叶えるために必要なのは、パンツでは無いかもしれません。


プロの販売員としては、お客様自身が考えて出した「パンツが欲しい」という方針は尊重しつつも、それに従う必要はありません。

暇な時間に試着しまくった甲斐あって(笑)

うちの店の商品のことは、お客様より自分の方が知っているのです。

お客様の「なりたい自分」像を叶えるために、本当に必要なアイテムは何なのか?

フラットな気持ちで、お話ししながら探って行きます。


そして、お客様が「理想の自分にふさわしい装い」を見つけて、本当に納得のいくお買い物をしていただくために、まず大切なのは・・・



●すぐに試着させない

これ、本当に大切です。

お客様が、自分で商品を選んで 「試着したい。」 とおっしゃったとして、そのまま 「どうぞ」 と試着室にご案内すると・・・

例えば、それが似合わなかった時、試着室の中で「パツンパツン事件」が起こってしまった時!

お客様は試着室から出て来れないまま、そそくさと脱いで、逃げるように去って行ってしまいます。


まだ、他にも見たい商品、欲しい商品があったかもしれないのに、

せっかくうちのお店に興味を持って入店してくださったのに、

何も話さず、すぐに試着室にご案内してしまったが為に、

ムダに恥ずかしい思い、気まずい思いをさせて・・・。


また、本当は似合っている服だったとしても、狭い試着室の中だけで、目の前の鏡を見ると、

近過ぎて、妙に短足に見えたりして、全然格好良く見えない!

何となくテンション下がって、さようなら~と。


試着室に入る前に、コミュニケーションを取っていないので、

試着室の中で何が起こったのかを、出て来たお客様がわざわざ自分から話してくれることはありません。


なぜお客さまが帰ってしまわれたのか?

似合わなかったのか、イメージと違っていたのか、元々買う気が無かったのか、高かったのか・・・

販売員にとって、その本当の答えは 永遠の謎!


とにかく、すぐに試着させてしまうのは、お互いのリスクが高過ぎるのです。


「試着したい」 と言われたら、とりあえず 「かしこまりました」 と、受け入れつつ、

「色違いで、こちらとこちらもありますが、ご覧になりましたか?」

「同じ素材で、こちらの型もありますが・・・。」

など、その 試着希望の商品に関連するもの を、念のため、目の前に出してみましょう。


「もう既にそれはチェック済みな上、私はこれが着たいの!」

「時間が無いから早く着たい!」

という雰囲気であれば、もちろんすぐに試着室にお通しします。


が、たいていのお客様は、全ての商品に目は通せていません。

なので、他の商品のことも、ちょっとは気にかけてくださるでしょう。

基本的に、素敵な服があれば欲しい のですから、他の似たような商品を教えられて、大迷惑!とは、そうそう感じない(はず)。


そして、その色違いや素材違いの商品を目の前にした時の反応で、今日、お客様が求めている商品 

へのヒントがたーくさん掘り起こせます。


ときめいた感じ、まったく興味無い感じ、など、何かしら読み取れる反応があるし、

「いや、今日は黒で探してるんですよね~。 実は、今週末に・・・。」

と、その黒のパンツを試着したい理由を話し出して下さったり、


「ああ、その型もいいですね。いつもは、こっちのタイプが好きなんだけど、

最近は、ちょっと太めのパンツもいいなと気になっていて・・・。」

と、潜在的な購買意欲 も引き出されたり。


とにかく、すぐに試着させないことで生まれるお互いのメリットは無限大!


お客様と話し始めて、試着するしない、の段階に来ても、「買ってくれるかも!?」なんて、焦って試着室に入れてはいけません。




●商品とイメージをじゃんじゃん広げる

色違いでこちらもありますよ。同じ素材でこちらの型もありますよ。などと、言って見せながら、

どんなシーンで着るものを探しているのか?を探ります。


たとえ、職場用と言われたからと言って、仕事に着て行く=お堅いイメージのもの

とも限りません。その先入観も、不要です。


職場ってどんな雰囲気?

なるべく地味めにしたい?

動きやすさ重視?

異動したてなら、明るくて万人受けするタイプのもの?

出来る女をアピールしたい?


軽い質問を投げかけて、じゃんじゃん服を広げて見せます。

もちろん、一気にまくし立てるのではありません(汗)

こういう感じのことを、臨機応変にポロポロッと言うのです。


投げかけた問いの、何に反応するのか?

なぜ「パンツ」が欲しいという結論に至ったのか?を探って行きます。


そして、お客様自身の口で、求めているイメージを語ってもらいます。

ちなみに、お客様の口から

「地味めにしたい。」

と言われても、その「地味め」な感じというのは、販売員が思う「地味」と、お客様が思う「地味」が、そもそも違うので、単語に囚われる必要はありません。


何を言っているか?より、何かを口から言わせる。という方が目的なのです。

お客様自身、口に出して見て初めて、欲しかったものに気づく、ということがあるのです。


そして、口から出て来た単語をヒントに、

その試着したがっているパンツを、お客様の言うイメージで着こなすには、

このブラウスを合わせる感じが良さそう・・・

このジャケットを合わせる感じも良さそうですよね・・・

みたいに、具体的なコーディネートを棚の上に、じゃんじゃん広げて見て貰います。


言葉そのものより、

そのコーディネートを目にした時のお客様の反応から、本当のイメージがあぶり出されてきます。


キレイに畳んだ商品を、じゃんじゃん広げて見せることを、間違っても

面倒臭い などと思わないこと!


お店は、お客様に商品を見ていただくための場所なのです。

畳んだままの商品をチラ見しただけで、自分の欲しい服を見つけられる人なんていません。

そんなに直感の冴えたお客様なら、それこそ販売員は要らないですね。


どの服だって、一通り全部見たいのに、キレイに畳まれた商品を、自らじゃんじゃん広げられる神経のお客様はいないのです。


大げさなくらいに、こちらがじゃんじゃん広げて、実際のコーディネートを見せて、イメージを具体的に膨らませていただきましょう。


畳んだままでは、まったく目に付かなかった商品の良さが見えたり、

実はパンツ以外のこういう商品も欲しかったんだ!ってことを思い出したり、

マメに動いてくれて、親切な店員さんだな、と思ってくれたりもします。


そして、たくさんの商品を見ながら、こういう感じが好き、こういう感じは違う

と、お客様自身の口で、イメージを語ることによって、今日本当に欲しい服に、

自らたどり着いていただくのです。



●いつもの安定感か?新しいチャレンジか?

お客様の「なりたい自分」像を探るために、じゃんじゃん商品を見せ始める流れになったら

入店時に、死角からそっと観察して得た情報の出番です!


お客様の好みかどうかは分からないけど、とりあえず、手に取って「気にかけていた商品」を

じゃんじゃん広げる商品の中に、さり気なく織り交ぜて見せてみます。

お客様とのお話の流れで、「これもいいんですよねぇ。」と、偶然同じ商品を手に取ったかのように


この時「これ見てましたよね?」などと、いちいち言う必要はありません。


万が一、「この人、よく見てたな。やり手だな。」などと思われると、「たくさん買わされるのでは無いか?」と警戒心が芽生えるので注意。

あくまでもさり気なく見せて、安心してお買い物を楽しんでいただきましょう。


ここで、その商品になんで興味を持ったのか?が分かって、ますます今日のお買い物の目的、求めているイメージが見えてきます。

たいていは、大きくふたつのパターンに別れるでしょう。


1、いつもの自分な感じの安定感な服

2、チャレンジ精神が必要な服


チャレンジ精神が必要 というのは、昔から憧れてるけど、なかなかトライできない、とか

今までは着たこと無いけど、最近気になる、とか、でも、やっぱり勇気が無い~ という感じのもの。


お買い物とは、そもそもその2パターンしか無いのかもしれません。

いつもの安定感を求めたお買い物なのか、いつもの安定感を打ち破り、新しい自分、憧れのファッションにトライしたいお買い物なのか。

最終的にお買い上げになる商品は、いつもの安定感モノに落ち着くとしても、

試着の段階では、是非、憧れのファッション にもトライしていただきましょう。

試着はタダですし、お買い物はエンターテインメントなのです。


今日はまだ買う勇気がなくても、着てみて、それが本当に似合っていれば、いずれ買いにいらっしゃるかもしれません。が、一度も着たことが無い服は、似合うかどうかすら永遠に分からないのです。

それに、本命の安定感モノだけを試着するより、2,3種類の選択肢の中から選ぶ方が決めやすい、というのもあります。


気になっているけど勇気がいるモノも試着して、それと比べることで、

「やっぱり今日の私に必要なのは、こっちだわ。」と、安定感モノを 買う決心 がつくのです。


逆のパターンも同じです。勇気がいる新しい路線にチャレンジする時、

新鮮な気持ちで、垢ぬけた自分と、今までの路線の冴えない自分と、比較をすることで、

こんな過去の自分とおさらばしたい! と、新しい服を買う決心がつくのです。




●ようやく試着に入る時の順番も大切に

商品をじゃんじゃん広げて、コーディネートで見せて、ようやくお客様が本当に欲しい商品があぶり出される頃、すでに棚の上には、2、3種類くらいのパンツをベースにしたコーディネートが出来上がっているでしょう。

もしかして、これまでの接客の中で、お客様がなりたい自分になるために、本当に必要なのは

パンツでは無かった。と判明して、全く違うアイテムでのコーディネートになっているかもしれません。

が、いずれにしても、一番欲しいものをベースに、トータルコーディネートが数種類、出来上がっているはず。

もしお客様が、好きなものをいくらでも買って良いと、自分に許しているリッチな方なら、


じゃ、これ全部いただくわ


と、なるかもしれません。

それくらい、今日のお客様好みのコーディネートになっている(はず)でしょう。


が、たいていのお客様は、もともと「パンツ1本」と考えていらしたような方。

他の商品は、あくまでも、「そのパンツを買ったらどんな風に着こなせるか?」の参考に、イメージを膨らませるサポートでお見せしているスタンスです。

お客様の中で、そのイメージが十分膨らんで、

「これ、パンツ以外も、本当は 全~部欲しいなぁ~。」

と気持ちが盛り上がって来た今、ようやく試着に入ります。


そして、

とりあえず、全部着てみてください!

と、一通りのコーディネートを全部試着しちゃいましょう、という流れを作ります。



遠慮がちなお客様は、絶対買わないものまで試着するのは悪いと思ってしまうので、こちらの方から

全部試着して大丈夫ですよ。是非着てみて欲しいです~♪

という雰囲気を作ります。

これは、とにかく着せて、無理やり買って貰おう!という魂胆ではありません。

理由はのちに語りますが、とりあえず、本当に着てみて欲しいのです。


そして、もし、お客様が一番気に入っているパンツがパツンパツンになりそうな気配であれば、

他の、確実に似合いそうな商品から、先に試着するように、さり気なく促します。

まず、最初に、今日のお客様にはこれがベスト!と見込んだコーディネートからスタートするのです。

もちろん、


「これ、けっこう細身なんで、入らなかったらヤバいんで、こっちの太めのパンツから着てみてください。」


なんて、間違っても言いませんよ!(爆)

ただ自然に、「とりあえず、こちらからどうぞ。」と、当たり前のように渡せば良いのです。


そして、似合うものは、やっぱり素敵。

ちゃんと試着室から出てきて見せてくださいますし、本人もご満悦。


「本命は次のパンツだけど、これも悪くないな~。」と好印象で、うきうきと次の本命パンツへ。


で、本命パンツがそれ以上に気に入れば、もちろんお買い上げとなりますが、

本命パンツがパツンパツンだった時にも、「じゃ、最初のにしよう。」と、自然と落ち着きます。


が、もし1本目にパツンパツンになってしまった場合、テンションが一気に下がり、他のを履く気が無くなってしまうかもしれません。同じパツンパツン状態でも、

1本目にいきなり!

なのと、

他の商品で、素敵な自分を体験した後

なのとでは、ダメージが全然違うのです!




●インナーの試着は勧めてもジャケットは渡さない

お客様が、本当は全部欲しい~と思うくらい、好みのコーディネートが並び、いよいよ試着することになった時、買うつもりの無い被り物のトップスなどは「試着したら悪い。」と思うものですし、

実際に、着替えるのも面倒なので、遠慮するお客様も多いです。


が、

「せっかくなので、着てみてください、試着はタダですし~。」

なんて、ノリで着ていただくよう勧めます。表面では軽いノリでおススメしつつも、

ここは、是非とも、本当に、着ていただきたいところ!


もちろん、無理やりなのはマズいですが、内心では、

このトップスと一緒じゃなきゃ、パンツも履かせないぞ!

くらいの意気込みで、一緒に渡して試着室に入っていただきましょう。


この時、インナーは必ず一緒に渡しますが、ジャケットは渡しません。

たとえ、お客様が着る気マンマンでも渡しません!

「ジャケットは、出てから羽織って見て下さいね~。狭いですし~。」 とか何とか言って。

何故か?って、理由は単純。


試着室から確実に出てきて欲しいからです。


その鉄則を忘れて、試着室に、お目当ての通勤用パンツとジャケットだけ持って入っていただいたならどうでしょう?


試着室の中は、狭くて、鏡は目の前。そして裸足。


どんなにスタイルの良い人でも、基本的には短足に見える状況なのです。

それに加えて、今日着て来たのは、そのパンツとジャケットにはちぐはぐな休日用のTシャツ、

目の前に写るのは、裸足で、パンツの裾がダブついている、短足でバランスの悪い自分・・・


うーん、なんか全然イケて無いかも・・・とガッカリするのは必至。


ガッカリつつも、仮に、試着室から出て来てくださったとしても、

今日履いてきた休日用のペタンコシューズ のままではとにかくちぐはぐで、

本当は似合っているはずのパンツでも、まったく素敵に見えません。


インナーもトータルで試着して、外に出て、ヒールのある素敵な靴を履いて、

遠目の鏡で見る姿とは雲泥の差 なのです。

お店で靴も扱っているのなら、着替えている間に、お客様のサイズの靴も出しておきます。


そして、バッグやベルト、スカーフなど、使えるものは全部使って、トータルで格好良く鏡に写って貰います。

仕事着を探していたお客様なら、その姿で通勤し、オフィスを颯爽と歩く格好良い自分を!

結婚披露宴に着て行くものを探していたお客様なら、その格好で理想の男性に見染められる自分を!

がっつりイメージしていただきましょう!

↑ここがキモです!


当たり前ですが、お店にあるのは、統一されたイメージの同ブランド商品。トータルで着れば素敵なのです。それを是非とも、試着室の外で、優雅に確認していただきましょう。


そして、販売員にとっても、お客様が、色んなものを着て試着室から出てきて下さるのは、

その商品をお店のスタッフ以外の人が着たところを見られる絶好のチャンス。

勉強できる貴重な機会なのです。

試着室に入る前に、あれこれとお話しして、コミュニケーションを取っているからこそ、お客様は、多少パツンパツンだとしても試着室から出てきて、その姿を見せてくださいます。


●最後まで、お客様は何でも買えるリッチ出幸せなVIPである、という前提で

試着に入る前に、あれこれ見ていた段階で、本音では「トータルで欲しい」くらいの気持ちになっているのが理想。そして、試着してみて、

「やっぱり素敵~。これを買ったら、なりたい自分、求めているイメージが手に入るな~。」

という気持ちになっていただいたら、あとは、本当に買って帰る商品の絞り込みです。


今までの接客で、お客様の予算や、欲しいアイテムを真に受けることなく、枠にとらわれずに、ただお客様のイメージを叶えるために良さそうな商品、コーディネートしたらより素敵なアイテムを、じゃんじゃんお見せして、試着していただいています。


お客様は、気に入ったものは何でも買えるリッチな方、

VIPとして丁寧に応対し、全力でサポート、という姿勢で接客してきています。


欲しいパンツを、より素敵に着こなしている姿を想像させるための、ある意味、演出の小道具 として使っていたトップスや、靴、バッグなども、いつの間にか欲しくなっているかもしれません。

「着てみたら意外と似合っているし、着回しに便利そうだし、また買い物する時間も、いつ取れるか分からないし。」などと思い、一緒に買う気になっているかもしれません。


「そういえば、仕事用のバッグも、少し傷んできてたな。」

なんて思い出したかもしれません。


そんな心の声は、こちらには聞こえない訳ですが、

とりあえず、着ていただいたトータルコーディネートの商品を、それこそトータルで、電卓で叩いてみましょう。

もし、仮に、今着ていただいたものを全部足すと・・・パンツと、ジャケットと、・・・と、・・・と、・・・・・・

「10万2千円ですね。」なんて、普通にさらっと。


そこで、お客様本人が、

「あ、意外と安い。」と思ったり、「無理してでも買いたい!」と思えば買いますし、

「買えない」と思えば買わないですし、

こちらが、その判断をあれこれ心配する必要はありません。


ただ、とりあえず、全部でいくらという金額をまずお見せして、

「いやいや、そんなに全部はとても無理~」

という方であれば、少しずつ減らした金額を電卓を叩いてお見せします。

じゃ、インナーはやめて、もしパンツとジャケットと、靴だったらいくら。

パンツとベルトだったらいくら。

パンツだけだったらいくら。などなど。


その中で、お客様が一番納得の行くところで、お買い上げいただけば良いのです。


当初の予算は、1万ちょっとだったお客様でも

「本当は10万円分欲しいけど、4万に抑えた自分偉い!」

と、前向きな気持ちでお支払いしてくださるかもしれません。


もし、

今日は、何も買わずに帰る

という結果になっても、それはそれでOK。

過度に期待する必要も、ガッカリする必要もありません。


お客様は何でも買えるリッチなVIPだけれども、今日はこの商品を買う日では無かった。


ということでいいのです。


ただ、目の前のお客様の希望を叶えるために、あらゆる思い込みをはずし、お話を聞いて、


マメに動いて商品をお見せし、

今お店にある商品で、

一番希望を叶えられそうなものを、

一番楽しい気分で選んでいただけるように、

ベストを尽くすのみです。


それを工夫しながら地道に繰り返すことで、販売員としてのスキルが磨かれていき、

「この人から買いたい。」と思われる販売員になれるのではないか?

と、妄想店長は思っています。



終わり


最後までお読みくださり、ありがとうございます。

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