top of page

13/3/21

「私設警備員」

Image by Olia Gozha

六本木のクラブで飲んでいた。

お気に入りのブラッディーマリーに、塩とタバスコをたっぷり入れて。

飲むと酔うのに、ピリリと醒める。

この感覚がたまらない。

薬も売っていたが、幸い違法薬物には手を出さなかった。

(処方薬には手を出したが…)

一緒にいた友人が、表通りにナンパしに行こうと誘ってきた。

ホイホイと付いていき、見事2 人の女性をゲット。(先に声をかけたのは私だ)

友人が女性に、「俺の店で飲もう、料理も作るよ」と。

ここで説明:友人はある有名芸能人のお店の店長で、ほぼすべてをまかされている。六本木、乃木坂、串焼きで検索すればすぐに出てくるだろう。

私もちょくちょく手伝っていた。

おもむろに店の鍵を開けて、女性二人を中に案内。

適当なつまみとワインを用意して話を聞いてみると、

なんと、大手航空会社の客室乗務員(スチュワーデス)

そう思って見てみると、端正な顔立ちと均整の取れたスタイルだ。

最初はイメクラ嬢かと思ったが、嘘ではない証拠に乗務員マニュアルと社員証を見せてくれた。

なぜ俺たちに?

と、私が聞く前にとなりで友人が猛烈に口説いている。

私も一緒になって口説こうとしたが、仕事内容が気になってその質問ばかりしてしまった。

結局、彼女たちは「ごちそうさま」と言い残して帰っていってしまった。

…のだが、私たちはおさまりがつかず最初のクラブで飲むことに。

友人が酔いながらも、家出少女あたりに目星をつけている間、私は酔いが回ってカウンター上でミ

ニスカートで踊っている雇われ女の足首に腕を回している。

教育上良くない光景だ。

いい加減二人とも酔い潰れてきてクラブの風紀を乱してきたころ(このクラブの風紀ってなんだ?)、

一人の黒人が目の前に…。

身長180~190㎝、筋肉モリモリでボブサップみたいだ。

このクラブの雇われ警備員。ケンカやトラブルの仲裁役。

こんなのが、このクラブには何人もいる。

まぁ治安が悪いからしょうがないか。

な~んて思ってたら、後ろから襟をつかまれてエレベーター内へ。

友人も程なくして違う黒人と入ってきた。

1 階でドアが開いた瞬間、背中を押して出された。

どうやら酔っ払いすぎたので、つまみ出されたようだ。

ところが友人はくじけなかった。

「あのフェンスから2 階に上がれる!」

まぁ、2 階の非常階段に入り口があるのは知ってますけど…。

いくら酔っぱらってるとはいえ、ビルの2 階まで命綱なしでフェンスに手と足だけをかけて上りきるというのは、相当怖い。

それを二人はやった。

見事2 階の非常階段にたどり着き、ドアを空けた瞬間、

さっきの黒人二人が立っていた。

あとはご想像に…。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page