15/5/3
旅行先のハリウッドで本物のジョニーデップに出会って衝撃を受けた結果、大学中退してパソコン1台で月収40万稼ぐようになった22歳起業家の物語【1:ジョニーデップに出会う編】

夕暮れ時のハリウッド。
僕たちは男二人で見知らぬ土地を1日中歩き続け
さすがにお腹もすいてきた頃だった。
ハリウッドのメインストリート沿いにある近くの店に入ることを決め
ようやくありつけた本場のタコスを夢中で頬張りながら、
僕らはTVに映っているNBAの試合をただただ無言で眺めていた。
憧れのロサンゼルスで過ごす最後の夜。
しかし、長旅でひどく疲れきっていた僕は
なかなか気持ちが上向きになりそうもなかった。
そんな中、ふと入り口に目を向けると
ある一人の風変わりな男が店内に入ってくるのが見えた。
意識が朦朧としていた僕の目にはよく見えていなかったが、
ただ一つ間違いなく断言できるのは
一般人とは明らかに違う異質なオーラを放っていたということだ。
「ずいぶん派手な男だな・・・」
当初はその程度にしか感じていなかったが
やがて彼との出会いが自分の人生を大きく変えるきっかけになるとは
そのときの僕は知る由もなかった。
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1年前
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当時大学2年生だった僕は、
毎日居酒屋のバイトやバスケのサークルに明け暮れていた。
その姿はどう見ても勉強熱心な学生とは言いがたく
持ち前のノリの良さを活かして友達との飲み会にも頻繁に参加し、
居酒屋のバイトが終わったあとも先輩に誘われて朝9時まで飲み明かすのが普通になっていた。
また、時にはウイスキーを連続でイッキし、
記憶をなくしてトイレで寝ていたことも珍しくはなかった。
ここでは言えない失敗談も他に数多くあるが、
当時はそんな自由な大学生活を存分に楽しんでいたつもりだった。
旅行の動機
大学生活にも慣れてきた2年生のある日、
僕は普段の飲み会やバイトだけの生活に物足りなさを感じ始めていた。
そんな中、
「一生思い出に残るような、何か非日常的で貴重な体験がしたい」
と心の中で考えるようになり、
僕は昔から憧れていた夢をふと思い出した。
「一生に一度でいいから、アメリカに行ってNBAの試合をこの目で見たい」
友達全員から『バスケ馬鹿』と呼ばれるくらい
誰よりもバスケを愛していた僕は、
高校生くらいの時からこんな夢を抱いていた。
身長2mを超える大男たちが繰り広げるエキサイティングな試合。
迫力満点のダンクシュートや、芸術的なプレーの数々。
試合終盤に訪れる、バスケ特有のスリルや期待感。
そして何よりも、会場全体が一体となって応援するときの楽しさは
他の何にも代えがたい。
死ぬまでに一回は世界最高のリーグを実際に現地で見て
その興奮を味わいたいと思っていた。
ぺいぺい「そうはいっても、一人でアメリカに行くのはさすがに怖いよな・・・誰か一緒に行ってくれる奴いないだろうか?」
試しに友人の中で一番バスケが好きなTくんに声をかけてみた。
ぺいぺい「なあT、来年の春休みに一緒にアメリカ行ってNBAの試合見ようよ!」
Tくん「え、マジかよ?!めっちゃ行きたい!」
ぺいぺい「おし!決まりだな!!」
Tくん「旅費いくらかかるんだろう?」
ぺいぺい「20万あれば足りるってさ!」
Tくん「え?そんなもん?そんくらい楽勝だぜー!!!」
というなんとも軽いノリでLA行きが決定した。
そしてLAへ
1年間せっせとバイトに励んだ僕とTくんは
旅行の資金を貯めることに成功し、いざLAへと旅立つことに。
前日は高揚感でなかなか眠れなかったが、
朝は目覚ましが鳴る30分以上前に起きたのを覚えている。
緊張からか、起きた瞬間から頭がバキバキに冴えているのがわかった。(笑)
とはいえ、頭のなかでは理解していても
実際に自分がロサンゼルスの地を歩いている姿が全く想像もできず、
出発当日の機内ですら正直実感が湧かなかった。
むしろ、アメリカに近づくにつれて感じたのは漠然とした不安。
「見知らぬ土地に行って無事帰ってこれるのだろうか?」
「これからの1週間、本当に二人だけでやっていけるのか?」
そんなことを無意識に考え始めていた。
約12時間のフライトを終え、機内の窓からアメリカ大陸が見えてきた頃、
そのスケールの大きさと、自分という小さな存在とのギャップに恐怖感すら感じた。
うまく言い表すことができないが、とにかく人生で味わったことのない感情だった。
でもそんな不安は空港から外に出た瞬間に一掃された。
穏やかな空気と美しい夕日に迎えられ、
僕は初めてロサンゼルスの空気を吸った。
長い間夢見た場所に自分が立っているなんてなかなか信じられなかったが、
やがてそれが現実だという実感が湧いてきて、ひたすらテンションが上がった。
ダウンタウンのホテルに到着したあとは、
ステーキにチャレンジしたものの
アメリカのサイズは並大抵ではなく、
大食いの僕らでも胃が破裂しそうになった。(笑)
念願のNBA観戦
LA到着の翌日、ついに長年憧れていたNBAの試合を観戦。
まさに夢見心地で、終始エキサイティングする展開だった。
結局応援するクリッパーズは試合に負けてしまったものの、
実際の会場に足を踏み入れたことでその素晴らしさを実感することができて
旅行前は「一生に一度は見に行きたい」と思っていたのが、
試合の後は
「将来はLAに住んで毎日試合を観戦できるようになりたい」
とまで思うようになってしまった。
最終日、ハリウッドへ
夕暮れ時のハリウッド。
僕たちは男二人で見知らぬ土地を1日中歩き続け
さすがにお腹もすいてきた頃だった。
ハリウッドのメインストリート沿いにある近くの店に入ることを決め
ようやくありつけた本場のタコスを夢中で頬張りながら、
僕らはTVに映っているNBAの試合をただただ無言で眺めていた。
憧れのロサンゼルスで過ごす最後の夜。
念願のNBA観戦を体験したり、
輝く太陽の下で太平洋の海岸沿いをサイクリングして
最高の開放感を味わったりと
素晴らしい旅の思い出が鮮明に残っている。
しかし、長旅でひどく疲れきっていた僕は
なかなか気持ちが上向きになりそうもなかった。
ある男との出会い
そんな中、ふと入り口に目を向けると
ある一人の風変わりな男が店内に入ってくるのが見えた。
意識が朦朧としていた僕の目にはよく見えていなかったが、
ただ一つ間違いなく断言できるのは
一般人とは明らかに違う異質なオーラを放っていたということだ。
「ずいぶん派手な男だな・・・」
やがてTもその男の存在に気づき、
僕と同様に一般人との違和感に気づいたようだった。
ぺいぺい「あの人、やたら派手だけど何かやってる人なのかな?」
Tくん「俺も変わってるなーと思って見てた。気になるよね!気のせいかもしれないけど、どこかで見たことあるような気がしてきた・・・」
ぺいぺい「えっまじで?Tが知ってるってことは有名人ってことか!・・・そう言われれば俺も見覚えがあるような。」
Tくん「やっぱり?!・・・・・あ、あれってもしかしてジョニー・デップじゃない?!」
ぺいぺい「あ!!!そうかも!!!!!ジョニー・デップにめちゃくちゃ似てる!!えっここで会うとかやばくない?!!」
Tくん「やばすぎるよ!!奇跡だね!!!でもあれって本物かな?!ここはハリウッドだし、よく考えたら偽物とかそっくりさんの可能性もありそうじゃない?」
ぺいぺい「あー確かにね!浮かれるのは早いか!もう少し観察してみよう!」
僕たちは、バレないように気をつけながら
熱心にタコスを食べている彼の方を何度も何度も見た。
ニット帽にオシャレなサングラス。
パイレーツカリビアンのジャックスパロウを彷彿とさせる服装。
そして、右腕には10個以上ものブレスレットをつけており
手には見たこともないような大きな宝石がついた指輪を
3本の指につけているのが見えた。
常人ではあんな高価なものを身につけるのは難しそうだ。
そして改めて言うが、彼からは明らかにただものではないオーラが漂っている。
もしジョニー・デップのそっくりさんだとしても、
果たしてあの特異な雰囲気まで真似できるだろうか?
徐々に本人であることを確信し始めた僕ら。
そして、程なくしてあることが起きた。
確信した瞬間
僕たちのいたタコス屋は、窓に大きなガラスを使っており
メインストリートがよく見渡せる作りになっていた。
ガラス越しの目と鼻の先をかなりの人が行き来していた。
ふと店の外に目を向けると、
20歳前後のアメリカ人の女の子が店内を覗くのが見えた。
ちょうどあの男の方を見ていたのだが、
その瞬間に彼女の表情が変わったのを僕らは見逃さなかった。
『あっ!!』
と大きく口を空け、例の男を指さす少女。
そばを歩いていた少女の父と妹もその様子に気づいたようで、
3人とも店内に足を踏み入れ例の男に声を掛けに行った。
その様子は、例の男がまぎれもなく有名人であることを物語っていた。
やがて、胸に抱いていた淡い期待は確信へと変わった。
間違いない、あれは本物のジョニー・デップだ。
「アメリカ人があんな反応をしているんだから、やっぱり本物みたいだね。」
Tくん「どうやら確定だね。俺らも写真撮りに行こうか?!」
「え、マジかよ?!さすがにオーラがすごいし、ちょっと近寄りがたいなあ・・・」
Tくん「大丈夫!俺英語全く話せないから、ぺいぺい話しかけてきてよ!頼む!!」
「・・・わかった!今めちゃくちゃちびりそうだけどこんなチャンスもうないもんな!よし、やったるわ!」
そんな流れで、なんと偶然であったジョニー・デップに話しかけるという
奇跡を通り越した体験をすることになってしまった。
あまりのオーラに圧倒され、断られるのではないかと思って逃げ出したくなったが
勇気をもって声を掛けてみると、以外にも丁寧に対応してくれて
写真も快くOKしてくれたのだ。
そして、わざわざ日本語で
「こんにちは」
という挨拶までしてくれた。
予想以上の親切さや、本物の存在感がとても現実のものとは思えなかったが
たしかに僕はあのジョニー・デップと肩を組んで写真撮影をしていたのだ。
今でも思い出す度に胸が熱くなって、現実離れしたフワフワした感じがする。
そして、またあのときに戻りたいとどうしても思ってしまう。
だがおそらく、これほど貴重な体験は2度と味わえないのだろう。
しかし今回の旅でジョニー・デップが僕に教えてくれたように、
勇気を持って自分の道に一歩踏み出した先には
神様からの思いもよらぬプレゼントが待っているのかもしれない。