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15/5/2

<おっぱいカルマ浄化のため風俗に行った話>

Image by Olia Gozha

ああ

分かっている。

みなの言いたいことは分かっている。

またかと。

こいつまた風俗行ってんのかと。

客観的に見れば

僕でも思う。

こいつバカなんじゃないかとw

だが聞いてほしい。

これにはやんごとなき理由があると。

異変に気づいたのは

前作<見ず知らずの漢と風俗に行った話>の

次の日だった。

なにかおかしい。

エネルギーが下がっている感覚。

Facebookでいつものように投稿をしてみる。

なにかがしっくりこない。

反応もあんまりだ。

ここで私は気づく。

まさか

「進撃の巨乳」という店に行ったにも関わらず

巨乳を引き寄せられなかったことで

僕の自己信頼感が揺らいでいる?

僕のおっぱいカルマが再燃し始めている?

なん・・・だと・・・

いやいやまさか。

おっぱいだけで

そんな変わってたまるかと。

仕事に行く。

電車に乗り遅れる。

約束がうまくいかない。

まじかと。

現実がうまく噛み合んぞと。

調和の波動からずれてきたら

僕はいつも

未完了になっていることを完了させる。

気になったことをつぶしていく。

という戦略に出る。

「やれやれ、仕方ない。

行かねばならぬようだな」

そうつぶやいた僕の顔は

少しにやけていた。

そして

私はリサーチに入る。

何事も

リサーチから始まりリサーチに終わる。

ここでしくじれば

その後の展開すべての流れが狂う。

一番慎重に、かつ大胆に

事を成さねばならない場面だ。

「おっぱぶ」

その言葉が眼に入る。

私は流れるようなスピードで

あいふぉーんを操作し電話をかけ

システム、在籍キャスト、出勤情報を把握する。

ここまでリサーチ開始から3分。

これぞプロフェッショナル仕事の流儀。

プロの条件その一。

仕事はスピーディーに丁寧に。

おニューのスプリングコートをはらりと纏い

東横線で横浜へ。

ここまでかっこつけてみたが

内心は心臓ばくばくである。

はやる鼓動をおさえ

店へと辿り着く。

店の前では

おっさんたち3人が

店員さんにごねていた。

待たされる28歳のおっぱいを揉みたいおっさん。

・・・長い。

あまりに長いごねかただ。

まあ実際は5分程度だったのだが

私には悠久の時が流れたように感じた。

その悠久の時の中

私の心はタイムスリップをしていた。

私はなぜここにいるのだろうか。

おっぱいがもみたい。

ただそれだけのために

時間とお金をつかうのか。

私の心に迷いが生じた。

「あんたバカぁ?」

私の中で惣流・アスカ・ラングレーがののしる。

「いい?ここから先はもうあなた一人よ。

全て一人で決めなさい」

ミサトさんまで出てくる。

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ・・・」

その精神状態は碇シンジのごとく。

呼吸が荒い。

いったん落ち着こう。

なんでおっぱい揉みにきてるはずが

こんな精神状態にならないかんのか。

闘いの前はいつもそうだ。

近くのモスバーガーに避難した私は

碇ゲンドウのごとくポーズを決め

ふかくうなだれていた。

私は逃げた。

店の前まで来てひよって帰るなんて

はたから見たら童貞丸出しだ。

なぜだ。

なぜこんなにも弱くなってしまったのか。

そこで一本の電話がはいる。

いくつもの戦場を

ともにした仲間からだった。

「めしいこうぜ」

その言葉が

天使の声に聞こえた。

 

出会ってからすぐに

ことの顛末を話す。

大爆笑である。

嘆き崩れる僕。

さらに笑うそいつ。

ひとしきり笑った後

「じゃあ一緒に行くか」と。

・・・そいつが神に見えた。

そうなのだ。

やはり冒険は

仲間と一緒に行くからこそ楽しいのだ。

ひとりでガクブルしながら

行くもんじゃないのだw

逃げちゃダメだとか

そんな精神状態になってる時点で

もう負け戦確定なのだw

こういうのは

軽やかなエネルギーで

楽しく行くもんなのだ。

そしておっさん二人のパーティーは

無料案内所に着く。

もはや二人はおっぱぶではなく

ヘルスを視野に入れていた。

目標をセンターに入れてスイッチ。

目標をセンターに入れてスイッチ。

謎の言葉が頭の中で反芻する。

「おっぱいの大きい子で」

今度はぶれなかった。

すると店員のお兄さん

「今ならHカップの子がいけますよ」と。

H・・・カップだと・・・

H

それは

ハレルヤのH。

その瞬間

楽園への扉が開いた。

 

 

 

 

 

ここからは蛇足だが。

 

楽園から地上へと帰り

僕は先に終わっていた仲間の元へと赴いた。

会った瞬間

彼はふかくうなだれた。

おいおいどうしたんだと。

風俗後

こんなしょぼくれた

こいつの姿を僕ははじめてみた。

聞けば

「はじめてイケなかった」と。

その仲間は

風俗人生無敗だった。

どんな修羅場でも

間違いなく最後まで仕事をこなした。

その姿勢を

僕らは深く尊敬していた。

僕がイケなかったとき

「いや、おれもイケはしなかったけどさ

ほかのことでめっちゃカバーしたっていうか・・・」

という見苦しい言い訳をした際

「イクこと。それが嬢への最高の恩返しだろう」

という名言を残していた。

言葉ではなく行動で魅せる。

これぞプロフェッショナル。

僕らの憧れだった。

ちなみに僕はハードなソロプレイに明け暮れた上

タイムリミットに弱く

日本の風俗においては

半分はイケてないことをここで告白しておこう。

いいのだ。

みんなで冒険すること。

それが楽しいのだ。

いらない告白だったw

話を戻そう。

僕らの憧れだったそいつは

はじめて敗北を知った。

僕は言った。

「はいあがろう。

『負けたことがある』というのが

いつか大きな財産になる」

ちなみに僕は

この日もイケてない。

 

 

 

 

 

後日談。

おっぱいを揉んだ僕は

自己信頼感を取り戻し

その後の数時間だけで

大きな仕事が5件決まった。

今も

ものすごい勢いで仕事が舞い込んできている。

ここで僕が学んだことはひとつ。

「自分を喜ばせることに

ためらっちゃいけない」

少年の神話が始まった。

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