前回の続きはこちらです。
25歳、社会人3年目の僕が、やりたいことがわからないリケジョ大学院生と出会い、彼女が◯◯になって最後に意中の人と結婚した話(前編)
「やりたいこと=できなかったこと」?
大学院2年生となった彼女。
そこから彼女は、教育系のベンチャー企業へのインターンと研究の往復に明け暮れていた。
リケジョがどうして、文系の教育系に?という感じで僕は見ていた。おそらくこれを見ているあなたも、そうやって思うだろう。
でも、彼女の話を辿ればわかる。興味があるとはいえ、本当にやりたいことができなかった自分のまま、大学院まで進んでしまっていた。
大きく言えば、教育全体が未だ「いい高校・大学に出ることがよし」という風になっている風潮にあるからだと思う。
現状をありのまま見れば、そういうことであり、僕はその状態に対して意見をここで述べる必要がないから、そこは割愛する。
そして、彼女はそのままインターン先に就職をした。
僕も、就職が決まった時も簡単にお祝いなんかもした。
そして僕も25歳になり、社会人4年目になった。
順風満帆になってきたように見えた彼女だが、ある時メッセージがきた。
リケジョ「にしかつさーん、こんにちは!突然ですが、明日あたり空いていますか?久しぶりに話したいなーと思って^^」
「うん、仕事終わりならちょうど空いているから、大丈夫だよー。」
リケジョ「ありがとうございます!では、明日♫」
なんだろう?と思った。もう季節は2012年の秋。彼女と会って1年以上が経とうとしていた。
仕事をやめて、次のステージに行きたい。
僕「久しぶりだね〜!」
リケジョ「久しぶりって言っても、1ヶ月ぶりですよー。」
僕「そーだったね、んで、どしたん?」
たわいもない会話からスタート。するものの、彼女は相変わらずの淡々とした笑顔を出しながら、少し疲れ気味に語り出した。
リケジョ「実は、仕事のことで・・・あれ?って思うことがあってですね〜」
僕「うんうん。なに?」
リケジョ「気付いちゃったんですよ。これ、自分がやりたいことを押さえつけて、誰かのやりたいことを応援しているって事に。」
心の変化というのは、一秒よりも早いなんて言葉を聞いたことがある。
順風満帆に見えていた彼女だが、ある意味、また次の壁にぶち当たっていたのであった。
彼女は二重の殻がある卵の中にいたようなものだった。
自分のやりたいことが何もできなかったからこそ、誰かを応援したいという1つめの殻を破った。
「やった!外だ!」と思ったら、実はまた殻の中に自分がいた。という気付きだった。
人間の成長という意味では順調だろうが、まだ社会人1年目である彼女。いや〜どうしたもんかこれ。
俺やっぱり、彼女の親ではないけど、一緒になって親身になって考えている、話しやすい親戚のおじさんみたいだ。
僕「そっか〜。気持ちわかる。もちろん今のまま働いていても、悪くはないよね。でも、気持ち悪いよね。「オエ〜」とかいう意味じゃなく(笑)」
リケジョ「そうなんですよー。そうやって認められていて生きていたんですけど、別に私、認められるために働いているわけじゃないし・・でもやりたい事もぼんやりって感じだし・・」
そうだよな。そうだよな。そう思った。
僕「それで、どうしたいの?」
リケジョ「もっと、私も自分の事知っていきたいんです。」
僕「うんうん、というと?」
リケジョ「仕事を辞めて私なりに探求しようと思います。」
世間体との「狭間」の中で。
僕がその話を聞いて、一番初めに思い浮かんだのは、彼女のご両親の顔だった。
彼女の場合はお父さんが他界しており、お母さんと妹と三人暮らしだ。
両親が心配するんじゃないか?僕はとっさにそう思ったのだ。
社会人1年目で会社を辞めるといえば、「心配するんじゃない?」と思うのは、至極当然のことかもしれない。
しかも次も決まっていない、「自分探し」になるのだ。
それでも、彼女の意志は堅そうだった。こだわりが強く、DNAだけに留まらず、彼女は、もっともっと研究をしていきたい分野がたくさんあるのだ。
また、彼女は絵を描くのが元から好きだったという。
自分の似顔絵を描いて、プレゼントに簡単に書いてくれたりもしたことがあった。それは上手だった。
ハイリターンとローリスク。可能性と危険性。勇気と不信。
選択というのは、何を基準にしていけば良いのか?とあなたも、常に悩むものだと思う。
僕は彼女と会話をしながら、自分がうつとなり、這い上がった時の事を思い出した。
その時に思い出したのは、僕が今の仕事をやるきっかけとなっている、恩師の言葉だった。
恩師「人は、変化する姿を信用するんだ。だから、未熟であることは美しいんだよ。」
その時に思った。
そっか、人生は、「自分をどう規定するか」から始まる。
けれども、人は常に未熟だし僕も未熟だ。だからこそ、殻を破っていこうという変化に美しさを感じるんだ。
僕は、「何か言われたらどうしよう・・」と怯える様子がありながらも、「私が決めたこと。曲げたくない。」という彼女の眼差しを感じた。
彼女は「会社から出る」という選択だが、そういう選択でないとしても、自分の可能性を信じて何かをしようとするときは、過去である今までの自分とお別れすることとなる。
つまり痛みが伴うために恐怖が伴う。
それでも殻を開けようと必死で殻の中からツンツンとクチバシで叩くのだ。
その音を見逃さず、外から殻を叩くのが、今回の僕としての役目だと思った。
意を決して、僕は言った。
僕「そっかそっか!思いっきりやってみる事が大事だよね。」
リケジョ「はい!でも会社に言ってなくて・・・」
うっそー。ここで、どもるんかーい。
何に責任をとるのか?
それから1ヶ月間、彼女は会社に言って中々退職することを言えずにいた。このころは頻繁に電話がかかってきた。
「(ぷるる・・あ、Rちゃんだ)どしたのー?」
リケジョ「また今日も言えませんでした〜。。。」
こんな日々が1ヶ月間くらい続くのだ。いやーどうしたもんか?と僕はまた改めて思った。
僕「ここは伝えるしか方法ないでしょ〜」
リケジョ「そうなんですけどねーいや〜・・」
僕「(確かに気まずいけれども、先に言わないとそれはそれで、上司や先輩にも迷惑がかかるだろうに・・)」
とまぁ、やはり親戚のおじさんのように心配をする僕。
「なぜ」彼女は言う事に抵抗をしてしまうのだろうと、また僕は考えていく。
確かに、
「自分がかっこ良くないと誰にも認められない」
「自分が流暢に話せていないとイケてない」
「自分がどう見られるかが気になる」
「自分の話なんて本当は誰も聞いてくれない」など。
すごく自分が気になって、意見を話せなくなることってある。
自分の事を話すことが出来ない。こういうのは「羞恥心」から来ているものである。
しかし僕は反省したのは、彼女が僕に対して「甘え」が出てしまっているところだった。
今の殻の中にいても、別に私は大丈夫なんだ。
そういった意味での「甘え」の中にいるのは、今の彼女にとってどうだろう?と僕は思った。
僕「僕も結局、彼女に甘えていたんだな。話を聞いてアドバイスするような人として、上のポジションに立ちたかっただけ。。。本当の意味で彼女の人生に介入してないじゃん。」
そう思ったら、何だか悔しくなって涙が出てきた。
可能性を見切れずに、大きな生き方にチャレンジする人を、みすみす自分の甘えで無くしてしまうのは、僕の中ではあり得ないことだった。
可能性を信じてくれた人がいたから、自分だって今がある。
絶対に彼女とは縁を切れることはないだろう。裏切る気もない。
でも、自分の夢や、やりたいことを裏切ってしまうような人間関係なら、そんなのは本当のつながりじゃない。
本当の自分を信じること。それが、自分の人生に、責任を取ることなんだ。
だから、僕は意を決して、彼女に伝えた。
僕「本当に辞めたいならば、明日必ず伝えな。伝えるまで、自分は連絡取らないようにするよ。」
リケジョ「え・・あ・・。そうですよね。。わかりました。」
僕も正直怖かった。
でもそんな関係ではなく、お互いの可能性を活かし合える関係性を築ける自分を信じ、彼女を信じた。
そして次の日の夜。ピコーンとメッセージがきた。
リケジョ「やっと言えました。社内の皆さん、残念そうでしたけど、快く送ってくれそうです。後は引き継ぎですね。」
僕はホッとした。彼女が本当の人生を歩み始めた瞬間だった。
それと同時に、とてつもない充実感を覚えた。
そして彼女は旅立っていき、様々なものを研究し、僕と同じように追及をしていった。
韓国・福岡と彼女は全国やアジアを転々としていった。
けっこん!?
さて、ここからはエピローグだ。
それからもたくさんのやり取りはあった。
そして僕が27歳となり理想のパートーナーもでき、今の職業であるハートトラベラーを始めた時期に、向こうにも彼氏ができたという話も、その頃に聞いた。
彼女はさらに大きく変わっていた。何が変わったって、「あり方」そのものが変わった。
木をイメージしてもらえるとわかるけど、根っこがビシッと張られていて、自分の言葉でますます話している感覚が出てきていた。
僕への呼び方も「西勝さん」から「かっちゃん」に変わっていた(笑)
そして、なんと、自分自身で事業をやるという。
リケジョ「かっちゃん、私マンガで教育を伝えたいと思って!」
「そっか〜上手だったもんね!マンガ。」
リケジョ「うん!今書きまくってる。超楽しみだよー!そう、あとね!」
「ん?何?」
リケジョ「私、結婚します!」
「・・・!!!!!!!!うそん!」
僕はそんな話を聞き、彼女が紹介すると言ってくれて、旦那さんにも会わせてもらった。
結婚式は身内の都合上、急遽行う必要があったため、行けなかったのだが少人数で幸せに行われたという。
僕は結婚式の写真を見て、本当に嬉しく思った。
何よりも嬉しかったのは、彼女のお母さんが喜んで笑顔でいるところだった。
結婚したからということではない、彼女が自分らしい人生を歩んで、幸せを掴んで行ったことに誇りを持っているような、清々しい笑顔を感じた。
そんな笑顔をフェイスブックで見ながら、僕はホロリと涙をした。
別に血も繋がっていない。
そんな仲だけど、20代前半という貴重な時間を一緒に駆け上がり、まるで家族みたいに色んなことを話し、癒し、励ましあったかけがえのない仲間だ。
彼女とはもしかしたら、これからの事業で一緒に何かをやるかもしれない。
何もやらないかもしれない。それは分からない。
だけれども明確に言えることは、絶対に裏切らないということだ。
そんな中、僕は彼女や色々な方とのやり取り、また勉強してきた教育を糧にして、世界でも数十人しかもっていない資格を最年少で取り、20代専門のコーチとして独立。
「心を自由に飛び回りながら旅を続けるライフスタイル」《ハートトラベラー》を職業として、活動を始めていった。
彼女とのこういった出会いがなかったら、今の自分がいないことは間違いない。
本当に彼女との3年間で多くのことを学ばせてもらった。
それが、今の相談者の方々の悩みへの解決に大きく影響を受けていることは、実は彼女にも言っていない。
より多くの仕事に悩む社会人や、独立をしたいが勇気がないという方々に、自分もますます、出会わせてもらうと思う。
そんな時に、僕は彼女とのエピソードを伝えていきながら、
絶対に諦めない・裏切らない関係性
を、たくさんの人たちと築いていこう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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