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15/3/14

お腹の中にいた時の、記憶の話

Image by Olia Gozha

24歳の頃の私は


枕元にカッターナイフを置いて


「これで、いつでも死ねる」と


自分を安心させなければ、眠りにつくことができなかった。


毎日、どうして自分なんかが生きているのか、わからなかった。


そんな暗闇の中、私はある記憶を思い出した。




あたたかい、黄金の光の中。


母のお腹の中にいた時のキオク。


温もりに包まれている、小さな小さな私が思ったこと。


「お母さんと仲良くなりたい。お母さんを安心させたい。私は元気だから、心配しなくていいよって伝えたい。そしてお母さんはそのままで、ありのままで素敵だよ、産んでくれてありがとうって伝えたい。」


ああ、そうだ。思い出した。

私、そう決意して生まれてきたのに。

このあり様はなんだ。

涙が、溢れた。


母は、私を産む前に一度流産していた。そして、統合失調症だった。


お腹の中にいた私は、母の不安な気持ちを常に察知していた。だからこそ、母を励ましたいと思ったのだった。


しかしながら。


産み落とされた瞬間に、その決意はすっかり忘れてしまった。





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