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15/3/16

「おはなしの記憶」のお話  ~職人パパが、娘と難関私立小受験に挑戦した話 第2話~

Image by Olia Gozha

15歳で中学を卒業。

20歳で独立。九州から、東京へ。自分の腕一本で生きてきた、職人。

そんな職人がパパになった。

娘に「よい環境、よいお友達との時間」を与えたいために、

考えぬいて、行き着いたのは、「お受験」への挑戦だった。

パパは、「お受験」のトビラを開けた。


【お子さん、お話、ちゃんと聞いていますか?】


小学校受験の科目に、「おはなしの記憶」というジャンルがある。

読み書きができない前提の幼稚園児なので、

いわゆる国語のテストを、

すべて、ヒアリングで行うといえば、わかってもらえるだろうか。


「くまさんが、森に行きました。

森で、はじめにりすさんに会って、どんぐりを3個もらいました。

次に、きつねさんに会って、クリを5個もらいました。

最後に、おおかみさんに会って、りんごを8個もらいました。」


「くまさんは、どこに行きましたか?」

おはなしと合っている絵に、丸をつけましょう。


山、海、森、花畑の絵の中から、森のところに、丸をつけると正解。

きつねさんから、もらったものは? で、クリが3個、5個、8個の中から・・・。

と、まあ、こんなのが、初歩の初歩。


まずは、このあたりから、練習するのだが、

もちろん、「真剣に」聞いていれば、できない問題ではないけれど、


そこは、5歳さん。


幼稚園から帰ったあとは、お昼寝モードだったり、

夕食あとは、満腹で、ぼんやり。

それじゃ、朝の登園前はといえば、元気すぎておちつきがない。


問題の難易度以前に、やる気にさせるのが、ひと苦労だ。

とくに、この、「おはなしの記憶」というのは、

読んできかせたり、CDでお話を流すのだが、

そのしばらくの間、お話に集中することが、むずかしい。


お話を聞いている最中に、窓の外にすずめが・・・とか、

お話を聞いている最中に、トイレに行きたくなる・・・とか。

もう、親の焦る気持ちなんて、お構いなし。


まあ、この年齢で、受験生の自覚があるわけもないわけで。

そこで、パパは言った。


「オレもいっしょにやる! 競争だ!!」

・・・負けず嫌いDNA(パパ)が、負けず嫌いDNA(あ~ちゃん)に、着火。


もちろん、パパの圧勝。

ただ、あ~ちゃんは、幼児教室で、

スムーズに、楽しく「おはなしの記憶」を身につけるためのレッスンを連続受講。

お話を聞きながら、それを絵に描いていったり、

お話を聞いた後で、それを絵に描いてみたり。

(この、聞きながら描くと、聞いた後で描く、を繰り返すことで、

かなり、イメージの絵画化が、5歳児の頭の中で、スムーズになるらしい)



そうすると、

「かおりさんは、家族でドライブに行きました。

お父さんが運転してくれました。

お父さんの後ろに、お兄さんがすわり、その隣に、妹が座りました。

助手席にかおりさんが乗りました。


公園に到着すると、お父さんとお姉さんはバドミントンを

おにいさんとかおりさんは、キャッチボールを

妹とおかあさんは、縄跳びをしました。


お昼になったので、おべんとうを、池の近くの大きな木の下で食べました。

おとうさんとおかあさんは、おにぎりを、

おにいさんは、ホットドッグ、

お姉さんとわたしは、サンドウィッチ、妹は、ドーナツを食べました・・・・」


「車の中のすわる位置で、おはなしと合っているものに、緑の△しるしをつけましょう」 


となる頃には、パパは、「もう、オレ、無理!」と、脱走。



あ~ちゃんは、そんなパパを横目に、「これだ!」と、

きらきらした目で、自信をもって、△をつけた。



・・・しかし、のクレヨンではなく、

よく出題に出るのクレヨンで書いた△だったりして、

詰めの甘さに、が~っくり。



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