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人生の醍醐味 308 キング牧師 9

Image by Olia Gozha

キング牧師  (9)


「月曜日の夜7時からバプティスト教会でストライキのやり方に関する集会を開くので、出席してください。」と、人々に伝えた。


「僕は興奮して、ほとんど夜も眠れなかった。翌日の早朝、パンフレットを手に入れるため、早めに教会に出向いた。  朝の11時頃には、若い女性や子供達が7,000枚ものパンフレットを、路上で配り始めた。」


「モントゴメリー区では、バスの問題が課題であった。 もし、バス不乗り運動前に、モントゴメリー区に訪問者が来たとすると、バスの運転手が黒人の乗客をニガーとか黒い牛と言った差別語で呼んだ。」


「黒人の乗客はバスに乗る時、運転手の側にあるバスの前の入り口から乗り乗車賃を払い、一旦降りて、バスの後ろの入り口から再乗車しなければならなかった。」 


「しばしば、 黒人がバスの後ろの入り口から再乗車する寸前にバスが、バス料金だけ乗せて発車してしまう場合も多かった。」


「その上、黒人はバスの中で例えバスの前方に空席があっても、立ち続けなければならなかった。」


「例え、偶然、全く白人客が誰も乗車せず、 黒人客だけが乗車していても、バスの前方4列は白人専用座席であったので座れなかった。」


「その上に、白人専用のバス席が白人客で埋まり、もっと白人客が乗車してくると、今までバス後方に座っていた黒人達は立ち上がり、白人達に席を譲らざるをえなかった。」


「万が一、その黒人が席を譲らなかった場合は、逮捕された。」


「日曜日の午後、忙しい仕事が終わってから、自宅に帰り座って新聞に目を通した。 バス不乗り運動に関する大きな記事が出ていた。  記事の行間に滲み出ているのは、人種差別を標榜する白人達の審議会の手法を、黒人達も応用していると言ったトーンだ。」 


「その記事を読んだ結果、真剣に我々のバス不乗り抗議運動の本質に関して考えを巡らせた。」


「今までは、批判もせずに鵜呑みにして、その抗議運動が最善の方法であると受け入れていたが、疑いの心が沸き起こり始めた。」


「我々の抗議運動は本当に道義に適ったものであるだろうかと真剣に考え直してみた。 抗議運動のやり方は、キリスト教の教義に反する考えでないかも熟慮した。」  


「問題を解決するための手段として、否定的過ぎないかについても考えを巡らせた。」


「万が一、 白人達が属する市民団体の審議会と同様の手段を利用しているとすれば、例え、その抗議運動の結果良い結果が得られても、非道徳な手段で勝ち取った道徳的目的が本当に理に適った事であるかについても悩んだ。」


「このような多数の疑問点に対して、正直な答えを探し求めた。」


「キリスト教の原理に反し、道義に反する白人審議会のやり方は、黒人市民並びに良心的な白人の、基本的な日々の生活に必要な要望を無視するものであった。」


「僕は呟いた。 これから我らが実行しようとしている抗議活動を、それと同様に解釈されたくなかった。」 


「我々の目的は、彼らのそれと全く違うものだ。 我々はこの手段を用いて、社会の正義と自由を獲得するのが目的だ。」


「我々の目的は、バス会社を破産させる事ではなく、正義をビジネス界にも導入するように働きかけるのが目的であった。」


「よくよく熟慮した結果、我々の抗議運動は、ただ単にバス会社の仕事を冷えあがらせる為ではなく、あくまで、間違った悪い制度に対する協力を止める事だと悟った。」


「バス会社は社会制度の表向きの表現でもあるから、抗議運動は、現実にバス会社の経営に悪い影響を与える事は避けられないが、基本的な目的は、間違った悪い制度に抵抗することなのだ。」


「市民的不服従運動(良心にもとづき、従う事ができないと考えた特定の法律や命令に非暴力的手段で、公然と違反する行為である。 ーー  ウィキペディア)ついて考えた。」


「我々がモントゴメリーでしようとした事は、白人の市民の方々に、ただ単に、我々はもはや悪い間違った制度に協力出来ないと態度で示すだけなのだ。」


「その時から、我々の活動は悪に対する非協力であると確信した。」





この考え方はいろいろな場面で応用できると思った。  


日本は、実際急速な高齢化社会到来故であるとは思うが、年齢差別が日本の、40代50代と言った影響力のある知識階級に属するような人々が、大声で誰に遠慮をするのでもなく、老害と言った事を言い、高齢者を社会の邪魔者扱いにしているのを、ユーチューブの座談会等できき、ショックを受けた。


もちろん、高齢だけで社会に甘えてしまうのは正しくない。 若年層であれ、若いと言うだけで社会に甘え過ぎるのも間違いだ。  


どんな年齢であっても、出来るだけ自立して、社会の重荷になる事は避けようと最善を尽くすのが正しいとは思う。


誰でも、この地上に現れた人は死ぬ運命にある。


また、運良く寿命を全うできた場合は、誰でも高齢者になる。 そうであるから、自分が今若いと言うだけで、 現在の高齢者を見下すと、後で自分がしっぺ返しを受ける可能性が大きい。


昔のように、ただ儒教精神を発揮して、闇雲に年齢がいっているだけで、尊敬する必要はない。  

どの年齢層に対しても、出来るだけ平等に扱う努力をする事で、より良い社会が構築されるのではないだろうか。






参考文献  自伝 マーティン ルター キング牧師

編集者 クレイボーン カーソン

 (Clayborne Carson)




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