☆滅ぼし物語☆2期
第2章
フィリニアの過去を終わらせるべく、ソルは再び不思議な世界へと入る。ソルとハルトは光の扉を抜けて広い草原に着いた。その後、大きな音とともに再び動き出した時間・・・。ソルたちはとりあえず街を探すことにして草原の道を進み始めた。
この物語は不思議な世界に再び入りこんだソルが過去を旅するストーリーである。
1話(道の先に)
辺りがハッキリ見えるようになった道を歩き続けるとうっすらとトンネルが見えた。
ソル「ハルト、あそこにいってみるか。」
ハルト「そうだね」
話しをしつつ歩き続けてトンネルの近くまで来た。人間2人が同時に通れるようなトンネルで、その先からなにやら寒い風が吹いている。
ハルト「ちょ、この奥どうなってるんだ?」
ソル「行ってみないとわからないから。あ、もしかしてハルトびびってるのか?」
ハルト「違うから。興味が湧いただけだしw」
ソル「なら、行こう。」
ソルはトンネルの中へと進みだし、ハルトはその後ろを歩く。やがてトンネルを抜けると寒い風の正体が明らかになる。
ソル「雪が降ってるぞ!」
ハルト「まじかよ〜。俺は制服だぞ!」
ソル「自慢気に言うなよ。ま、俺は家で着替えてあるから問題ないけどな」
ハルト「お前、以外とずるいやつだな」
話している最中、雪は段々強くなって道を雪が塞いでいった。
1話 完
2話(雪が降る街)
ソルとハルトはひたすら雪道を歩いた。しかし、街らしき影は見えなかった。
ソル「おかしいな・・・俺たち迷ったのか?」
ハルト「冗談は止めてくれよ〜」
そんな時、後ろから人影が見えた。その人影は段々こちらへと向かってくる。
???「あの・・・どうかしましたか?ここにいたら風邪引いてしまいますよ」
ソル「道に迷ってしまったみたいで・・・ここから近い街はどこですか?」
???「そこの道をあと200m程 歩いた先にマルーナ街がありますよ。よかったら一緒に来ますか?」
ソル「じゃあ、お言葉に甘えますね」
ハルト「ちっ、急に丁寧になりやがって・・・」
出会ったのは髪が黄色のロングヘアーの女の人だった。眼鏡をかけていて、優しそうだ。
ソル「お名前は?」
???「マルーナ街に着きましたよ。私はこれで失礼しますね」
名前を言わずに立ち去っていった。マルーナ街は一年中、雪が積もっている街らしく、当然ながら気温はマイナス4度くらいだ。
ハルト「し、死ぬぅ!」
ソル「落ちつけよ。俺だって寒いんだからな」
ソルはお金を持っていない。宿を探しても意味はなく、ソルとハルトは街の中を彷徨うように歩いた。
ハルト「俺、もう眠いよ。」
ソル「おい、街の中で死ぬとか凄いカッコ悪いぞ」
ソルはハルトの顔に平手打ちをする。鈍い音を立てながらハルトは眠気を飛ばした。
ハルト「おい、酷いな。」
ソル「仕方ないだろ」
寒い街の中を歩き続けると大きな建物が見えた。
2話 完
3話(魔法学園)
ソルとハルトはもう歩く体力は残っていない。仕方なく、丁度見えた大きな建物に泊まらせてもらえるようにチャイム?を鳴らした。
(チャラララ)
ソル「誰かいませんか?俺、いや、寒くて死にそうなんです。中に入れて下さいませんか?!」
そうするとドアの開く音とともに1人のおばあさんが現れた。杖に帽子と本を持っており、魔法使いだと確信する。
アラウネ校長「いらっしゃい。ここは寒かったろう。では自己紹介をしましょう。私はここ、マルーナ魔法学園の校長をやっています。以後、お見知り置きを」
ソル「俺、いや、私はソルです。」
ハルト「ハルトです。」
ソル「ふぅ〜ん、ハルトも丁寧にできるのか〜(ボソッ)」
アラウネ校長に案内され、校長室に入る。そして暖かいお茶を出してくれた。
ソル「ありがとうございます。」
ハルト「サンキュー」
ソル「さっきのはまぐれか(ボソッ)」
暖かく優しい雰囲気の部屋はソルとハルトの気持ちを落ち着かせてくれた。外の寒さとはまるで格が違う。
アラウネ校長「で、あなたたち。なにしにここへいらしたのですか?」
ソル「は、はい...それが」
その時、ソルの頭の中に言葉が流れる。
(本当のことは話してはいけません・・・)
ソル「ん?」
アラウネ校長「どうしたのですか?」
ソル「実は長旅で食事にありつけておらずに彷徨い続けてここに辿り着きました。」
話すとアラウネ校長は分かってくれたらしく。食事と部屋を貸してくれることになった。
アラウネ校長「一応ここは女子しか生徒はいません。変なことをした場合は出ていってもらいますから」
ソル「あ、はい」
ハルト「部屋ってどこだ?」
アラウネ校長「そうですね。では、フィリニア!この人たちを空き部屋へ案内してあげて」
ソル「?!」
ソルはフィリニアの名前を聞き、言葉が出ない。そうすると校長室の扉が開き、髪が黄色のロングヘアーの女性が入ってきた。
3話 完
4話(若きフィリニア)
ソルとハルトはフィリニアに空き部屋まで案内してもらった。
(バタン)
フィリニア「また会いましたね。そういえばあなたたち服、濡れてない?」
ソル「ん、雪が溶けて濡れた・・かな」
ハルト「そうなんっすよ」
ソル「黙れハルト!なにも言うな(ボソッ)」
フィリニアは空き部屋の服が収納されているスペースから服を取り出す。
フィリニア「これでいいかしら」
フィリニアが取り出してくれたのはここ、マルーナ魔法学園の制服だった。(女子用)先ほどアラウネ校長が話した通りここは女子しかいないためか男性用の服は置いてないらしい。
ソル「いや、俺は遠慮するわ。ハルトが着るよ」
ハルト「おい、なにいってる!」
フィリニア「ん〜。早くして下さい」
ソル「いや、でも・・・」
ソルはハルトとマルーナ魔法学園の制服をどっちが着るか口論を始める。制服はシンプルで黒いローブに赤のリボン。
ソル「俺は無理だわ。剣士だから」
ハルト「それ理由にならなくね?。じゃ、ソルに決定だ。」
ソル「返答から決定に持ち込むなよ!こうなったら・・・」
ハルト「なったら?」
フィリニアは口論しているソルとハルトを見てクスクスと笑っている。少しの時間が流れ、ソルは答えを出す。
ソル「フィリニアに決めてもらおう。これなら文句ないな」
制服は一つしかないので、ソルはほっと一息を吐きつつハルトの返事を待つ。
ハルト「仕方ない。それでいい。」
フィリニア「わかりました。では、あと1着借りてきてお二人に着て貰いましょう(笑)」
ソル&ハルト「なんだとぉ〜(ボソッ)」
フィリニアは空き部屋から一旦離れていった。ソルとハルトはどうしたら着なくて済むか話し合いを始める。
4話 完
5話(口論の行方)
フィリニアが部屋にいない間、ソルとハルトは話し合いを始めた。
ソル「こうなるとは思わなかった」
ハルト「・・・どう切り抜ける?」
ソル「そうだな・・・じゃあもう寝よう!」
ハルト「いいのかそれで?」
眠り始めようとしたらフィリニアが部屋に戻ってきた。先ほど言ってた通り、制服を2着持ってきていた。
フィリニア「着て下さいね」
ソル「あ、ごめん。俺たちはもう眠いから」
ハルト「そうそう!もう寝るとこなんだよ」
フィリニア「そうですか・・・ならお風呂くらいは入っては?」
ソルとハルトはこの街に来て寒さにやられており、仕方なく承諾した。
フィリニア「お風呂場に案内しますね〜」
ソル「お願いします。」
空き部屋を出て5分程歩くとお風呂場に到着した。その側に女湯の看板が見えた。
ソル「そうだった・・・やっちまった(ボソッ)」
ハルト「ソル、どうすんだよ。これ(ボソッ)」
フィリニア「私は自分の部屋に戻っていますのでごゆっくりどうぞ。あと、30分程したらここの生徒が一斉に入ってくる筈なのでお早めに上がって下さいね」
ソル「・・・わかった。」
ソル「よっしゃ。安全だ。(ボソッ)」
フィリニアは自分の部屋に戻ると、俺たちは急いでお風呂に入った。
5話 完
6話(ある意味で危機)
ソルとハルトは頭から身体へと洗うと急いでお風呂を出て、着ていた服に着替える。ソルの服はあったが、ハルトの天野沢高校の制服が見当たらない。
ソル「早くしろ。ここは危ない」
ハルト「でも、俺の制服がない!!」
戸惑うハルトは制服を必死に探していたらフィリニアの置き手紙を見つけた。
「汚い服だったので捨てときました。この手紙の横にあるマルーナ魔法学園の制服着て下さい。」
(フィリニアより。)
ハルト「ふざけんな!人の服を捨てるなよっ!うわぁ〜〜!!」
ソル「落ちつけ。制服くらい買えばいいだろ。いまは着てここを離れよう」
ハルト「冷静にスラスラと判断するなよ・・・しかも着なきゃいけない前提かよ」
お風呂場の外からガヤガヤと足音が近づいてくる。どうやら学園の生徒は午後の授業が終わってから風呂に入るらしい。
ソル「マジでやばい。頼むよ!」
ハルト「くっ!仕方ないな。後で絞めるからな!」
ハルトは仕方なくマルーナ魔法学園の制服を急いで着た。ソルは普通の服だったので捨てられずに済んだ。
ソル「行くぞ」
お風呂場を離れたとき丁度、学園の生徒とすれ違った。
女子生徒A「今日の授業厳しかったね〜」
女子生徒B「うん。ちょっと難易度高かった。」
女子生徒5人程がお風呂場へと消え、その場を間一髪で離れることができたソルとハルトは部屋へと急ぎ足で戻った。
6話 完
7話(寒い夜)
部屋へと無事戻ったソルとハルトはほっと一息をついた。
ソル「ハルト、似合ってるぞ(笑)」
ハルト「死にたいのか?(笑)」
ソル「でも、制服を捨てられたということはこの状態がちょっと続くかもな」
ハルト「ねぇ、服を交換しよう(怒)」
ソル「断る!断固拒否する!」
話しは30分程続いた。話しが終わった時、部屋にフィリニアが入ってくる。
フィリニア「湯加減はどうでしたか?中々良かったでしょ?」
ハルト「おい、俺の服を本当に捨てたのか?」
フィリニア「あ〜、古そうでしたのでゴミだと思いました。...もう燃やしてしまったのでお返しすることは難しいかと・・・」
ハルト「う、う....もう寝るよ」
ハルトは布団を敷いて潜り混んで眠りについた。
ソル「色々ありがとうございます。」
フィリニア「いえいえ、そういえばあなたたちはこの学園になにをしにきたんですか?」
ソル「...長旅で倒れそうだったからちょっと立ち寄った。」
フィリニア「そうでしたか。では、ゆっくり休んでいって行って下さい。私は部屋に戻ります。なにかあったら来て下さい。」
フィリニアは空き部屋を後にした。部屋はソルとハルト2人だけになり、ソルも寝ることにした。
深い眠りについた時、なんだか寒い感覚が襲ってきた。ソルは布団を握りながら必死に耐えた。
7話 完
8話(朝を迎えて)
あまりの寒さにソルは布団から出ると、朝になっていた。ハルトは先に起きて布団をたたんでいた。
ハルト「起きたか。これからどうするんだ?」
ソル「もう少しこの街に滞在する。フィリニアのことについて気になることがあるんだ」
ソルも布団をたたんだ。そうすると部屋のドアがコンコンと鳴ってフィリニアが入ってきた。
フィリニア「おはようございます。よく眠れましたか?」
ソル「まぁ....はい」
フィリニア「朝食の支度が終わりました。やることが終わったら来て下さい。食事室の場所はお風呂場へ行ける直線の廊下の奥にあります。」
一言いうとフィリニアは部屋から離れた。ソルとハルトは軽く身の回りの整理をすると部屋を出て食事室へと向かった。
ソル「ハルト、大丈夫か?昨日は散々だったな。」
ハルト「そのことは忘れたいんだ。いじらないでくれ」
歩いていると食事室に到着した。入ってみると女子生徒が8人程いた。その中にはフィリニアもいた。
ソル「ここが食事室...凄い」
マルーナ魔法学園の食事室は綺麗な雰囲気にお花の匂いが薄く漂っており、気持ちが落ち着く。
フィリニア「待ってて下さい。朝食をそちらに運びますので椅子に座っててね」
ソル「あ、ありがとう」
ハルト「さ、サンキュー」
ソル「普通にお礼言えよ。(ボソッ)」
フィリニアは焼いたパンとマーガリン。コンソメのスープを持ってきてくれた。ソルとハルトはそれを美味しくいただき、部屋へと戻った。
8話 完
9話(謎の地震)
部屋へと戻ったソルとハルトは短い会話をしつつ、学園の外に出る。やはり雪が降っており、肌寒かった。
ソル「ふぅ、街を見回るか・・・あそこにいたらなにがおこるのやら」
ハルト「まったくだよ、人の服を燃やすとか酷すぎるだろ」
ソル「忘れるんじゃ?」
ハルト「あ、そうだったな」
お金は1円も持っていない。なので、20分街の中を散歩してマルーナ魔法学園に戻った。
ソル「ハルト、風邪引くぞ。早く入ろう」
その時!地震が発生した。地が大きく揺れ、学園内にいる生徒がパニック状態になる。
女子生徒A「キャー。なに、なに?!」
数分の間、揺れは続いた。収まると外に生徒と先生たちが出てくる。
アラウネ校長「皆さん、落ち着いて下さい。この地震は恐らくモンスターの仕業。なので、倒しに行ってくれる方はいますか?...場所はマルーナ街の地下水道の奥地、少々危険かもしれません。」
フィリニア「私がいきます。」
アラウネ校長「そうですか。フィリニアなら安心出来ますね」
ソルはその話しを聞き、自分も行くと言った。しかし、アラウネ校長は困った顔になる。
アラウネ校長「あなた、戦いは出来るのですか?」
ソル「あぁ、一応 剣士だからな。」
そういうとアラウネ校長は許可をしてくれた。雪が落ちる速度は次第に早くなり、吹雪となった。
ハルト「俺はどうしたら?」
女子生徒A「俺?もしかしてあなた・・・」
ハルト「?!あ...私はどうしたらいいのでしょうか?」
ハルト「なんで隠す(ボソッ)」
アラウネ校長と学園の生徒、ソルとハルトは一旦学園内に入った。そこからフィリニアとともに空き部屋へと向かった。
9話 完
10話(作戦会議のあと)
空き部屋にフィリニアとソルとハルトの3人になると、作戦会議が始まった。
フィリニア「モンスターはマルーナ地下水道の奥地にいます。ここに行くためにはまず地下へと向かわなくてなりません。地下へ続く階段がこの学園にあります。そこから地下水道へと入り、約一時間歩いて奥地に到着ね。」
ソル「説明ありがとう。でも俺の剣は錆びているからどうしよう...あとハルトは武器持ってない」
ハルト「じゃあどうすればいい?」
ソル「ハルトはここに残れ。すぐに戻るから」
ハルトは不満そうな顔になったが、残ることにしてくれた。
フィリニア「私がその剣を錆びていなかった頃に戻しましょう。」
ソルの手から剣が離れ、フィリニアが魔法を唱えて剣が光に包まれた。
ソル「す、すげぇ」
フィリニア「はい、どうぞ」
剣は魔法で新品になって戻ってきた。錆びは消え、斬れ味も元通りになっていた。
フィリニア「では、出発しましょう」
ソル「あぁ、じゃあハルトここで待っていろよ」
ハルト「なるべく早くしろよ...」
フィリニアは魔法の杖を持ち、ソルは剣をしまった。空き部屋を離れ、マルーナ魔法学園の地下水道に続く階段へと向かう。
10話 完
11話(地下水道へと...)
ソルとフィリニアは、学園の地下水道へと続く階段に到着した。
フィリニア「モンスターは奥に進むにつれて多くなるわ。気をつけていきましょう。」
階段を降りるとそこは暗闇だった。フィリニアは魔法を唱え、ある一定距離を赤い光で照らす。
(タッタッタッタッ)
ソル「フィリニア、魔王がいるのは知っているのか?」
フィリニア「えぇ、でも何故それを?」
ソル「いや、なんでもない。先を急ごう。」
地下水道の道を歩き続けていると、広い空間に辿り着く。
フィリニア「ここの階段から奥地へと行けるわ。」
階段は広い空間のちょうど真ん中にあった。フィリニアが先頭で階段を下っていく。ソルはフィリニアの後ろをついていった。
(コツコツコツコツ...)
階段を降りると再び奥が見えない道になった。その道を進んでいると、モンスターの気配を感じた。
ソル「モンスターがいるな」
フィリニア「私たちの敵ではないですよ」
(ポタッ!ポタッ....)
水滴の落ちる音を聞きながら奥へ奥へと進んでいく。そうすると、目の前にモンスターが現れた。
ソル「来たなっ!」
ソルとフィリニアは武器を持って戦闘態勢に入った。ソルは剣を握るのを懐かしく感じつつ、戦闘に集中を高めた。
2章 完