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15/1/29

自閉症スペクトラムの私が生きる世界(1)

Image by Olia Gozha

波瀾万丈の人生を歩みながら・・・


はじめてのピアノ・レッスンの生徒さんが自閉症だったり、


自分が、アスペルガーのような気がしたり、


自分がADHDやHSPのような気がしたり、


そんな事があって、


自閉症やアスペルガーや、ADHD、HSC・HSPのことを、
調べているうちに


なんと!


自分のあのころの状態は、自閉症そのものだったとか、


あの状況はアスペルガーの対応だったとか、


この癖は、ADHDの特徴そのものだとか、

私HSCだったんだとか

いろんなことがわかってきました(笑)。





そして今、私は、自閉症や、アスペルガー、発達障害、
ADHDやHSCの子どもたちや


その親御さんたちと、いろんなところで関わっています。



自分自身が、幼いころから、感じてきたことや思っていたことを、


お話したりすることで、親御さんたちが、安心したり、


子どもたちとの関係の取り方を考えたり工夫したり、


また、子どもたちの気持ちを


理解したりする助けになっていることがわかってきました。


当事者や、その家族のために、どうしていいのかわからなかったり、


困っている人のために、自分のことを書いてみたいと思いました。



この私のストーリーが、少しでも、みなさんのお役にたてたら幸いです。








小学校に上がるまでの私は、こだわりがとても強かったと聞いています。


同じものしか食べなかったり、同じ行動を繰り返したり、


同じことを何度も聞いたりしていたようですが、


その時の私の気持ちは、そうしないと、落ち着かなかったからです。




そうしないほうがいいということは、何となくわかっていましたが、


そうしないと不安で、怖くてたまらなかったのです。


だから、そうせずには、いられませんでした。


また、何度も聞いてしまうのは、聞いたことを、


すぐに忘れてしまっていたからだと思います。


この感じは、大人になった今も、残っています(笑)




同じことの繰り返しについては、


自分の中で、恐怖が安心へかわるまで、続いていたと思います。


例えば、幼稚園バックの中にいれるものを、


何度も何度も繰り返し、出しては見て確認し、


またしまうということを、出かける寸前まで、やっていたそうですが、


それは、自分にとって大切なものが、


バックの中に、ちゃんと入っているかどうか、心配だったからです。




私にとって大切なものは、タオルでした。


手洗いのときや、歯磨きの時に使うタオルです。


タオルや、洋服については、肌触りや、手触りがとても気になって、


自分で大丈夫だと思えるもの以外は、使うことができませんでした。


なので、自分の大切なタオルが、幼稚園のバックに入っていないと、


不安で仕方なかったのです。


この名残りも、タオルフェチな私という特徴として残っています(笑)!



そうやって、何度も確認して、バックのチャックをしめるのですが、


入っていたかどうかをすぐに忘れてしまうので、


また、開けて確認するということになります。


これが、永遠に繰り返されることになるのです。


気になったら、気にすることをやめることができませんでした。






小学校に行きはじめた時には、


茶色のワンピースがお気に入りで、毎日その服を着て行きたがりました。


そのワンピースがないと、学校に行きたがらなかったので、


母は、どんな日も、帰ってきては、そのワンピースを洗濯したそうです。


大変だったと思います!



私が毎日、そのワンピースを着る理由は、


そのワンピースが好きだからと言ったそうですが、


どうしてこの服が好きなの?と、母が聞いた時、


つるつるでふわふわしているのが好きと答えた私の言葉に


もしかして、肌触りかもしれないと思った母は、


同じように、ふわふわでつるつるの洋服があるから買いに行こうと


私をつれて、洋服屋さんに行ったそうです。


そして、無事に、このワンピース事件は解決したそうです(笑)。


よかった(笑)。



こうやって、こだわることにも、ちゃんと理由があります。


そして、それは、たいてい、


そのものが、自分のところから、


なくなったらどうしようという不安や恐怖から来ています。







そして、この頃の私の最大の苦しみは、


「言葉」と「映像」でした。


「言葉」は聴こえ続けていました。


返事をしない私が、何も聞いていないように感じた母は、


私に何度も同じことを繰り返し言っていましたが、


私はその「言葉」をエコーのように、


何度も反響している音のように聞いていました。


そして、それに苦しんでいました。



たぶん、聞いて話すというキャッチボールのようなことができませんでした。


話すときは、同じ「言葉」を何度も繰り返し、言い続けてしまいます。


人と話すときもそうですが、自分で話している時でも


自分で話している「言葉」を聞き、聞きながら「言葉」を言うことが


とても苦手でした。


だから、自分としては、聞き続けるか、話し続けるしかなかったのです。


このことは、とても長い間、私を苦しめました。


そして、私は、聞くことを選んだのです。


話すことをしなくなった。


話すことと、聞くことを、同時にすることが


とても、難しかったのだと思います。






そして、私には、いろんな記憶が、映像として蘇っていました。


匂いで記憶が蘇った時も、以前いった場所にまた行った時も、


映像が蘇ります。


そして、それが、すべて「今」のことのように思えるのです。


今で言うと、パラレルワールドを、同時に生きている感じです(笑)。


たぶん、時間と空間の観念が、人とは違っていたんだと思います。


1年前に来た場所に立つと、1年前の映像が蘇り、


それが、今なのか1年前なのかわからなくなる・・・。


大好きな花の匂いを嗅ぐと、以前同じ匂いを嗅いで幸せだったところへ


意識は飛んでいってしまう・・・といった感じでした。


なので、話が通じなかったり、名前を呼ばれても返事ができなかったり


何考えてたの?と言われても、うまく説明できなかったことが


よくありました。



聞かれたことに、答えられなかったり、


映像がだぶって、どこにいるのかわからなくなったりすることには


毎日、とても苦しんでいました。




次回は、パニックになる私の心の中のことについてお話します。



最初の連載ストーリー「天と地の間に生きて*現実とスピリチュアルというふたつの世界を生きていく苦しみと喜び」(全5回)はこちらから。





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