日本に戻ってもう一度考えてみた。
でも、自分の決心が変わる事は無かった。
紙一枚で結婚できる日本とは違い、
国際結婚のハードルはそれなりに高いと思う。
でも、別れることを決めた理由は
彼女と自分の二人のあいだの問題で
特別フィリピン人だからという訳ではない。
ただ、結婚式をキャンセルしたことで、
彼女に対する風当たりが強くなったのは事実。
「フィリピン人の彼女だから」という
形容詞が付くことに、正直、閉口した。
反論すればするほど、
周りが見えなくなっていると言われた。
「日本人の彼女のほうが幸せ」
何の根拠もない理屈が、未だに
一般的な考えなのだと言うことも解った。
フィリピンに行った事もないくせに...
彼女は、あの場所に居た方が
幸せなのかも知れない。
愛情を持ったファミリーに囲まれ
ダバオのゆったりした環境で育った彼女を
ひとり日本に連れてくることは
できないと思った。
日本に戻って一週間後、
彼女と電話で話しをして
ふたりの終わりを告げた。
彼女は無言で電話を切った...
Facebookのメッセンジャーで、
野郎たちとも話しをした。
彼女とは別れたこと、
結婚の約束が守れなかったことを
謝った。
「で、次はいつ来るんだ?」
「あの~彼女と別れたって言ったよね?」
「みんなが、また一緒に酒飲みたいってさ!」
「おれの説明解りづらいのかな?」
「えっ?彼女の存在、関係ないの?」
「まいったな ^_^;」
気付けば、彼女と連絡が途切れて
もうすぐ1年が経とうとしていた。
連絡が無いということは、
彼女なりに新しい人生の選択をして、
前に進んでいるのだと思っていた。
そんなある日、
Skype にメッセージが届いていた。
「konbanwa」
彼女だった…
返事をするかどうか、少し迷った。
「げんき?」
「まぁまぁね」
「何かあったの?」
「あなたは新しい彼女できた?」
「まだ」
「そうか」
「あんたは?」
「恋人できたよでも、ケンカばっかり」
「がんばりなさい」
「うん」
こうして、ときどき、彼女と
また話しをするようになった。
「彼氏に別れるって言った」
「えぇ、また?このあいだ新しい彼氏できたって言ってたばっかりじゃん!」
「もう、つかれた!」
「あんた、ほんとに男運無いねぇ~」
「otokoun?otokoun no imi ha nandesuka?」
「男運の意味はねぇ・・・」
また、友達として...
そして、野郎どもは
「Ah ok pni.your cme back n plpnes ?」
「分かったよ~!」
もう少し、歳とったら
あの時の話を酒の肴にして
一緒に飲みに行こう…

彼女に会って5日で婚約して
結婚しなかった話は
これでおしまい。
おまけは、その他もろもろ。
フィリピンに行って体験したこととか。
フィリピンに興味が湧いた人向けかな。