top of page

15/1/4

好きな仕事を理不尽に奪われた感覚、そこから

Image by Olia Gozha

ここ数年、仕事に対して本気になれない自分がいます。何だか冷めてしまっている自分がいます。

以前は余計なことでも平然とやっていたのが、最近ではそれを避けようとすることもしばしば。

…昔はこうじゃなかったのに。一体どうしてしまったのだろう。


自分が変質していった原因を突き詰めると、それは一つしか思い当たりません。

これはその時のお話です。



数年前、私は小さなITの会社に入りました。自社ではなく、他のところに出向して作業を行うスタイル。実質派遣ですね。そう言わないだけで。

入社して最初に私が行ったのは携帯電話基地局に関する現場でした。仕事内容の詳細は割愛しますが、結構楽しくやれていました。

チームの雰囲気も良かったし、新しいことでも自由にやらせてもらえました。

後で母から聞いた話なのですが、当時の私は傍目にも楽しそうだったようです。

ともあれその場で私は前向きに仕事に取り組んでいました。ここでもっと上のポジションに行けたら良いな、そこの社員として登用もありかもと夢を見ながら。


ですがそれは叶いませんでした。突然の契約終了の通告。

そこではある時期に大量に人を集め、一気に切ることがよくあったらしいのですが。

その中の1人に自分もカウントされていた訳です。

正直な話、「何故自分が?」と思いました。

仕事はきっちりやっていたし、むしろ必要以上に貢献していた自負があった。

それなのに何故? ひどくないか?と。

しばらく呆然としてしまった覚えがあります。

しかし結局は別のところへ行くことを了承せざるを得ませんでした。

もっとそこにいたかった、そんな思いも虚しく。

大好きな相手から突然別れ話を切り出されたような感じでしょうか。


そこから自分の心に、「がんばってもしょうがない」「余計なことはしないで人の言うことを聞いていよう」と言った感情が巣喰っていったように思います。そんな自分をイヤだと思いながらも。

自分の好きなものを外部の要因だけで奪われた、そんな挫折感はこれが初めてでした。

ショックが大き過ぎて受け止めきれなかったのかもしれません。それがずっと残っていたのでしょう。



今日メンタルトレーニングとして、久々にこの一件及びその時の感情と向き合いました。

怒りや悲しみ、悔しさや絶望感など様々な感情がそこにはありました。

そしてひどく泣きました。涙が溢れ出てきました。

もう楽しかったあの頃には戻れないこと。別れを受け入れるしかないことに。


と同時に、熱くがんばっていた自分、熱くさせてくれたあの職場に感謝のような気持ちも湧いてきました。さらには誇らしい気持ちさえも。

一つの過去に区切りをつけた今、改めて自分の理想に向かってみようか、そんな感覚です。



この話が理不尽な目に遭った皆さんの、そこから這い上がる助けになれば幸いです。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page