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瓦礫に埋もれた 記憶
痛く 突き刺さる
あの頃 子供の頃なんて
手で掴める物を探していた
散漫な意識に 話なんざ 蚊帳の外
手足振って 今日は何処へ行こう
上の空 歩く
気付く そして 空見上げ嘆く
何故 急ぐように 話に耳を傾けず
雨風 凌ぐように 壁を立てかけたのか
無情な 無垢さの過失
足し算にも 引き算にも
遷ろう人の時間
儚い命は 海辺の砂城
月日 重ねるごとに
増える 出来ない事リスト
拍子に思い出される
父が好きだった
あの歌を おぼろげながらに 鼻でなぞる
母が作ってくれた
あの食事を 思い出し 違う箸をつまむ
拍子に思い出す
友と語り明かした
あの日々を 今日は 酒で流し込む
彼女が囁いていた
あの言葉 風にのせ 口ずさむ
どうしても どうしても
祖父、祖母
貴方達の御教授を
繰り返し 思い出そうとしているのに
思い出せずにいる
若さは 川を上る
振り返り 流してしまった モノに気付く
あぁ、人の時 出会いの時の脆さよ
ずいぶんと 遠くまで追いやったものだ
それで良かったのか それは分からない
そこに 愛はあったのか
愛をもって過去を上って来たのか
波よ 砂と共に
想いを 流し 届けてくれないか
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