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14/12/8

おばさんと無農薬レモン その5

Image by Olia Gozha

この夏亡くなったおばさんの日記に、わたしのことが書いてあると連絡をもらった。

おばさんの息子さんからの電話だった。


今年のレモンはまだ青みがあるから、黄色くなってから声かけたほうがいいのかな?

そう思いながらおばさんの日記を開いたら書いてあったそうなのだ。


組合のお嫁さんじゃなくて、わたしとしておばさんの中に存在できたようで嬉しかった。


気前のいいおばさんは畑の帰りに会った人や、友達の家に寄って、作物をわけていた。

「わたしはゴーヤ」「わたしはサトイモ」「わたしはみかん」

野菜や果物を見るとおばさんを思い出す人がたくさんいるのだ。

それぞれの口からおばさんとの思い出が飛び出す。

みんなおばさんと過ごした時を胸に持っているのだ。

もちろん わたしも。


毎日朝と晩に畑に行ってたおばさんは、畑の帰りに倒れて亡くなった。

90歳だった。

前日うちに寄ってくれたときに、

「わしゃ最近腹が痛くて。ここんとこアリナミン飲んでるだよ年だししゃあないし。」

「えーっ、おばさん、元気でいてよ。」

そんな話をした。


レモンをつくってる人がレモンに誇りを持つにはなにができるか?

レモンを必要な人に届けるにはなにができるか?

こたえはないし、こたえにむかうものでもない。

今も日々やれることをしてる。


レモンをとおしておばさんと関われてよかった。

おばさんみたいに周りの人から愛されて、大往生できる人生って素晴らしいと思う。

それにむかうことたえももちろんないけれど、日々やれることをやって、起こることを受けいれて生きていこう。







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