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14/12/2

おばさんと無農薬レモン その1

Image by Olia Gozha

海辺の、山と山の間のちょっとだけある平らなところに住んでてね、

子どもの気の向くまま、細い用水路わきや山の斜面や一面草が生えてるところを散歩してるうちに

レモンがあっちこっちになってることに気づいたの。

あっちこっちにすずなりよ。

その昔、人間が楽園に住んでたころってこんな感じかな。

すずなりのレモンを見るたびにそう思ってたの。


あたたかい季節になって、レモンが採られることなく地面に落ちてるのを見たの。

レモン採らないの?食べないの?

あのレモンでケーキ焼いたらどんな味かなあなんて思ってたから、豊かに実ったレモンが落ちてるのはショックだった。


ある日、組合のおばさんが

「こんなぼっこで悪ぃけど、あんたレモン食べるかね?薬をかけにゃあから皮もつかえる。」

ってレモンをくれたの。

もう、うれしくて、ケーキに焼いておばさんに届けたの。

「おばさんんちレモンが美味しいから、美味しいケーキが焼けたよ。」って。


そしたらおばさん目を細めて、すごく喜んだ。

次の日、またおばさんからレモンをもらった。

「あんたのケーキがうまくて、わっちはみんなひとりで食っちまった。」

22cmのシフォンケーキまるごとひとつだよ。

「ぼっこだけど、あんたにレモンやる。薬をかければ出荷してやるって言われるだけど、わっちは薬かけにゃあから売れないだよ。」


ぼっこかあ。

ぼっこダメかな。





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