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【フランスの森の中①】上裸でドレッドな妻子持ちヒッピーと、廃バスの中で成立した英国人カップルたちと、テントの中で「人間失格」を読みふける僕(19)と、時々犬連れてるおっさん。

Image by Olia Gozha

Aide-moi de construire notre château!

たしかこんな一文だったはずだ。直訳すれば「私たちのお城を建設するのを助けてくれ!」という感じであり、つまりは「家作るの手伝って」的な意味である。きっかけはとあるサイトから。大学に入ってフランス語を勉強し始めたけれども、フランスへ行くことなんて夢のまた夢だと思ってた僕に、初めてできた仏人の友人が教えてくれたのが『WWOOF』というサイトである。※本当は、農業の経験を積みたい人や他国の農業の実態を知りたい人なんかのために作られた、農業シェアという仕組み

要するにボランティア感覚の有機農家でのファームステイであり、働いたら飯とベッドが与えられるというなんとも(僕にとって)都合のいい仕組みだった。その友人も日本へ初めて来たときにこの仕組みを利用したらしく、おかげ日本語能力が語学学校行くよりも向上したらしい。なによりも、時間はあるけどお金がない貧乏学生にとって、うってつけだった。実際、観光客のいないド田舎でスローライフということが僕のなんかあこがれを刺激した。

すぐに行くことを決めた。WWOOFへさっそく登録し、受け入れをしてくれる農家探し。フランス語力が乏しく、ほぼ何を書いているのかわからない。トマトとかの写真が並ぶ中、なぜか中世の城みたいな写真が…。よくよく読んでもよくわからないが、おそらく冒頭の一文、「私たちのお城を建設するのを助けてくれ!」から察するに、中世のお城みたいなものを歴史的価値から保存するために、修復とかするのを手伝ってもらうNPO的な取り組みに違いない!勝手にそう解釈し、ドラクエなんかのロマン心をくすぐられた自分は、さっそくオーナーへ連絡を取り、2週間の滞在のアポどりを行った!!

お金がない19歳。とにかくバイトで貯めた15万円をにぎりしめ、チャイナなんとかエアラインで9時間のトランジット待ちという謎の旅程のおかげで往復10万という破格でチケットを手に入れ、意気揚々と初めてのフランスへ向かったのだった。まさか憧れのフランスの田舎スローライフが、本物ヒッピーという未知との邂逅になるとも知らずに…。

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