クスン…がんばって彼に料理作ったのに
うん…そうやなだけどそれは絶対のタブーや。

さて残暑が残る9月
おれは久々の散髪に美容院の門をくぐった。
門をくぐると
空気が重い…と言うか異様だ。
明るさと暗さを混ぜ込んだ異様な空気
かもし出すのは美容師Sと
アシスタントのKである。
S「N様お久しぶりです。」
俺「あーどしたの無駄にテンション高いね。」
S「わかります。今日誕生日なんですよ私の」
俺「いや…そうなの?そいつはめでたいねぇ。(頭が…)」
S「でしょう!んでもってこのタイミングでN様登場ですよ。他のお店に浮気さたかなって思い込んでたタイミングで登場とか神がかり的じゃないですか?」
俺「いや、財布の都合だ」
S「もーいけずなんですから!!」
俺「ところでさこの負のオーラはいったい何?」
S「実はこのことで困っててN様のお力借りたいんですよね…」
俺「おい…俺は客だぜ。スタッフのケアは上級職の仕事じゃないかトップスタイリストさんよ」
S「それはわかってるんですけど私じゃ何が問題かわかんないんですよね?むしろ彼女は悪くないと思うんです。だけど思いつめちゃってて。」
俺「とにかく話は聞いてやるよ。とりあえず散髪を頼む。」
S「ご注文は?」
俺「いつもどおり短く…だ」
S「もーたまにはカラーとか気のきいた注文してくださいよ!」
散髪を終えて、シャンプーになる
呼ばれてきたのは問題のK
いつもと比べ表情が暗い。
俺「んで…何があったんだ」
K「Nさん彼氏にカレーを作ってあげたらこれじゃないっていわれて大喧嘩になったんです。」
俺「…ああそうなの(こうゆうネタが一番めんどくせぇ)んで何作ったのさ?」
K「スープカレーです。」
俺「ああそいつは最高だなとても素敵だだけど男は大体キレるな。」
K「なんでですか?男の人ってスープカレー嫌いなんですか?私のお母さん直伝の自慢の料理なのに(泣)あのカレーは手間隙惜しまず作らないとあの味にならないのに」
俺「あーうん。スープカレーに並々ならぬ思いがあるのはわかった。問題はそこじゃねぇそもそも男と女ではカレーに対する考え方が違うんだ。」
K「と…言うと」
俺「まぁ今回色々考えられるんやけど読み解く鍵は彼氏の言った「これじゃない」やろうな。多分スープカレー食うたことないんだろんでなもっもだいじなことがあんねん。」
K「だいじなこと?」
俺「まず男にとってカレーはこまっしゃくれて店で食うもんやない人間が多いってこと。更に言うとな男の中には自分の定規があってそれをいじくられるのを嫌がる奴がおんねん。そいつ、汚い部屋に住んでても片づけすると怒るタイプやないか?」
K「そうです」
俺「ほな決まりや。代わり映えのせんふつーのカレー作ったれ彼のおかんと仲いいなら肉とカレールーも聞いとくといいわ」
数日後アシスタントKは彼氏と仲直りが出来たようだ
彼氏とよろしくやっているらしい
彼女が胸がグンバツの俺好みの女で
俺がまたしても3枚目の道化師(ジェスター)であったことは
しょうもない事実である