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14/11/2

らしくない

Image by Olia Gozha

ここは、大阪。吉本新喜劇や有名なグリコの看板、おいしいお好みにたこ焼き、串カツもある。山本彩はそんな地元難波が大好きだ。にぎやかな市街を抜けて自転車で5分。そこに山本たちが通う難波高校がある。

「ふああ…数学はやっぱやる気出えへんわ、部活前にちょっと寝るかー」

山本はそういいながら学校の屋上の芝生の上にねそべる。今日はとてもいい天気。昼寝にはもってこいだ。山本は目をとじた。

「山本!!なにしとんねん!さっさと授業に戻れ!!」

ウトウトしかけていると後ろから山本の担任の声がきこえた。

「やべ…先生だ! 」

びっくりして目を開けるとそこには、にたーといやらしい笑みを浮かべた幼なじみの渡辺美優紀がたってた。

「どう?うち先生の声真似うまいやろ〜」

「みるきーびっくりさせんな、アホ!おかげで寿命縮まったわ!」

山本はホッと胸をなでおろした。

「でも、さぼるさやかちゃんが悪いんやで〜」

そういうと渡辺は山本のとなりに腰掛ける。

「なんであんたまでサボろうとしてんねん!」

隣にすわる渡辺に山本がツッコミをいれる。

「ええやん、ええやん。うちも数学嫌いやしー」

渡辺と山本は幼稚園からの幼なじみであり、小中と一緒にバスケ部に所属していた。体力こそ山本より劣るがロングシュートを的確に決め、敵を華麗なドリブルで抜いてしまう。絶対的エースである渡辺のプレーはみんなが見惚れてしまう。山本はそんな渡辺に早く追いつき追い越したいと思っていた。しかし中学の最後の大会で渡辺は大怪我をしてしまった。病院で医者がみてもらったところ日常生活には支障がでないが約三年間はバスケができないそうだ。そのため渡辺はマネージャーになった。

(みるきーのプレーが見たい)

「みるきーとプレーしたいな…」

山本がぼそりと呟いた。

「何?さやかちゃん」

渡辺はは聞こえてなかったのか人懐こい笑顔をみせてこっちをみる。

「総体もうすぐやね、さやかちゃん!調子どーなん?」

「まあボチボチかな。」

山本はぶっきらぼうに答えた。

「ボチボチって何なん??バッチリじゃないとあかんよ!」

渡辺はそういって山本の背中をたたいた、長い髪が風になびく。

もうすぐ三年生の引退試合である総体がある。難波高校のバスケ部は三年生で部長である山田菜々。ニ年生が山本彩、上西恵、小笠原茉由、小谷里歩。一年生が薮下柊、木下百花、そしてマネージャーである渡辺の7人で活動している。しかし三年である山田は初心者なためチームの中心となるのは経験者である二年生となる。なかでも体力が人一倍あり素早いドリブルを使う山本は難波高校のエースなのだ。

それから渡辺とたわいのない話をしてるとチャイムがなった。

「お、チャイムなったな。あとはホームルームして部活やな。いくでみるきー」

「待ってさやかちゃ〜ん」

山本の後を渡辺が慌てて追いかけた。






「こんちわーっす!」

「お!さやかとみるきーやん!早えな」

ホームルームを終えて体育館に向かうと山田が自主練習をしていた。

(うちも菜々先輩を尊敬みならわなきゃな。。)

山田は初心者だが、人一倍練習している。また、持ち前の明るいキャラでみんなを盛り上げている。山本はそんな山田を人間的に尊敬していた。

「先輩!1対1やりましょうよ!」

山本はドリブルをつきながら山田に言った。

「やろやろ!さやか色々教えてな」 

山田が目を輝かせながら山本をディフェンスする。

「先輩は相手がドリブルをしてるときに横からディフェンスしてますだから…」

山本は山田のプレーに的確なアドバイスをする。

山本と山田は毎日こうして練習前にプレーを確認してきた。そのおかげで山田はメキメキと成長し、初心者ながらチームのゴールを守るディフェンダーに成長した。

「こんにちは!!」「ちわーっす!」

山本と山田が練習してると次々と部員達が集まってきた。

「じゃあ練習始めよか!」


練習の途中で顧問であるケンドーコバヤシ(通称ケンコバ先生)がきた。

「集合!!」

山田の指示で部員はケンコバの元に集まる。

「こんにちは、よろしくお願いします!」

「今日も全員出席か。みんながんばっとるな。」

ケンコバは満足そうに全員の顔を見た。

「総体まであと二ヶ月きった。今日からチーム練習をメインにしていく。」

「はい!」

みんなの顔が引き締まる。

「あとメンバーとポジションも決めてきた。」

体育館に緊張が走る。

「最近、一年にも使えるが増えてきた。そこでちょっと作戦を変えようと思う。」

いままでは二年主体のチームで、冷静な判断ができ周りをよく見れる小谷がパスをまわす。そのパスを山本と勢いのあるプレーができる小笠原、そしてリバウンドがとれる城西の3人が受け取り攻めていく。また、パスカットしたりゴールを守るディフェンス専門に山田を置く作戦であった。試合もそれなりに勝ってきていたのでこのチームにはこの戦い方がしっくりしているなと山本は感じていた。

「先生なんでですか?あと三ヶ月しかないんですよ。」

城西が口を尖らせて言った。

「そうですよ、なんで今さら変えるんですかー!」

小笠原が後に続く。

「けいっちまあちゅん、まあ最後まで聞こーや」

「はい…」

山田が言うと城西と小笠原は渋々口をつぐんだ。

「それでだ、今度の試合は小谷のポジションに山本、そして城西と小笠原のところに薮下と木下を使おうと思っている。」

!!

全員が驚き、言葉を失う。

(確かにけいっちとまーちゅんはだけどもうちょっと貪欲さが足りひん。その点ももかとしゅうは技術的には2人に劣るけどガッツはあるからなあ。でもなんでうちがりぽぽのとこやねん、りぽぽの方が頭切れるし、周り見て的確なとこにパスを出せると思うねんけどな。)

さやかは城西と小笠原を見た。2人とも俯いて口を真一文字に結んで黙っている。一年にレギュラーを奪われそうになっているのだ。悔しいはずがない。

新しいポジションの確認をしてその日の練習は終わった。


練習後山田とマネージャーの渡辺がケンコバによばれた。

「さやかちゃん、うち先生に呼ばれたから先帰っといてー」

「おう。じゃあね。」

(なんやろなんでみるきー呼ばれたんやろ?まあいいやお腹空いたな〜)

山本自転車にまたがり家路を急いだ。




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