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14/10/25

ロンドン大学の友人がホームレスに言った一言

Image by Olia Gozha

「病院に行くからお金をくれないか」




血だらけの男がやってきて、そう言った。

夜のロンドンの街を、イギリス人の友人・マットと2人で歩いていた時のことだ。

みすぼらしい服装をしており、見るからに怪しい。


これはロンドンでは良くある手口だが、血は偽物である。ホームレスがお金を得るために使う手法だ。もちろん僕はお金をあげなかった。


しかしマットは、「大丈夫か? これで病院に行け」と言ってお金を渡した。

僕は「血は偽物だよ」と耳元で囁いたのだが、彼は何も言わなかった。


あとでなぜお金を渡したのか議論になった。


「お金がないとはいえ、だますことで人の善意を踏みにじってお金を得るのはよくないんじゃないか?」

マット「あれが偽物なのは分かっていたよ。知っていて、あげたんだ。」



『ノブレス・オブリージュ』

日本では聞きなれない言葉かもしれないが、日本語では「位高ければ徳高きを要す」となる。

つまり、恵まれている人はそうでない人に与える義務がある、ということだ。


日本ではホームレスの人を見たときに、見て見ぬふりをし、そのまま通り過ぎることがほとんどだろう。

しかしロンドンでは同年代の友人が、自分の財布から小銭を取りだし与えている光景を何度も見てきた。

お金だけじゃない。いつも温かい一言をかけていた。こんな光景を日本で見ることはなかなかないだろう。


文化の違いかもしれない。欧米では、自分がしてほしいことを他人にしてあげる。日本では、自分がしてほしくないことを他人にしない。

しかし、恵まれている分、そうでない人に与えるというのはとても重要なことだと感じた。

そして自分が何かほしければ、自分から与えられる人間にならないといけないと思った。



ロンドン大学に行くまで

詳しくは「学年ビリ、偏差値30台の落ちこぼれが、大学を辞め、世界の名門ロンドン大学に留学、そして商社マンになる話」に載せているが、僕はこのタイトルの通り、スポーツ推薦で入学した大学を辞め、人生のどん底にいた。


その時に「いまいる環境から抜け出したい」と思い英語を勉強したことがきっかけで、ロンドン大学の大学院で学び、総合商社から内定を得るに至った。


スポーツ推薦で入学した大学は偏差値30台。当時の僕の英語の偏差値も30台。

それでも、人生は変えられた。

環境は変えられた。


このストーリーは、失敗を乗り越えられずにいる人、環境のせいにして一歩踏み出せずにいる人、やりたいことがあるのに諦めている人にとって、有益な情報が詰まっているはずだ。


他人の人生を生きても幸せにはなれない。そして、諦めなければ必ず環境は変えられる。


書籍化

これは、12月12日に宝島社から出版される、「Fラン大学生が英語を猛勉強して日本のトップ商社に入る話」からのストーリーです。

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