22:26 ひょっとしたら陣痛かもとノートにつけて計測してみだす。
まずは2時間おきのはずなのに、2、3分おきに痛みが、なんで?
0:56 病院に電話してみる。ワンコールで出てくれる、さすが! 看護師さんに「陣痛ですね、来てみてください。」と言われる。
1時過ぎ 既に準備済みのボストンバッグを持って、早速病院へ。
1:10 病院到着
1:14 2Fへ。看護師さんが対応、診察。

1:21 診察終了。既に3センチ開き、破水しているそう。「パジャマを取ってきてね」といわれる。既に用意してあるので車までとりに向かう。
1:23 両親に連絡。
1時半頃 看護師さんにパジャマを渡す。
入院用の病室に案内される。
部屋や冷蔵庫の説明を受けた後、「念のため浣●しとくから旦那さんは外で待っててね」と言われる。
たぶん2時前 すること無いので、病院の2Fを少し探検走る人してみる。
終わったみたいなので、部屋へどうぞと呼ばれる。 「お腹の大きい最後の妊婦姿じゃ」と、記念にデジカメで撮影してみる。まだ余裕有り。
再び看護師さんがやって来る。なんか機械を設置するのでまた出るよう言われる。
さっき探検した時、みつけた鏡の前で阿波踊りの練習してみる。うん、いけてる。
2時半ごろ まだかかるということなので、いったん荷物や編集室に届けておくべきものを済ませておこうと自宅へ。
2:32 生まれて来た娘に頬ずりせなあかんので、マナーとしてヒゲをそってみる。
2:33 生まれてきたらチューしたらなあかんので、エチケットとして歯をみがいてみる。
(この頃、グランマが病院に駆けつけてくれていた。)
2:35 届けるものを持って、出る準備。
2:37 よく考えたら、抱っこした時なんかあったらあかんから爪を切っておこう。
2:37 職場へ向かう。
2:52 到着。上司がまだ仕事してた。
2:58 仕事用のファイルや書類一式と、の冷蔵庫からポカリを2本拝借して病院へ。
3:15 病院に戻る。グランマが到着済み。陣痛の痛みをやわらげるため背中をさすってくれていた。
破水したため感染症?にならないよう、抗生剤を注射したとのこと。かなりぶっとかったらしい。
3:34 今まで腰だと思いこんで、背中をさすっていたことがグランマの中で発覚。
3:37 さっきからずーっと貧乏揺すりをしていることに自身気がつく。いつもしてるんだろう、きっと・・・
3:40 グランマと交代。ヨメの腰をさする。
3:42 2時ぐらいにつけた機械が、赤ちゃんの心音計と、どうやら陣痛計測器でもあることに気がつき妙に感心する。お腹のハリをはかれるなんてすごくない?

3:43 それを見ながら腰をさするタイミングを計ってみる。グッド!タイミング!!
3:44 テレビのチャンネル変えてみる。NNN24がやってた。当然か。
3:47 テレビの時間をみて病室の時計がずれているのに気がつく。あとでなおそう。
3:55 看護師さんが様子を見に来てくれる。
4:44 看護師さん、子宮口の開き具合をチェックに。そのため外へ。
4:48 外に貼ってある、今週の献立表を眺める。うっ、うまそう・・・

5:00 夜が明けてきた。
5:20 携帯で長時間録音できないかテスト。なかなか難しい。説明書があれば・・・
5:35 グランマと交代
5:40 陣痛の合間に、少し眠っているようす。痛みに疲れたか、それとも慣れたのか? 頑張れぇー。
5:45 看護師さんきてくれる。もっと汗がでて眠れない痛みになるらしい。眠れるほどおさまったので、念のため心音計る。145、元気! 現在腰あたりに鈍痛があるみたいだが、これが尾骨になって激痛になってかららしい。まだ7センチ以上先。遠っ!!
5:49 セミが泣き出す。朝やねぇ~。夏やねぇ~。晴れやねぇ~。なんか縁起がええねぇ~。
5:55 グランマにバトンタッチ。
5:58 かなり痛いらしい。声をあげて痛がる!。そろそろ呼ぼうかとソワソワしてしまう声。
6:15 看護師さん診察にきてくれる→外へ
6:25 看護師さん出てくる。5、6センチは開いてて、第二関節ぐらいの距離まで頭が来ている。8センチにぐらいになったら、自分で歩いて、陣痛室に移動しなければならないらしい。そのあと30分ぐらい、長くて2時間かかった人もいるそうだ。なんかやっぱり結石の時とよく似ている・・・。
6:30 今、聞いたことをヨメに説明。すぐに陣痛におそわれる。かなり痛くなってきた様子。尾骨というか骨盤全体を押さえる。いつもは指圧が異常に強すぎと言われるが、今回は役立っている模様。
6:55 寝返りを打たせて、バトンタッチ。
7:00 まだかかりそうかな?
7:05 看護師さん「7センチ開いてるわね、あと少し。午前中には確実に生まれるねぇ~。もうちょっと頑張って♪」。ニコっとして帰る。その笑顔を見る余裕はヨメには一切無い。
7:30頃 長時間録音の方法をなんとか極める。>何してるんだオレ・・・
7:40 朝食を持ってきてくれる。とてもじゃないけど食べれないだろう・・・。
7:45 ギュゥぅぅ~~!! どころか、ものすごい力で押している。尋常でない力で押している。しかも尾骨どころか肛●も通り過ぎて、子宮のあたりを押している。わけわからんけど、骨盤が開いているのがなんか伝わってくるような気がした。勝手にもうあかんと判断してナースコールのボタンをカチっ。「いきみたいです!」と言ったのは何を隠そうオレ自身(笑)
7:48 すぐに看護師さんが来てくれて「あぁ、車いす持ってくるね」。あれっ?たしか自分で歩いていくはずでは・・・
「ご主人、分娩に付き添われますか?」。即答で「はい、ほな行きます」と答えた。あれほど血見るのイヤなはずだったのに、なんか平気な自分がいるのが気持ち悪い。意外に冷静すぎるほど冷静。「じゃぁ、準備ができたら呼びますから、しばらくお待ち下さい」。
7:50 そそくさと録音の準備をはじめる。よしOK。もうこのまま回しっぱなしでいこう。そう、生まれた時の第一声を録音したかったのだ。
7:55 準備が完了したので“手術室”と書かれた緑色のスリッパに履き替え分娩室へ。一晩付き添ってくれた看護師さんお二人が対応してくれるようですごく心強い。すでにこの時点で、ウルウルしているオレ。
「もうちょっと時間かかるね。まだ気張らないようにねー。ふぅーう。ふーぅう」。
「“ふぉぅ←~→ぬぅxーぅ↓”」
8:00 録音機携帯をそばの棚に置いてみる。
「全開になってから、気張ってもらうからね、まだ気張っちゃダメよ」。
「チェックするからねぇ。まだいきんじゃダメよぉ~。ふぅーう。ふーぅう」。
よく考えると、看護師さんじゃなくて、お二人とも助産師さんなのだと今頃になって気がつく。
「ふぅーう。ふーぅう。」オレの人差し指と中指を握って耐える。この分娩室入りするまでに、病室で相当な力で押していたのだろう、親指まで併せて3本の指が、青紫色に鬱血している。
「ふぅーう。ふーぅう。」延々続く。よくテレビとかで聴くラマーズでないこの呼吸法。なんだろう?
「ふぅーう。ふーぅう。」いつまで続くのだ?
「ふーー。ふーー。」ちょっと落ち着いたもよう・・・。
一瞬静かになった。
心音機の鼓動が「ドンクドンクドンクドンクドンク」。
ものすごい早さで部屋中にこだまする。お腹の中で、赤ちゃんも必死に頑張っている。
「ふぉぅ←~→ぬぅxーぅ↓」 突然再びおそってくる激しい陣痛。
そして「ドンクドンクドンクドンク」もうすぐだよとでも言いたげに、意思表示するその鼓動の速度もさらに上がる。
8:07「佐藤さん、明日付き添い食いりますか?」。と突如現れた看護婦さん。
えっ??
今、それを答えるんですか???
8:08「ふぉぅ←~→ぬぅxーぅ↓」 再び声のトーンが変わる。
「まだだめよ」。
「ふぉぅ←~→ぬぅxーぅ↓」
8:10「全開」。「全開やね。もうねぇ、準備するからね」。早よしたげて。
「あ”ぁ” いたイ!いタイ!!」
「いたいなぁ~もう気張ったら生まれるぐらいまできとるからね」。
「ほぉぅ←~→ぬぅxーぅ↓」
「い”ッ。。。イタイィィィ!!!!!ー」
「よう今までがんばったね、はい、ふぅーう」。
「ふぉぅ←~→ぬぅxxxXXXXXXーうううぅぅぅ↓」
「もうそこまで、頭来とるからねぇ~。ふぅーう」。
「はぁァxxぁー→←~ぁああぁぁあ↑↑↑」
「まだ気張ったらだめやでぇー」。
「ひゃぁはぁぁaa~a~ァ」
「はぁはぁしてごらん」。
「はぁァxxぁー→←~ぁ↑あ。はぁァxxぁー→←~ぁ↑あ↑↑↑↑↑」文字にできない、息づかい。
「ふぅぅぅーーー」
「ほなね準備するよー」。いや、だから早よしたげてって。
「ふぅううううーーー」
「お口あけとってよ~」。
「はふぅぅぅ」
「旦那さんこれちょっと着とこうか」。ブルーのでっかい割烹着エプロン?を前から羽織る。
二人羽織は出来そうにない。
「はぁァxxぁー→←~ぁ↑あ↑ア↑A↑a」
「頑張ろうなぁ。赤ちゃんねぇ。もう頭の髪の毛でてきとるけんな。がんばってね」 。たしかに出てきてるよ、それらしきものが・・・出てきやすいように頭蓋骨が、ずれて細くなって出てくることは読んだことがあるが、それはそれは未知との遭遇20XX年宇宙のハリーポッターとアズカバンの物体Xの旅・・・
「はぁい!! はぁ~・・ほぉ。。。」返事ができる余裕があるみたいで、ちょっと落ち着くと思ったが 「はぁァxxぁー→←~ぁ↑あ↑ア↑A↑aaaァァァぁぁぁ↓」
「はい、もうちょとお頑張るぅ~。ふぅーう、よ。ふぅーーーう」。
「ふぅぅぅゥゥゥuuu」
「今までガンばったんやけん、まだいける」とオレ。
何を根拠にそんなこと言えるんだ???
「ふぉぅ←~→ぬぅxーぅ↓ふぉぅ←~→ぬぅxゥーぅ↓フォぅ←~→ヌuxーゥ↓」
「よう我慢したねぇ~。ふぅーう」。
「ほハぁァぅxxぁー→←~ぁ↑ア」
「まだよー。口あけてごらん、はぁはぁしてね」。まっ、まだなんですか。早よしたげて。
「ふぅぅゥゥuuーー。ハほHぁァー」このやりとりが繰り返されること数回。
「もうちょっとしたら、下持って気張ってもらうからね。もうちょっとだよー」。きっと1分が1時間ぐらいに感じてるんだろうなぁ。
8:14 先生登場。登場テーマ曲『威風堂々』を勝手に頭の中で流す。
「あぁ~、あーーー、ふぅーーー。あぁ、もうダメぇ~」先生を見て安心したのか、もう勘弁してくれという意味なのか? さっきまでと違い、はっきりわかる単語でしゃべってるよ!
「ほなな、ここに黒い持つとこあるでしょ。ここ持とか」。“もうちょっと”かなり長かったなぁ。
8:15『ビデオ撮らなくていい?』。えっ!? 先生なりのジョークかなんかとマジで勘違いした。。。そうかぁ録音でなくて、ビデオ持ち込んでもいけたんか・・・そんなん思いもせんかったわ。それにもう準備する余裕ないし。そもそもビデオカメラ持ってないよ・・・とにかく早よ産ましたげて。・・・ ←こう思ったのはたぶん0コンマ003秒ぐらい。即効で「いっ、いいです・・・」と答える。
『よし、ほなね結構ねチクッとするよ』。麻酔?
「あ”ぁぁぁァァァaaa!」
これ痛いんやろなー。自分の大事なところにプスプスと刺される大きな針を想像してしまい、ここに来たことを初めて一瞬だけ後悔した。
8:16:00『いいよ、きばって』。
「目あけてぇねぇ、頭あげて。ンんnーーーん」 。
「ふぅんーーーーーぅ」
「はい、もっかい(もう一回)息継ぎして。息吸ってぇー」。
「はぁアぁ~~ーー」
「声ださなーい」。
「んんnーーーーーーーーーーん!」
『上手に気張れよるで』。
「はい、もっかい」。
『はいもう一回以降、頑張ろう』。先生の低い渋い声が、自信と安心感を与えるのか? もうすぐエンディングであることがなんとなく感じられる。
「ふぅんーーーーーぅ」
8:17:00『ちょっとな佐藤さん、一生懸命いきみよるようやけどな。力、セーブしとるやろ。もっと気張れるはずや』。そんなアカデミー賞級の演技力たぶんないって。先生流の激励?とともに痛みが治まる。
『いたなったら気張ってよ』。
8:18:00「きよる? きよんね。よし大きく吸って、はいてー、すって、はいてー。
“お”“お””き”“く”↑すってぇ↑ トメテ! はいキバル!! ンんnーーーん」。
「んんnーーーーーーーーーーん!」
「目ぇあけて、んんーーーはい頑張って」。
『そう、そうそうそう』。
「ンンnーーーーーーーーーーンnnn!!!」
ヘソが今にも発射しそうなぐらい飛び出しているよ。
こっから別のものも生まれるのか!?
『そう、そう上手、そう』
8:18:30 『ちょっと一回休もうか』。
「はい休んでぇ」。えっ休むの?
「はー↑はー↑はー↑」
『今度かな?』。
「はーはーはー」
8:19:00『痛み出したらゆうてよ』。
8:19:30 『次でるだろう。がんばりよ。うまいこといったら次でるけん』。
「はい!」
力強くはっきり返事しとるよ。母親ってすげーぇ! もうオレ泣っきょるよ。
8:19:45「大きく吸って、はいてー、すって、はいてー。“お”“お””き”“く”↑すってぇ↑ はいトメテ! んんーーーー 」。
「あぁ↑↑↑ーーーーーぁxxxxーーー」
「声だしたらいかん。んんーーー声だださないよー」
「NNNーーーーーーーーーーンnnn!!!」あかん、
マジへそが発射する!!
「めぇーあけて!めぇーあけて!!あけて!!!」←オレ必死。実はなんで目をあけなあかんかとか全然わかってない。
『はい、でたよ。はぁーはぁーはぁー』。
「ハァー↑ハァー↑ハァー↑」
『もう気張ったらいかん。もう気張ったらいかん。気張ったらいかん』。
8:20:00「ハァー!↑ハぁー。はぁー。はー。」
『はぁはあー言うて、はぁはあ』。
「はーはーはー」
8:20:10 『はい、おめでとー』。
「アcァあぁぁぁ」
「八時二十分でーす」。
「アcァ亜ぁぁぁ!」←オレ
「女の子ですよー。おめでとございますー」。
「はぁぁぁありがとございますぃぅゥuーーー。Hァ、Hぁーーアァ↑あぁぁ」
8:20:45
「え”ぇ”お”ほぁぎゃゃーーあgyaゃぁぁ””みぎゃぁぁRぁらrぁAぁ」
生まれてからの時間は全く覚えていない。自然分娩とは言え、少し縫わないといけないらしくいったん外に出された後、かなりの間、涙も鼻水も止まらなかったのだけは覚えている。自分自身、涙もろいのは知っていたけど、こんなに嬉しかったのはいつ以来だろうか? 大阪難波にいる母、そして義父に伝えなければならないとコールしたが、嗚咽だけで言葉にならなかった(ひたすら鼻水を啜る音だけが聞こえていたに違いない)。それは生まれてきてくれたことへの嬉しさだけでなく、十月の間、そしてラストの10時間(←24時間どころか、100時間以上の出来事だったように思うのだけど、実際は10時間なんだよね)頑張ってきたヨメへの感謝の涙、そして分娩につきあってみて男ってつくづく無力ダウンなんやなと痛感させられた涙だったと思う。カッコつけてるわけではなく、ホントに正直な思いなのだ。クサイ言葉だとは思うけど、この気持ちを忘れないようあえてココに記しておこうと思う。
いろいろな処置が終わって、再度分娩室に呼び入れられるまで分娩室用の手術室と書かれた緑のスリッパを履いたままだったけど気にしない気にしない(^-^;。