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14/10/7

人口380万人のバリ島で一人の少女を捜した奇跡的な物語~1枚の写真の力

Image by Olia Gozha

誰にでも人生を変えるような衝撃的な旅のひとつやふたつはあるだろう。


3回目のバリ島旅行の最終日は、私にとって生涯忘れられない日となった。


その日の午後、私は一緒に旅行に来た友人達にわがままを言って、


4年前に偶然出会った美しい少女に、もう一度会えたらとサヌールビーチへ向かっていた。


それは前回のやはりのバリ旅行の最終日、浜を散歩している時に


弟らしき少年と一緒に遊びに来ていた少女に目が止まり、

あまりにも美しかったので、声をかけて写真を撮らせて貰ったのだった。


いつかまたバリに行くことが出来たなら、是非とも、もう一度会ってみたいと


漠然と想い続けて、はや4年の月日が経ってしまっていた。


そして、今日、その日はついにやってきたのだった。




だが彼女に関する情報はサヌール付近に住んでいる以外、何もなかった。


サヌールとは、バリのリゾートの中でも、クタやレギャンのような原宿的賑わいもなく、


かといってヌサドゥアのように高級リゾート地として開発された場所でもなく、


現地の人達も生活している比較的に落ち着いたリゾート地である。


今回、2人の友人達は初のバリで、僕が案内役となり、いろんなところを観光し、


そして、最後の最後に僕の頼みをきいてもらったのである。


しかし、帰りのフライトを考えると捜せる時間はせいぜい3、4時間だった。








地図上で目星を付けたバリハイヤットの前でタクシーを降りた。


期待を胸に浜に出てみたが、人影は思ったより少なかった。


白い砂浜を太陽が容赦なく照りつけ、海はどこまでも透き通り美しかった。


とりあえず私は友人と共に、炎天下の砂浜を歩き出した。


すれ違う人々に彼女の写真を見せながら、尋ねてみた。


「この子を捜しているのだけど、知らないかな?」


「う~ん、見かけないね。」


こんな会話の繰り返しで、1時間以上が経っていた。


朝から何も食べていなかった。


空腹に負け、野外にある食堂のテーブルについた。


奥にはスタッフ達が集まって雑談をしていた。


ここで働いている人達なら何か手掛かりがつかめるかもしれないと思い


写真を見せてみた。


すると、その中の一人の少女が


「この写真に写っている浜は黒いから、観光用のプライベートビーチではなくて、


たぶんバリビーチホテル辺りの地元の人達が行く浜じゃないかな。」


っとおしえてくれた。


その言葉に元気は出た私は、文句一つ口にしない友人達を励まして、さらに歩いた。






遠くに見覚えのあるような防波堤が見えてきた。


それを越えると、なるほどそこは黒い砂浜で、たくさんのバリニーズが、


午後のひとときを思い思いに楽しんでいた。


きっと、このあたりに違いない。


確信が湧いてくる。


彼女と同じ年頃の子なら、きっと何か知っているかもしれない。


遊んでいる子達に、かたっぱしから声をかけてきいてみた。


しかし、見たことない、知らないという返事しか貰えなかった。


せっかくの手掛かりだったが、収穫はなかった。


がっかりして写真を手に、しかたなくとぼとぼ歩いていると、


店の前に座っていた2人組の男のひとりが、


「なんのフォト持っているんだい?」っと声をかけてきた。




先程から私達の様子を窺っていたらしい。




写真を彼らにも見せて事情を話してみた。


すると驚いたことに、その内の一人が、



「ああ~、この子なら知ってるよ。オレのファミリーだ!」っと言うではないかっ。



私は思わず興奮して、


「もう一度会いたいんだけど、彼女の家に連れていってくれないかな?!」


っと口走っていた。


「よし、オレのタクシーでこれから行こう!」


こうなるとバリでは話が速い。


昼でも夜でも時間はゆったり流れていて、暇にしてるとは聞こえが悪いかもしれないが、


時間がある人がいっぱいいる。


交渉次第でどうにでもなるのがバリなんだ。







気持ちを抑えきれず、急いで彼の車に乗り込んだ。


新車でカーステレオが付いた、立派なバンだった。


この人がバリでも相当リッチななのがわかった。


車は少し走って住宅街ですぐに停まった。





いよいよ長い間、想い続けた瞬間が迫っていた。




が彼が言うように、本当にファミリーなのだろうか?


「今ならたぶん家に居るよ。」っと言うが、不在だったらどうしよう?


不安と期待でいっぱいだった。


私達はただ黙って、彼の後について行くしかなかった。


歩くこと数分、とある細い路地に入っていった。


そして、見るからに立派なある民家の白い石作りの割れ門を通り抜け、中に入っていった。


彼が中にいたおばさんらしき人に、口速に何か尋ねている。


数秒の会話のち、


彼が私達に振り返り、こっちだと合図した。












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Image by Jukka Aalho

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