top of page

14/9/30

神さまありがとう第2回

Image by Olia Gozha


 8月になると決まって思い出す人がいます。父の姉である亡き叔母、"金(キン)"おばさんです。

 父が交通事故で入院している間、母は金おばさんにわたしを預け、一家の家計をまかなうために仕事へ出る傍ら父の看病に負われていました。今のように完全看護という制度がまだなかった時代でしたから。

 金おばさんは、わたしを溺愛していました。おば夫婦には子供がいなかったせいもあるかもしれませんが、相当常軌を脱したものがあったようです。

 毎日デパートへわたしを連れて行ってはおもちゃをわんさかと買ってくれました。さらに鼻血がでるほどチョコレートを食べさせてくれもしました。

 わたしはこの金おばさんを母のように慕い、実際”まま”と呼んでいました。そしてわたしにとってのただひとりの心の支えでした。

 わたしが小学校4年生になった頃病死してしまいましたが。

 父も母も、わたしがこの金おばさんに奪われると懸念したのか、父の退院後叔母の手が届かない新潟へ引っ越してしまいました。

 でも、新潟での生活はわたしにとっては地獄でした。母のわたしへの暴力が始まったのは新潟に住んでいた時期でしたから。

 このとき、両親が何を思ってわたしと”まま”を引き離したのかよくわかりません。「かわいいわが子を奪われたくない」という親心からならうれしい・・・。

 "まま"が末期がんで余命いくばくもないとの連絡が新潟の自宅へ届いて、やっとわたしは最愛の人との再会を果たしたのです。でもその1~2年後に”まま”と再び、今度は永久に会えなくなりました。わたしはほんとにこの世でたったひとりぼっちになってしまったと思いました。

 最愛の人と無理やり引き離され、さらに永遠の別れという体験をも与えられました。これもまた”わたし”という人間を育てるために欠かせない重要なシナリオだったんですね。

 神様のなんと深く緻密な構想が寝られていたことか・・・・。

 それは人知を超えた恵みと平安としか言えません。

 キリスト教との出会いまでは、もうちょっと先になります。


PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

忘れられない授業の話(1)

概要小4の時に起こった授業の一場面の話です。自分が正しいと思ったとき、その自信を保つことの難しさと、重要さ、そして「正しい」事以外に人間はど...

~リストラの舞台裏~ 「私はこれで、部下を辞めさせました」 1

2008年秋。当時わたしは、部門のマネージャーという重責を担っていた。部門に在籍しているのは、正社員・契約社員を含めて約200名。全社員で1...

強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話

学校よりもクリエイティブな1日にできるなら無理に行かなくても良い。その後、本当に学校に行かなくなり大検制度を使って京大に放り込まれた3兄弟は...

テック系ギークはデザイン女子と結婚すべき論

「40代の既婚率は20%以下です。これは問題だ。」というのが新卒で就職した大手SI屋さんの人事部長の言葉です。初めての事業報告会で、4000...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

bottom of page