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14/9/21

果てしないごっこ遊び

Image by Olia Gozha

子どもはよくズルしたり、悪さしたりしますよねえ。


物を取ったり、悪口言ったりします。


よく大人はそういう行為に関して、叱りますよねえ。


「こういうことしたら、駄目でしょ。相手が可哀想でしょ。」って。





叱ることが間違っているのではないんですが、


子どもはズルするというのは、大人が悪いことするような意識と違うような気がするんです。




「ズルをする」っていうのは、ズルすることで「自分だけ得したい」と考えるのは大人の意識です。


対して、子どもはズルをしてみている。つまり、ズルをすること自体を楽しんでいるんだなあと思ったことがあります。


ズルをすることの効果を期待すると言うより、ズルしている役割を味わっているというか。まあ、ごっこ遊びのような感じですね。


けんかをするのも、けんかをしてみている。


悪口言うのも、悪口をいってみている。




他の子どもの物を取って、子どもが追いかけられているのをみても、追いかけている方も追いかけられている方も、楽しんでいるんですね。殺伐とした感じがしません。


友達と遊んでみている。


ご飯を食べてみている。


寝てみている。


子どもは一日中、ごっこを繰り返しているような感じがしますね。





ところが、子どもも喧嘩をすると、泣いてしまうことがあります。


この泣くというのも、大人の意識と違うところがあると思います。


大人だと、はっきりした理由があって泣く(つらいとか、痛いとか)のですが、子どもは混乱しているだけということがある。


つまり、楽しむつもりで「けんかをしてみて」いたのに、叩かれたところが痛い。あれ、どうして??っていう気持ち。自分がどうしたらいいかわからないという不安が、泣くという行為になる。




赤ちゃんは泣いていても、他に関心が移ると、急に泣きやんだり笑ったりしますよね。それは、赤ちゃん自身が泣くと言うことに理由があって行っているのではなく、混乱している気持ちを表出しているだけ、ということがあるように思います。





その混乱だけという状況は、大人の側にもあります。


私たちが泣く、そこまでいかなくても悲しんだりするのは、それ自体に理由があるというのではなくて、ただどうしたらいいかわからない不安に怯えているだけということがあると思います。


そういう悲しみのときは、理由を探す解決法ではなくて、悲しみをただ受け入れるとか、他の楽しみにスイッチさせるという方が良いように思います。理由を探そうにも、大して見つからないからです。




大人でも、ただ自分や相手を抱きしめてあげるというときが必要な気がします。

思えば、人は意味もなく楽しんだり悲しんだりする存在。その気持ちを受け止め、傍にいてくれる人間こそ、実は大切な存在なのです。




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