弊社の展開する日報共有サービス「gamba!」(ガンバ)のお客様の事例で、こんなことがありました。

工場・製造業への人材派遣を全国で手がけている中堅企業さま。新たに設けた岐阜の営業所に入ったばかりの女性社員が、客先で大手飲料メーカーが工場を新設するという話を聞きつけてきました。当然、そのメーカーと取引ができれば、過去最大規模の大口案件になることは確実です。でもその女性社員はそのメーカーに人脈もなく、過去その会社が扱ったことのない規模の話に尻込みしていました。
その社員はその日、「うちでは無理だと思うんですが、こんな話を聞きました」と何気なく日報に書き込みをしたそうです。でも、gamba!の日報は社長をはじめ、全国の営業所の社員が毎日読んでます。その投稿に気付いた社長は社内に大号令をかけて、そのメーカーに人脈のある人をさがし出し、一気に提案をまとめて、契約にこぎ着けました。
「gamba!がなければ、このメーカーとの取引はありえなかった」
何かあったら、「ちゃんと報連相!」と言うのは簡単ですが、何を誰にどう報告するのか?連絡するのか?相談を持ちかければいいのか?実はとても難しい問題です。
先ほどの例で、営業所に入社したばかりの若い女性社員が、客先で耳にしたうわさ話をわざわざ社長に報告するでしょうか?この案件を提案に行くべきだ!と相談を持ちかけたりするでしょうか?
多分、先輩あたりに「いやー、そんな案件は無理でしょ」と言われてつぶされて終わりです。それを乗り越えて、社長に直談判に行くような勇気は普通、ないですよね。
多くの会社では、こうやって社員は自ら萎縮し、自分たちの能力を過小評価し、やればできる簡単なことにすら失敗を恐れて挑戦しなくなる。自分たち自信が、自分で仕事をつまらなくしていく。士気が落ちて社内の空気がよどんでいく、というスパイラルを多くの経営者はどう改善していいか分からない。社内の懇親会を開催したり、会議を増やすというのは何の解決にもなりません。
一方で先ほどの事例のように、何気なくつぶやいたムリめの話を社長が拾ってくれて、一気に大口の案件が取れた女性社員はどうでしょうか?ものすごく嬉しいはずです。この会社でもっとがんばろう!と思うはずです。そして、それを横で見ていた他の社員は、だったら俺もこの前聞いた話をなんとかできないか社長に相談してみよう、ってなります。
地方の営業所に入社した社員にとって、その会社は社員3人の小さな営業所の世界がすべてです。でも、本当は自分の後ろに全国の営業所でがんばる30名もの社員と、それを率いる若くて元気な社長がいて、相談すればみんなが力を合わせて動いてくれるわけです。それを普段から意識できていれば、社員は安心していろいろなことにチャレンジできるはずです。
「正月明けの全社総会が今から楽しみ!」
お互いに日報でしか知らない全国の社員たちが一同に会し、そこでどんな交流が生まれるのか?社長自身、日報でしか活躍を知らない社員がたくさんいるわけです。その人たちに直に会って、苦労をねぎらってあげたいんだ、みんながその日を楽しみにしているんだ、とおっしゃる社長がとても印象的でした。
仕事を楽しくするのも、つまらないものにするのも、自分たち次第。いい仕事をしていきたいですね。