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14/9/8

世界一の人材輩出企業と日本一の人材排出企業の違いって②

Image by Olia Gozha

人材排出企業の所以

そもそもこの言い方もどうかとは思うのだけど。

いずれにしても具体的な社名は出さないが、私が新卒で入った会社は今でこそ日本発のグローバル企業という冠がつく大企業になっているけれど

入社当時はまだまだグローバル展開を直近の将来のビジョンとして掲げているほどの、超がつくドメスティックな会社。

同期入社が全国各地に400だか500人、基本的に現場配属が9割。入社して半年までは2か月に1回、1週間の研修があったけれど、基本的に仕事を学ぶのは現場で。

軍隊とも揶揄される超超体育会系で、まず身体で覚える、体得してなんぼ。知識人は歓迎されない、少なくとも新卒入社には。

当時の新卒に求められていたのは知識をつけて講釈をたれることではなく、如何に利益をあげられる環境を作る力を最速で身につけるか。

文字にしてみると、商売をしていく上では極めて当たり前のことばかり。


ただそのやり方の実情は、まあブラックといわれても仕方がないことだらけ。

超過労働、サービス残業は当然ある。叱られる、というか怒られる。罵倒されて、罵声を浴びせられる。上司からはもちろん、ベテランのパートタイマースタッフに人間扱いされない。

パワハラギリギリのことも日常茶飯事。休日も、『職場に行かない』だけであって、家やカフェで仕事をすることはしょっちゅうだった。


そんなだから、400も500もいた(らしい。全員の顔も名前も分からないから正確な数は不明)同期も次々と退職していく。

それなりに大きな会社だし、一見するところのネームバリューはあるからいい大学出身のエリートみたいな子もたくさんいたけど、そういう人に限って退職の決断は早かったように思う。

『社会人になってまで、こんなに怒鳴られるために、頑張って勉強してきたわけじゃない』って言って入社して1か月で退職した東大卒の子がいた、なんて噂も流れたっけ。


出身大学ではかるわけじゃないけれど、それでもそうそうたる大学名が履歴書に並ぶ人達をごっそり採用できているのに、その人達の能力を使い切れないまま退職につなげてしまうのは、本当にもったいない。

全体の10%にもみたないほどの人数の、未だに仲良くしている元同期(全員退職済み)の経歴をみても、どうしてなかなか華やか。

退職後に大学院に入り直して弁護士になっている人、某広告代理店の営業所トップになっている人、起業している人、海外移住して現地でビジネスの立ち上げに奮闘している人・・・

ほんの一部だけど、それでもこれだけいろんな業界と場所で活躍している人たちがいたんだから、ポテンシャルははかり知れない会社なはず。

それを皮肉って、人材「排出」企業と言われてしまう、私の古巣であり原点である会社。

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