新卒入社ではいった会社の1年目 20歳~21歳頃、ボクは吉祥寺によくいました。
エンジニアだったんですが、配属されるプロジェクト(出向先)次第で、
徹夜ばっかりだったり、定時に上がれたりしました。
定時で上がれたら吉祥寺で麻雀して、麻雀に飽きたら駅前に座ってタバコを吸いながらボーっとしてるのが日課でした。
ある日いつも通りボーっとしてたら、
2人のホームレスのおじさんが商店街の入口の道端に座ってました。
高校生の頃から、
自分はなんかの拍子で、ボタンを1つ掛け違えた時にホームレスになるのかなぁーって漠然と思っていたのでホームレスに関して妙な親近感を持っていました。
毎日どんな気持ちで過ごしているのか?
1日のスケジュールどんなんだろ?
そんなことを考えながらおじさん達を眺めていました。
おじさんたちはしゃべるでも無くただ座って商店街を行き来する人をみていました。
そこに3人目のホームレスが登場しました。
3人目のおじさんは拾ったであろう短いタバコを2人に渡し、みんなで仲良くタバコ吸いながらおしゃべりを始めました。
何話してるんだろすげー気になる…ボクもあそこの輪に入りたいなぁ…
ボクはおじさん達に近づきました。
なんて声かけようかなーって思いながら近づいていったら、ちょうどタバコを吸い終わっていたので、おじさん達に「これ吸いますか?」と、タバコを差し出しました。
おじさん達は笑顔で「いいの?悪いね。」って、受け取ってくれました。
ボクもタバコに火をつけその場に座り込みました。
きしもと「聞いていいですか?」
おじさん「ん?」
きしもと「1日で楽しいことってなんですか?」
おじさん「楽しいこと。。。んーないな。寝床確保と食べ物のことばっかりだな」
きしもと「寝床って決まってるんじゃないんですか?」
おじさん「決まってる奴もいるけど、オレ等は決まってないな」
きしもと「なんでですか?」
おじさん「だいたい いいとこはもう取られてて、そこにボスみたいなやつがいんだよ。オレ等はそーゆーのに溶け込めないから、、、だから毎日寝るとこ探さないといけないの。寝てる時が一番襲われやすいから安全なとこ探すことで大体1日が終わるな」
きしもと「へー、そうなんすね。あと、なんで働かないんですか?」
おじさん「雇ってくれるとこがないんだよ。オレ今年で68歳になるけど住所が無い年寄りはどこも雇ってくれない」
きしもと「こうなる前は何の仕事してたんですか?」
おじさん「おれ、社長やってたんだよ。」
おじさん「オレも!」
おじさん「オレも!」
きしもと「ww家族はいなかったんですか?」
おじさん「居たよ、、、田舎に残して東京きたけど、結局こうなったから帰れなくなったな」
きしもと「…。なんか飲み物買ってきますね。ビールでいいです?」
おじさん「おー、なんか悪いな!」
とりあえず、ビール4本とつまみとタバコを1箱買って、また聞いてみました。
きしもと「この前テレビでみたんですけど、都庁にいくと食べ物が貰えるって言ってましたよ。貰いにいかないんですか?」
おじさん「あー、あれな。あれ貰う奴はダメな奴だ!もう終わり。オレ等は自分のチカラで食べ物を探して食うんだよ。あいつらとは違う」
きしもと「そーなんすね。なんかよくわからないですけど、、今お金持ってたら何します?例えば10万円持ってたら」
おじさん「酒と女だな!」
きしもと「www、元気っすね。」
こんな感じで、2時間近くおじさん達と一緒にお酒飲んでいろいろ聞かせて貰いました。
ここには書けないことも沢山
嘘や誇張もあると思うけど、おじさん達の話はとても面白く、そしておじさん達は元気だった!
この元気をうまく活かせば、しっかりとお金を稼げるようになるんじゃないかなーと思いながら
別れを告げました。
別れ際に、
おじさん「1000円でいいから貸してくれないか?」
って、言われた時はさすがだなーって思った。
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遠い国の昔々のお話なんで、記憶補正が恐らく入ってます、ひょっとしたら催眠術師や宇宙人に埋め込まれた偽りの記憶かもしれないのであまり信用せずに読んでくださいませ。
キシモト ユウキ
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