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14/8/13

☆滅ぼし物語☆1期最終章

Image by Olia Gozha

☆滅ぼし物語☆


12章(最終章)


魔王城に踏み込んだユーリたちは最上階にいる魔王がいるところに向かっていた。その途中レッドゥゴブリンとの激戦を繰り広げ、ソルの活躍で見事勝利。その後、不思議な階段を登り、最上階に着いた。最終戦が始まろうとする中、龍が鳴き声を上げながらユーリたちに襲いかかる。


この物語は魔界に連れ去られた少年の一生を描くストーリーである。


1話(暗い空間)


ユーリたちは扉を開け、先へと進んでいく。最上階だからなのか松明の数が少なく、暗く感じる。


ユーリ「どこに魔王がいるんだ?」


ソル「もう少し奥にいると思う」


ユーリとソルが我こそはと先へ先へと進んでいると、突然ミナがソルの着ている服を掴む。


ソル「どうした、怖いのか?」


ミナ「別に・・・そんな訳ないじゃない」


ユーリ「もう少しゆっくり行こうか」


歩くペースを緩め、そのまま歩き続けると奥に光が差し込んでいるのがわかる。松明の数が少ないからか、微かに見えるだけだった。


ユーリ「あと少しだ、頑張れ」


ミナ「う・・・うん」


その時、上のほうからバットデビルが降りてきた。このバットデビルは神秘の洞窟で遭遇したのと一緒だとすぐにわかった。(7章参照)


ソル「上から?!」


ソルが思わず声が出ると同時に奥のほうから魔王が姿を現す。


1話 完


☆バットデビル☆❗️再説明

   説明、洞窟の奥に棲んでいる人型の黒い悪魔。背中に翼が生えていて飛行することができる。主な攻撃は体当たりや強靭な爪で引っ掻いたりして攻撃を仕掛けてくる。バットデビィが長い年月が過ぎて成長するとバットデビルになる。しかしバットデビルになるバットデビィはごく少数のみ。言葉を話すことができるらしく、魔界にも生息していることも確認されている。


2話(魔王現る)


バットデビルが地面に足を着くとともに、複数の松明が燃え始めて暗い空間が赤い光に包まれて最上階の奥がはっきりと見える。


ミナ「あそこにいるのが魔王じゃない?」


ソル「どこ?・・・・・?!」


魔王はまるで警戒心が無く、余裕な顔でユーリたちをみながら神々しい色合いの椅子に座っていた。


魔王「ふん、ここまで来るとは正直思っていなかった。お礼に教えてやろう、我の名は魔王、ゾルディヌス」


ソル「・・・すぐに決着つける!」


ソルはバットデビルの存在を忘れて魔王に向かって一直線に走っていく。フササ(モキュー)は危険を感じてソルの頭の上から飛び降りて逃げ出した。


ユーリ「ソル!まてっ!!」


ミナ「ユーリ!!まずはこのバットデビルを倒しましょう!」


ユーリはソルに魔王を任せて先にバットデビルを倒すことに決めるとすぐに剣を抜いて戦闘態勢にはいる。ミナも同じく背中から弓を背中から手にまわした。


2話 完


☆魔王ゾルディヌス☆

  説明、ソルの心を蝕み続けた闇が影へと移り変わって生まれた災厄の魔王。黒いオーラをまとっており、触れるとまるで殴られたような痛みが全身を駆け巡るので迂闊に近づけない。武器は黒剣マーラを装備している。火、水、雷を操って攻撃をしてきたり、剣を匠に使ってきたりする。背中には黒い翼が生えていて空を飛び回ることが可能。

 (魔王2代目)


☆黒剣マーラ☆

 説明、誰も見たことがない未知の黒い剣。黒い輝きを放っており、それが斬れ味の高さを表している。切られた者は絶望的な痛みに苦しめられ死に至るため、注意しなければならない。(魔王の装備)


3話(バットデビルとの戦闘・終)


ソルは魔王がいるところに走っていく。なんだか剣がまるで重りがついているかのようで上手く抜けない。


(タッタッタッタッ)


ソル「魔王!」


叫ぶが魔王はソルを無視しているようだった。一方その頃、ユーリとミナはバットデビルとの戦闘が始まっていた。


**********


バットデビル「ギィィィ!!サキニハイカセナイ」


ユーリ「ならば倒すまでだ!!」


ユーリはバットデビルに素早く近づくとともに剣を振り下ろす。斜めに振り下ろされた剣はバットデビルの腹を切り裂いていく。


バットデビル「ギィィィッ・・・」


会心の一撃。


苦しむような鳴き声を出す。しかしバットデビルは体制を立て直すとともに近くにいたユーリに強靭な爪で攻撃を仕掛けた。


ユーリ「その攻撃はもう効かないっ!」


バットデビルの爪攻撃をユーリは軽々と交わしつつミナに指示を出す。


ユーリ「ミナ、矢を放て!」


ミナ「わ、分かったわ」


ミナはバットデビルの頭に狙いを定めると、トゲトゲした矢を放った。ユーリの真横を通り過ぎた矢はまるで捉えた獲物を逃がさないかのようにバットデビルの頭に突き刺さる。


バットデビル「ギィィィッ・・・ヤルナ・・・」


頭に刺さった矢は貫通していた。バットデビルは短い鳴き声をあげるとともに地面に倒れた。


3話 完


4話(龍の叫び)


バットデビルとの戦闘を終えたユーリとミナはソルがいる方向へ振り向いた。


ユーリ「ソル!大丈夫か?!」


ソル「・・・あぁ!」


距離が離れているからなのか、声はよく聞こえなかったが無事だということを悟った。


ユーリ「ミナ、行くぞ!」


ユーリとミナはソルのいる場所へと近づいていった。ソルのいる場所に着くとともにユーリは剣を、ミナは弓を魔王に向けた。


魔王「もう倒されたのか、使えないやつだな・・・」


魔王はボソッと呟く。椅子からゆっくりと立ち上がり黒い翼を広げて空中へと移動した。


ソル「卑怯者っ!降りてこい!!」


ミナ「私に任せて!」


ミナは魔王に狙いを定め、素早く矢を続けて3本放つ。


魔王「ふん。くだらぬ」


魔王はミナの放った矢を全て軽々と交わした。その時!天井が激しく崩れて龍が姿を現した。


魔王「やっと来たか・・・」


???「グァァァッ!!」


龍は叫ぶかのような鳴き声を出しながらユーリたちの目の前に着地した。


ミナ「やっぱり龍がいたのね・・・」


ユーリ「固まっていては危険だ!左右に散れっ!」


ソル&ミナ「了解!」


その時、魔王は龍が開けた天井の穴を抜けて空中に留まりユーリたちを睨みつけた。


魔王「暗龍バルキュラ!そいつらの相手をしろ、殺しても構わない。」


バルキュラ「グァァァッ!(わかった)」


バルキュラはユーリたちの存在を確認する。


ユーリ「くっ」


ソル「勝てるのか・・・?」


ミナ「・・・・・・」


ユーリたちの目の前に立ちはだかる強敵に恐怖を感じたが不思議と落ち着いていられた。


4話 完


☆暗龍バルキュラ☆

 説明、魔界を飛び回る未知の黒い龍。普段はおとなしいが魔王の復活とともに真の力に目覚め凶暴性が増すと言われている。主な攻撃は尻尾の薙ぎ払い。爪攻撃。噛みつき攻撃。大きな黒翼で風をおこして吹き飛ばす。黒い炎を吐くなどの攻撃を仕掛けてくる。黒い炎に当たった者は謎の症状に襲われて意識を失いかけて数時間で死に至るというが意識を取り戻せれば死なずに済む。遭遇した例は少ないため、ほとんどが謎に包まれている。


5話(暗龍との戦闘・開始)


ユーリたちは武器を握り締める。暗龍との戦闘が始まりを告げるかのように辺りにある松明の光が強くなっていった。


ユーリ「行くぞっ!!」


始めに動いたのはユーリだった。素早くバルキュラの足元に近づき剣を一閃させる。しかし龍の鱗に傷をつけるだけの結果となった。


ソル「俺も行くっ!」


それに続こうとソルも剣を握り締め、バルキュラの足元まで近づいて剣を足に突き立てた。


バルキュラ「グァ?!」


バルキュラは足元にいるユーリとソルを嫌ったのか尻尾でなぎ払いを仕掛けてくる。


ユーリ「ソル、離れろ!」


ソル「わかった」


間一髪。バルキュラのなぎ払いはユーリとソルに当たらずに空振りに終わる。


ミナ「あと少し・・・」


ミナはバルキュラの胸辺りに狙いを定めるとトゲトゲした矢を2本連続で放った。一直線に放たれた軌跡は見事にバルキュラの胸に突き刺さる。


バルキュラ「グァァァ!!」


ユーリ「やったか?!」


しかし龍ともなると一筋縄ではいかなかった。隙を与えないかのようにバルキュラはミナに黒い炎ブレスを吐く。


ユーリ「ミナ!」


ミナ「わかってるっ!!」


バルキュラの吐いた黒い炎ブレスは想像よりも遥かに早かった。ミナはバルキュラの吐いた黒い炎に直撃してしまった。


ミナ「ユー・・・リごめん・・・さい」


黒い炎に包まれたミナは意識を失い地面に伏してピクリとも動かなくなった。


魔王「あの女あと少し経てば死ぬな」


ソル「よくもミナを・・・許さない!」


魔王はミナが倒れているところを見て笑っていた。しかしその笑い声は不気味ではなく、何故か暖かく感じた。


5話 完


6話(暗龍との戦闘・中盤)


一瞬だけ辺りが静まり風の音すら聞こえない。意識を失っているミナを見たソルは悪寒を感じる。


ユーリ「いまは龍を倒すのに集中しろっ!」


ユーリの力強い声はソルの悪寒をかき消していき、勇気を得る。


ソル「ユーリ、ごめん。」


ユーリ「早く倒すぞ!」


「倒す」の一言に魔王は反応して叫んできた。


魔王「倒す?もう貴様らの仲間は1人死んだじゃないか!!」


ユーリ「うぉぉぉ!」


大きな声で魔王の声をかき消し、ユーリは再びバルキュラの足元に近づいて剣を一閃させる。1撃2撃3撃と龍の鱗を傷つけていき、柔らかい部分が剥き出しになる。


バルキュラ「グァァァ・・・」


効果はあったが致命傷にはならない。龍はこの程度では倒れないことはユーリはわかっていた。


ソル「ミナ・・・早く助けにいくから待ってて!」


ソルは剣を一度収めてバルキュラの足元へと走って近づいた。


ユーリ「なにをするつもりだ?!」


ソル「飛び乗って頭を斬りつける!」


ソルはバルキュラの足へとしがみつきながら頭を目指して登り始める。当然バルキュラは登ってくるソルを振り落とそうと身体を前、後ろと大きく動かした。


ソル「負けるものかっ!」


バルキュラはソルを振り落とすことに必死で足元が隙だらけになっていた。ユーリは素早くそのことに気づき、再び剣を一閃させた。ユーリが振り下ろした剣は柔らかい部分にヒットし続けて柔らかい部分がグチャグチャになっていく。


バルキュラ「グァァァ!!」


ユーリの攻撃はバルキュラにかなりのダメージを蓄積した。そうしているうちにソルはバルキュラの頭へと到達した。


6話 完


7話(暗龍との戦闘・終盤)


ソルはバルキュラの頭に乗ると剣を引き抜いて手にまわす。


ソル「これでどうだっ!!」


ソルはありったけの力を振り絞り剣をバルキュラの目に突き刺した。


バルキュラ「グァァァ・・・」


弱々しい鳴き声とともに地面に倒れ込む。ソルはバルキュラの頭からタイミング良く飛び降りて無傷だった。


ソル「まだ生きてる・・・」


ユーリ「まて、追い打ちはしなくていい」


一気に攻め込もうとしたソルを止めて待機の指示を出す。


ソル「このままいけば倒せるんじゃ?」


ユーリ「やつは片目を失った、これ以上は攻撃しなくて大丈夫だと思う」


ユーリとソルが話し合っているうちにバルキュラは体制を立て直してユーリたちを睨みつける。


ソル「ほら、もうどうすればいいかわからないよ」


ユーリ「大丈夫だ。信じろ!」


ソルは大きく息を吸って吐いてを繰り返すと自然と冷静になった。


バルキュラ「グァァァ!!」


片目を失ったバルキュラは天井の穴を素早く抜けて去っていった。それを見ていた魔王は怒り、バルキュラに手を向けて雷を落とした。


魔王「裏切るやつは死んでもらう」


魔王の放った雷はバルキュラの身体を貫いた。雷に耐え切れなかったバルキュラは暗い森へと落下した。


バルキュラ「・・・グァァァ」


弱々しい鳴き声がユーリたちに伝わってくる。暗龍バルキュラは魔王の雷で致命傷を負った。暗い森に落下した衝撃で地面についた時には既に死んでいた。


ユーリ「魔王!お前はなにをやってるんだ!!」


魔王「裏切りものを始末しただけだ。」


魔王は天井の穴から再び魔王城の最上階に着地した。


ソル「絶対に許さないっ!絶対に・・」


怒りに身を任せて剣を魔王に向ける。しかし魔王はまだ余裕そうにしていた。その時、1本の矢がソルの目の前を通り過ぎて魔王の翼を貫通した。


7話 完


8話(ミナ、復活の刻)


ユーリとソルは魔王の左翼に大きな穴が出来て使いものにならなくなったことを確認した。


ミナ「ごめん、待たせちゃったね」


ユーリ「ありがとう。もう大丈夫なんだな?」


ミナ「えぇ、フィリニアに救われたわ」


**********


*ミナの頭の中*


暗龍バルキュラの黒い炎に包まれたミナは地面に倒れて意識を失っていた時、頭の中に誰かが話しかけてきていた。


ミナ「やられちゃった・・・どうしよう?」


???「まだ戦いは終わっていないわ・・・ここで諦めちゃだめ・・・」


ミナ「え?だれ?」


フィリニア「・・・フィリニアです。いまユーリとソルがバルキュラと戦っているわ。」


ミナ「そうだよね・・・ここで倒れちゃったらなんにもなんないもんね」


フィリニア「だから、約束してほしいことがあるの。」


ミナ「なにを?」


フィリニア「・・・だから・・・ね」


フィリニアの声が遠のいていく。ミナはその直後に意識を取り戻した。


**********


ミナ「まだ倒れている場合じゃないよね。あともう少し頑張ろ。」


そう自分に言い聞かせながら立ち上がり、辺りを見渡す。数秒後にユーリとソルの目の前に魔王がいることを確認する。


ミナ「いま行くね。」


ミナは弓を握り締め、魔王の翼に狙いを定めて矢を放った。迷いの無い1本の矢は一度も曲がることなく魔王の翼を貫通した。


8話 完


9話([最終戦]魔王との激戦・開始)


魔王は穴があいた翼を見て混乱していた。しかしすぐに冷静になり黒剣マーラを握り締める。


魔王「貴様!殺してやるッ!」


魔王は素早くミナに近づいて黒剣マーラを振り下ろした。しかし、ソルは黙ってそれを見ていなかった。魔王の黒剣をソルは剣で受け止めて押し返す。


ソル「もう仲間が傷つくところは見たくない!!」


ミナ「ソル・・・」


ユーリ「ミナ!早くその場から移動しろ!」


ユーリはミナに移動するよう促す。


ミナ「わかったわ」


ソルに押し返されて少し後ろに下がった魔王は悔しそうな顔をする。


魔王「少しはやるようだな」


ソル「当たり前だ!!」


大きな声で魔王の声をかき消すと同時にソルは走って魔王との距離を縮めた。


魔王「調子にのるな!」


目の前まで迫ってきたソルに魔王は火を放った。火はソルの行動範囲を縮めていく。


ソル「うぉぉぉ!」


強い叫び声で火から伝わってくる熱さを堪えつつ、剣を一閃させる。


魔王「なに?!」


魔王はソルが火の海と化したを足場をお構いなしに進むとは思っていなかったようだった。振り下ろした剣は魔王の脇腹に当たって鈍い音が鳴り響きながら切り裂いていく。


9話 完


10話([最終戦]魔王との激戦・中盤)


ソルの攻撃は魔王にかなりのダメージを一気に蓄積した。


魔王「ぐはぁッ!」


ソル「効いているのか・・・」


苦しむ声を出した魔王。思わずソルは握り締めている剣を見た。黒い血が付着していることがわかると攻撃が効いていると実感してやる気がみなぎってくる。


ユーリ「ミナ、ソルを援護!」


ミナ「了解!」


ソルは真後ろからの声を鮮明に聞き取り、剣を構えなおす。


ソル「魔王、お前はここで終わりだ!!」


魔王「なにを言っている、さっきは油断していただけだ。今度は本気でいかせてもらう!」


ソルは剣を再び一閃させる。しかし魔王は冷静に黒剣で受け止める。


魔王「ふふふ」


不気味な声とともに片手を剣から離してソルに向ける。


ソル「うぉぉぉ!」


ソルは魔王の黒剣を押し返した。その時、魔王は左手から雷を発生させてソルの真上から落とした。


魔王「上を見てみろ!」


ソル「え?」


真上を見た瞬間、雷がソルに直撃する。全身を電撃が駆け抜ける。


ソル「うわぁぁぁ!!」


ユーリ「ソル!!」


ソルは電撃の痛みに耐えきれず地面に手が着く。しかし、魔王はソルが体制を立て直おす前にさらに雷を再度落とそうともくろむ。


ソル「くっ!ここまでなのか!」


悔しそうに地面を叩く。魔王は雷を再度発生させて再びソルの真上から落とした。


ユーリ「させるかっ!!」


ユーリは剣を収めて素早くソルに近づいて両手を使って思いっきり前に押した。


ソルは8m程動いた。


ソル「ユーリッ!!!」


その時、雷が落ちた。ソルはユーリに雷が直撃するところが目に入ってしまった。


ユーリ「あとは、任せた・・・」


魔王の雷はユーリの体力を根こそぎ奪い取った。雷の光が消えるとともにユーリは地面に付して動かなくなっていたが息はあった。


10話 完


11話([最終戦]魔王との激戦・終盤)


地面に倒れているユーリにソルは涙が溢れてくる。


ソル「ユーリ・・・」


魔王「仲間の心配をしている場合か?!」


ソルは剣を握る力を強める。黒い血が付着した剣は斬れ味を鈍らせているがまだまだ使えそうだ。


ソル「許さない・・・」


脇腹を抑えつつ魔王は笑っていた。


魔王「あとは2人だな」


その一言を言い終えるとソルは走りつつ跳躍して剣を魔王の頭に叩きつけるように斬りつける。


ソル「うぉぉぉ!!」


重力を利用して剣を振り下ろす。魔王は笑いつつソルの攻撃を押し返そうと黒剣を真上にかざすように防御態勢をとる。


魔王「諦めろ!」


魔王の黒剣とソルの剣がぶつかり合い大きな声が鳴り響く。


(キィィィン!)


ソル「必ず勝つ!!」


全身の重みを剣を持つ手に加えて力を倍増させる。


魔王「なにっ!!や、やばいッ!」


黒剣マーラは綺麗な音をたてつつ丁度真ん中から割れてソルの剣が魔王の頭から足へと斬撃が凄い速さでかけぬけた。


魔王「うぁぁぁぁぁぁ!」


いままでの攻撃よりも手応えを感じた。魔王は叫び声とともに地面に倒れて荒々しく息を吸って吐いてを繰り返して苦しんでいる。


ユーリ「やったな・・・」


ミナ「怖くて矢を放てなかった・・・ソル、ごめんね」


ソル「やった・・・やったぞ・・・」


ユーリは右腕に痺れを我慢しつつ、ソルの元へと駆けつけた。


ユーリ「トドメはソルがやってくれ」


ソル「わかった」


涼しげな風が魔王城の最上階を静かにさせる。ソルは魔王に近づくとともに勢いよく剣を突き立てた。


11話 完


12話(最終戦は夢のように忘れ去った)


ソルの剣は魔王の頭の側に突き立てていた。


魔王「トドメを刺すのだろう。さっさとやってくれ・・・」


魔王はもう既に力が無くなりつつあった。死ぬ覚悟を決めた魔王にソルは手を差し伸べた。


魔王「なんのつもりだ?」


ソル「悪い自分もそうでもない自分が居てもいい。だから、もう帰ろう?」


ユーリ「ソル、なにをやっている?!」


魔王はソルの差し伸べた手を掴んだ。そうした瞬間、ソルと魔王は光に包まれた。


ミナ「ソル!早く魔王から離れて!!」


ユーリ「ミナ、待つんだ。ソルにはなにか考えがあるのだろう。」


光に包まれたソルと魔王は短い会話は初めた。


光の中は暖かい。魔王が笑っている時もこんな感じだったことをソルは思い出す。


魔王「いいんだな?」


ソル「あぁ」


うなづくとともに魔王ゾルディヌスは光となりソルの身体の中へと入った。


ソル「暖かい感じがする・・・」


ユーリ「ソル、影が戻ってるぞ!」


ミナ「あ、本当だ」


魔王との激戦は終わった。ユーリたちは大きく息をして気持ちを落ち着かせた。ふとソルは魔王城の天井から光の階段が現れるのを見た。


ソル「あれは?」


ユーリ「元の世界に帰れる階段だな。ソルとはここでお別れらしいな」


ソル「・・・そうか。じゃあ帰るよ、元の世界に」


ミナ「いままでありがとうね、楽しかったよ。」


ソルはユーリとミナにお別れの言葉を告げ、光の階段を登り始めた。


ユーリ「また、会える日を待って・・・」


光の階段を登り終えた瞬間にソルはユーリの声が微かに聞こえた気がした。


〜END〜


目が覚めた時にはベットに居た。


ソル「帰ってきた・・・んだよね」


ふと辺りを見渡すと部屋の隅にキラリと剣が輝いていた。


12章(1期、完)


☆あとがき☆

☆滅ぼし物語☆1期を無事に終えることができました。不思議な展開に創造力が湧きますね。さて、2期では成長したソルがフィリニアの過去を知れる物語に仕上げていきたいと思います。

では、2期が更新されるのをお待ち下さい。読者さんありがとうございます。



[登場人物・他]


☆ソル(少年) 主人公*


☆ユーリ(勇者) 仲間


☆ミナ(弓使い) 仲間


ユーリのペット→翼の生えた馬


ソルのペット→フササ(モキュー)


「緑色の光」↓

フィリニア(魔法使い)


栄える街の占い師→エミリア


「サブ人物」村人&街人(男、女)


[1期☆登場悪魔、モンスター紹介]


❗️モンスター種


☆デビルプラント☆

  説明、漆黒の森に生息していると言われる植物系のモンスター、普段は木の中であまり動かない。生き物の体温や匂いで地上に突然降りてくることがある。ビンのような細い形で、ツルのムチが胴体から6本生えており、このツルに捕まると身動きがとれなくなる。


☆エビルプラント☆

 説明、暗い森に多く生息している。植物系モンスター、デビルプラントの上級種と言われていて普段は木と同化していたり地中に隠れている。獲物を見つけるとゆっくり近ずいてトゲトゲしているツルを振り下ろしてくる。体はビンのような細い形で、トゲトゲしているツルのムチが胴体から6本生えている。トゲトゲしているツルに当たるとひとたまりもない。


☆スモルリザード☆

  説明、枯れた土地に極少数のみ生息している。極めて姿を現すことは少なく、陸上で俊敏な動きで敵を翻弄し、突進して獲物の距離を縮めると体当たりをしかけてくる。体当たりの威力が以外に高く、大木を折る程の力を秘めている。外敵からの攻撃を受けると緑色の血が飛び散る。一定時間が過ぎると毒の煙が発生する。


☆マリーマフ☆

  説明、地底で生息している獣。普段は地上には出てこないのだが、なにかの脅威を感じて姿を現す。目撃情報が多くなると世界の終わりが近いとされている。見た目はおとなしそうに見えるが非常に凶暴。主に爪で引っ掻いてきたり体当たりなどをする。怒ると素早さが凄く早くなり、標的に的確に攻撃を連続で繰り出してくる。ほとんどは回避できるが最後の一撃を逃れることはできない。遭遇する前にとおくに移動しておくのが得策。


☆モキュー☆

  説明、草原や水場などに生息するすごく可愛らしいモンスター。一応モンスター種に入っているが性格がおとなしくて人懐っこいことからペットととして飼う人もいる。モキューにはオスとメスがいて、それぞれ毛の色が違いオスは青、メスは赤で繁殖力が非常に高く一度に10匹程産む。モキューの幼体の毛は黄色で大きくなると毛の色が変わっていく。幼体の内は他のモンスターから狙われやすく、大きくなれる幼体は約1〜3匹。


❗️人種


☆ダークゴブリン☆

  説明、魔界に生息する奇妙な動きをしていて、魔王の使いとも呼ばれているモンスター。人型で右手には斧、左手に盾を装備しており、攻守ともに能力が格段に違う。魔界以外は遭遇履歴が少なく未知のモンスターでもある。動きは鈍いが斧と盾の使い方がとても器用で反撃の隙を与えずに斧を巧みに使う。


☆レッドゥゴブリン☆

  説明、魔界にごく少数生息しているダークゴブリンの上位種。ダークゴブリンの時に突然変異を遂げたらしく、強靭な見た目通りに攻守がダークゴブリンの3倍。人型で、武器は槍を装備。防具は鋼を惜しむことなく使った特殊な物だった。動きずらそうに見えるが実際は俊敏な動きで人間を軽々と翻弄する。攻撃方法は槍で薙ぎ払ったり、突いたりしてくる。体当たりも出来るらしく、喰らった時の衝撃はまるで銃の弾が貫通したくらいの痛さらしい。


☆バットデビィ☆

   説明、洞窟の少し奥で群れている人型の黒い悪魔。背中に小さい翼が生えていて飛行することができるが長時間は飛び続けることはできない。主な攻撃は体当たりや噛みついて攻撃をしかけてくる。バットデビィは生き物の血を吸い取って成長する。長い年月を経て成長するとバットデビルになる。


☆バットデビル☆

   説明、洞窟の奥に棲んでいる人型の黒い悪魔。背中に翼が生えていて飛行することができる。主な攻撃は体当たりや強靭な爪で引っ掻いたりして攻撃を仕掛けてくる。バットデビィが長い年月が過ぎて成長するとバットデビルになる。しかしバットデビルになるバットデビィはごく少数のみ。言葉を話すことができるらしく、魔界にも生息していることも確認されている。


☆ディア・フゥルス☆

   説明、魔界の暗い森の奥地に生息している人型の上級悪魔。通常の悪魔より腕力が強く、破壊力は大きな岩を木っ端微塵に吹き飛ばす程。普段は眠りについていて魔界から離れることはない。魔王の復活とともに目を覚ますことがある。主な攻撃は拳で殴ったり獲物の首を手で締め殺そうとする。尻尾も生えており、なぎ払いも可能。戦うことがあるならば強力な拳に注意したい。


❗️神種


☆炎龍ラウルディア☆

  説明、各地を飛び回っている炎の龍。その力は未知数で、遭遇する確率は極めて低い。炎を吐いたり、尻尾で薙ぎ払いなどの攻撃をしかけてきて、よけるのは至難の技。竜の谷の谷底の洞窟で睡眠をとっていることもあるが、途中で起こされると怒りでまわりにいる生き物を絶滅させてしまう。


☆(白銀の狼)月影のシルヴァー☆

  説明、月に近い山に生息している白銀の狼。いつも人に化けて行動しているため目撃例がなく、滅びたことになっていた。見る人を魅了する白銀の毛並みは月の光を受けて生えたという説がある。主な攻撃は強靭な爪で引っ掻く、体当たり、白い吐息を吐く等で攻撃を仕掛けてくる。白い吐息は異常に冷たく、当たった物を瞬時に凍らすことが可能。知識もあり、コミュ二ケーション力が高く、神種に登録されている。致命傷を受けて死んだ時に魂が月に消えていく。


☆暗龍バルキュラ☆

 説明、魔界を飛び回る未知の黒い龍。普段はおとなしいが魔王の復活とともに真の力に目覚め凶暴性が増すと言われている。主な攻撃は尻尾の薙ぎ払い。爪攻撃。噛みつき攻撃。大きな黒翼で風をおこして吹き飛ばす。黒い炎を吐くなどの攻撃を仕掛けてくる。黒い炎に当たった者は謎の症状に襲われて意識を失いかけ、数時間で死に至るという。遭遇した例は少ないため、ほとんどが謎に包まれている。


☆魔王ゾルディヌス☆

  説明、ソルの心を蝕み続けた闇が影へと移り変わって生まれた災厄の魔王。黒いオーラをまとっており、触れるとまるで殴られたような痛みが全身を駆け巡るので迂闊に近づけない。武器は黒剣マーラを装備している。火、水、雷を操って攻撃をしてきたり、剣を匠に使ってきたりする。背中には黒い翼が生えていて空を飛び回ることが可能。

 (魔王2代目)


❗️その他


☆悪魔・種類の書☆

 説明、悪魔は人種、モンスター種、神種の三種類の存在が報告されている。人種は人間の言葉が話せて腕力が強い。モンスター種は爪や身体に異常な進化を遂げている。神種は素早さ、腕力、聴力、嗅覚が人間の数十倍発達しており、魔王などが神種に入る。また、悪魔と違った並外れた力を持つ龍なども神種に入る。(8章参照)


☆謎の紙☆

  説明、差し出し人、☆魔王の手下☆

ハヤクマカイ二コイ・・・マオウサマガキサマヲコロシタイラシイ。(9章参照)


☆魔界石☆

  説明、紫色の光を放つ不思議な石。魔界のモンスターが稀に所持している。ごく普通の人間には石を見る、触ることが出来ない。石は、死んだ人間の魂が天国に登る前に閉じ込めることができる。魂を閉じ込めた分だけ石は巨大化していく。この石をどういう目的で使用しているかは不明。(11章参照)


☆黒剣マーラ☆

 説明、誰も見たことがない未知の黒い剣。黒い輝きを放っており、それが斬れ味の高さを表している。切られた者は絶望的な痛みに苦しめられ死に至るため、注意しなければならない。(魔王の装備)(12章参照)


  ☆END☆

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