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14/8/8

僕の彼女の遠距離物語~クローバー~⑤

Image by Olia Gozha

親に見つかると即刻別れなければならない恐怖心の中、僕らの恋人としての時間は過ぎていく。


彼女にとって初めての彼氏が遠距離恋愛というのはどれほど辛かったのであろうか。




特に付き合って1ヶ月から2ヶ月の間、

一番逢いたい時期なのに逢えないもどかしさに彼女はたくさんの涙を流した。


僕はといえば電話とメールで慰めるしか出来なかった…。




そんな折、一時彼女の親が僕と彼女がメッセンジャーで話しているのを偶然見てしまったかもしれないと彼女は僕に告げた。


付き合って1ヶ月も経っていないのに破局になってしまうのか…少々不安になる二人であった。


その日のうちに対策として二人が共通で書けるブログを設立した。




今はもう消してしまったが学校のこと、お互いのこと、他愛もない記事が並ぶようになった。


結局そのときの一件は親には気づかれていなかったことや、

彼女がうまく誤魔化したこともあって乗り越えることが出来た。




7月は2回のデートをすることになる。

あとにも先にも月に2回デートできたのはこれだけだった。




1回目は僕と彼女が松山まで行ってそこでデートするというもの。

言わば、ちゃんとした初めてのデートだった。

彼女はどうにか親に理由をつけていた。





彼女の親、とくに母親はとても心配性な人らしく、

高校3年生になった娘をひとりで外出させるのにはあまりいい気分ではなかったらしい。


親心を考えればわからない話ではないが、いささかこれがネックになることもあった。




1回目のデートでは午前10時に松山駅前で待ち合わせをし、

路面電車に乗って大きなアーケードへ移動しそこでプリクラを撮ったりカラオケに行ったり…



短い時間を精一杯使っていた。




この日、ラフォーレ原宿松山店内にあるアクセサリーショップみたいなところで指輪を2つ買った。





「安いけど、ペアリングってことにしといて」




僕は照れながらそう言って彼女の左手の薬指に買ったばかりの指輪をはめてあげた。

1つ1000円にも満たない指輪は僕と彼女との関係をより短くした。




午後5時になるとバスに乗って彼女は地元へ戻っていく。

半日もないデートはこのあと何度か続いた。




7月の2回目のデートは、やはり彼女のオープンキャンパスを狙ったものだった。

一緒にいられる時間は2時間にも満たないこともあった。


その日、僕と彼女はLOFTへ向かった。


そしてLOFTの中をウロウロしたあと僕は言った…




「ペアリング買わない?」




そう言うと僕は彼女を1階にある指輪やらアクセサリーを扱っているブースに行き、ペアリングを購入した。


そのときだったかよく覚えていないが僕は彼女に…




「約束指輪ね」




と言ったと思う。




そうやって7月のデートは終わった。


そして9月、10月とデートを重ねた…

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Image by Jukka Aalho

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