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2006年12月16日午前11時頃、僕は岡山駅にいた。
これから2日間にわたる任務を遂行させるためだ。

その任務とは「彼女の実家最寄の駅で待ち合わせ、びっくりさせよう」ということである。
彼女の名前はほたる。高校3年生だ。
母親が厳しく高校を出るまで異性との交際を禁止されている。
それが見つかれば即刻別れろということらしい。
言わば僕と彼女の関係はある意味では「禁断の関係」とでも言えるのではないだろうか。
彼女にとってみれば僕が初めての彼氏になる。
彼女の恋愛の中で巻き起こることはすべて初体験と言うわけだ。
ともなれば、決してあとあと尾を引くような恋愛はしたくない。
そう僕は思った。
彼女との出会いは現代社会らしくインターネットが原点だった。

断っておくが「出会い系サイト」での出会いではない。

僕は、ブログを書いていた。 つまりこのブログである。
「ゆずの陽はまた昇るのコード耳コピしました!!!
知りたい方はプロフにあるメアドからメールください!!」
そんな内容の記事を書き上げた。
僕の中では誰も送ってこないだろうなって思っていた。
しかし、数日後1通のメールが届く。
彼女からだった。
それが彼女との初めてのメールでのやりとりだった。
彼女のメールは、当時高校2年生とは思えないくらいしっかりとした文章だった。
僕としては、初めてのゆずっことの交流、ましてや女の子とあって、少々テンションが高かった。
「メッセンジャーとかで話しませんか?」
ごく当たり前にそう切り出した。そうやって僕らのストーリーが始まった。
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