(前回までのあらすじ)
ついに、引越し先を突き止めた!
朝討ちか夜駆けか。
不動産会社から変に勘ぐられて
邪魔が入らないようにするためには、
できるだけ早いほうがいい。
翌日の日曜日、朝討ちに出向くが
一筋縄ではいかなかった。。。
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真夏の日曜日、朝6時50分。
スーツをばっちりと着込んで
神谷町で部下と落ち合った。
私:「おはよう。日曜日にわざわざ悪いな。」
部下:「おはようございます。日曜日でないと、きっとつかまらないですからね!」
私:「ありがとう。ここから歩いて数分のところだ。気合を入れていこう!」
部下:「がんばります!」
リボビタンDを二人で飲み干して出陣した。
真っ赤な「Cherokee」は停まっていた。
出かけている様子はない。
二人で深呼吸をし、インターフォンを鳴らした。
受話器を取る音がしたが無言である。
カメラで様子を伺っている感じだ。
先方:「・・・・・・・」
私:「ボーダーラインですが、集金にお伺いしました。」
すぐにインターフォンは切れた。
空調を入れたのだろうか、電気メーターが
回り始めた。
その後、出てくる気配がない。
再度インターフォンを押したが、出ない。
このまま、出てこないつもりなのか。
10分程経過したころ、車が近づく気配がした。
振り向くと、パトカーが停車し、
警官2名が降りてきた。
警官:「君たち、何してるの?」
私:「債権があるので、集金に伺っているんですよ。」
警官:「この家から110番通報があったのでね。」
といいながら、インターフォンを押し
ドアを叩きながら、警察が来たことを伝えていた。
私:「民事不介入でしょ!」
警官:「まぁ、落ち着いて。」
まもなく、中から旦那と思われる人物が出てきた。
旦那:「お巡りさんだけ入って。」
警官2名が玄関に入り、中で話し始めた。
私:「110番って、おかしいよな?」
部下:「ヤバイ人が来たと勘違いされたんじゃないですかね(苦笑)」
15分程経ってから、警官が出てきた。
警官:「事情は分かったので、後は当人同士で話し合いをして円満に解決してもらうしかないね。」
そして、ようやく旦那と奥様が姿を見せた。
旦那:「こんなことするなんて、暴力沙汰だよ。初めてだよ。」
私:「そっちが原因でしょ!僕らだって、夜逃げされたような事態になったのは初めてですよ!」
奥様:「スイスの本社からお金が振り込まれなかったので、手続きができなかったんですよ!」
こいつら、ぜんぜん悪いと思っていない。
最悪だ。。。
私:「我々は、スイスと取引をしたわけではないですね。あなたと契約を締結したんですよ!だから、責任を持ってお支払いしてください!」
奥様:「スイスの本社と掛け合うために、明日改めて連絡するから、今日は帰ってください。」
私:「手付金とか、書面とか、何かもらえないですかね!」
奥様:「今は何もお渡しできません。」
ここまで、謝罪の一言もないことに
怒り心頭である。
私:「謝罪も無いんですか!」
奥様:「だから、私が悪いわけではないんで。。。」
どうしょうもない。
こいつは、バカだ。。。
警官:「ま、ここは明日以降冷静に話をしてもらって、今日はお引取りください。」
まったく理解できないし、
気持ちも収まらない。
が、これ以上進展もないし、
迷惑かけられたとかいわれて
被害届け出されるては
負けである。
私:「とにかく、今後振り込み完了されるまで、きっちりお願いしますよ!もし、明日以降折衝される状況などが見受けられなかったら、こちらも対応を考えますよ!」
奥様:「分かりました。必ずやります。」
部下と一緒に最後は旦那と奥様を
にらめつけながら、その場を後にした。
何とも気分が悪い。
回収のめどは立ちそうだが、
詫び、謝罪も無いなんて
悔しくて仕方が無かった。
翌日になり、スイスからの連絡待ちであると
奥様から電話が入った。
というか、「15万円」先に振り込んだら
どうなんだという感じだった。
スイスの保険会社からうちに、
直接振り込ませようとしているらしい。
あくまでも自分たちに責任が無いことを
最後まで貫き通そうとしているのだ。
(つづく)