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14/7/9

3万ちょっとだし別に財布は痛くなかったですわい。気持ち以外はね・・・

Image by Olia Gozha


お水恋愛ファイル 2 〜家出少女〜




スカウト会社を任されていた時の話です。




小さい会社だったとはいえ、

仲のいい仲間内でのんびり、楽しく仕事をしていました。


そんなある日・・・


その日は売上集計などに追われて、

1人で深夜まで会社に残っていました。


外は大雨。


会社にはシャワー室、テレビ、ソファーなどもあったので、今日はこのまま泊まろうと決めて、タバコをきらしていたのでコンビニにを買いに行きました。


タバコを買って会社に戻る途中、

線路のガード下にびしょ濡れの女の子が座っていました。

(長澤ま◎み似)

しかも裸足で。




?家出少女?




なんとなく気になって声をかけました。


リュウ坂口

「えっと・・・ねぇどうしたの?

大丈夫?」


僕の顔を見た彼女は急に・・・


泣きだしました。


リュウ坂口

「!?」


とりあえず風邪ひくからさ、と、

すぐ近くに会社があるからさ、来る?と聞くと、


彼女は黙って「うん」と頷きました。


会社に戻ると、彼女の顔には殴られたアザが、

ちらっと見えた左手首には”傷”がありました。



リュウ坂口

「ああ、なんか面倒臭い子連れてきちゃったかなぁ・・・」




とも思いましたが、よくよく話を聞くと・・・


歳は16歳で、北海道から家出をしてきたと。


新宿でナンパされた男について行って、


監禁されそうになった所を逃げて来たと。




なんともね。まぁ。




うーん・・・


とりあえず泊まる所も金もないと言うので、

会社に1日だけ泊めてあげることに。


服がびしょびしょに濡れているので、

近所にすんでる友達のキャバ嬢に電話。

洋服を持ってきてとお願いすると、快くOK。

(助かります。ほんと)


すぐに来てくれたキャバ嬢フレンドは、

「私、もう要らないから」と、

いらなくなった服を何着かと靴とカバン。

コンビニで下着や飲み物、食べ物まで大量に買って来てくれました。




リュウ坂口

「おいおい~おまえ・・・めっちゃいい奴じゃん!!

なんで彼氏できないの?」


キャバ嬢フレンド(戸田恵梨香似)

「うるせーよ!!

・・・でも大丈夫?

あんまあうゆうタイプの女の子に深入りしない方がいいと思うけど。

じゃあ帰るけど、あの子に手だすなよ。変態リュウ坂口。」




捨て台詞を残してキャバ嬢フレンドはすぐに帰っていきました。


リュウ坂口

「お~い。シャワー室が隣にあるから使ってこの服に着替えなよ。」


「うん。」といって

シャワーにいき、出てきた彼女は、

お腹も空いていたようでサンドイッチやおにぎりをたくさん食べていました・・・。


一応、「なんかあったら」と、電話番号も交換しました。


リュウ坂口

「じゃあ俺はこっちの椅子で寝るからさ。

そっちのソファーで今日は寝なね。

明日これからどうするか話そ。じゃ、おやすみ。」


・・・


と、電気を消してウトウトしかけていると。


「!!」



なんと家出少女の顔が僕のすぐ近くに!!!



家出少女

「あの。起きてますか?

初対面で色々と助けてくれて…

今お金もないし何もできないし・・・、

体で払うんで好きにしてください・・・」


リュウ坂口

「おいおい。馬鹿じゃねーの。

俺はロリコンじゃないつーの!

しょーもないこと言ってないで今日はもう寝なさい~〜………」




家出少女

「…」




リュウ坂口

「…(ゴ、ゴクリ)」




家出少女

「…」




リュウ坂口

「…」





家出少女

「…ほんと、ありがとうございます。…」



リュウ坂口

「………」




そう言うと家出少女はゆっくりとソファーに戻っていきました。






(…ち、ちょっと格好つけすぎたなぁ・・・

あ〜あ。長澤ま◎みと!!!…あ〜あ〜あ〜………)







次の日。








目を覚ますと彼女すでに居ませんでした。


散らかっていた室内が綺麗に掃除されていました。






・・・あと。


出しっぱにしておいた光熱費を入れた封筒が無くなっていました。





うーん。

そんなもんかなやっぱり・・・。


3万ちょっとだし別に財布は痛くなかったですわい。


気持ち以外はね・・・










と、


そんな事も忘れかけていた一週間後。









帰ってくると、会社の扉の下に封筒が。




中には現金五万円。


程なく家出少女からメールがきました。









家出少女

『色々としてくれたのに、お金を盗んでごめんなさい。

許してくれとはいいません。

お金を返しに来ました。

援助交際したんですけど・・・

それしかないし私。


18歳になったらAV女優になって恩返しするので、その時は絶対連絡するので電話に出てください。


あのお姉さんにもお礼を言っておいてください。


本当にごめんなさい。

ありがとう。』














…あれからもう何年も経ちます。


ぼくがいたスカウト会社も全然別の場所に移動。

彼女は恐らく忘れていると思いますが。





まあ、一応ね。




家出少女からの着信音設定を。

なにげに”おきにいり”の歌にして。








スマホからその”おきにいり”が、ながれることを、どこかで期待している今日このごろです。




「今日だってあなた〜を〜思いながら〜歌唄いは〜歌うよ〜」




おしまい。









p.s


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